図解&ストーリー「資本コスト」入門

  • 中央経済社 (2020年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784502352416

作品紹介・あらすじ

資本コストの仕組み、M&Aや事業ポートフォリオ入替えの際の留意点をわかり易く解説。海外案件での資本コストの考え方や株主総利回り等を追加しROICの解説を充実した最新版。

感想・レビュー・書評

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  • ROICについて知るために読んだ本。資本コストの考え方や重要性を歴史的な背景を踏まえて説明されており、理解が深まった。黒字事業でも投下資本の効率性があるのかという視点は持ちたい。

  • 昨今のビジネスの場で頻出の「資本コスト」という概念についてとても平易な表現で著されている本。
    ROIC、ROE、WACCなど、これまでなんとなーく理解していた(つもりになっていた)用語についてストーリー仕立てで丁寧に解説しているため、初学者にもとても分かりやすかった。
    繰り返し読んで理解を深めていきたい。

  • タイトルからは取り扱われている範囲がはっきりとは分からずにいたが、思いのほか広い範囲について解説されていて、とてもためになりました。ROICやM&Aと資本コスト、さらには海外との比較など、期待以上の内容でした。ただ、対話形式でなくとも理解はできるのではないかとも思いました。

  • 曖昧な概念である資本コストについて対話形式で噛み砕いて分かりやすく説明している画期的な本だと思う。経営目線での資本コストの捉え方や、資本コストとしてあるべき水準について考えるための示唆を与えてくれる。CAPMについても実務への応用のイメージが湧いた。リスクフリーレートが上昇傾向にある昨今の金融市場だが、上がっていると言っても欧米に比べればその上昇幅はわずか。CAPMで算出した資本コストは実勢を表さないという考え方もできるかもしれない。CAPMの限界も認識しながら、実態に合う資本コストについて常に考えを巡らせてみたい。

  • 入門書としてはストーリー形式のため非常に分かりやすく、辞書のように使えそう。

  • 他の本で読んでも難しくて分からなかったが、この本でROICとWACCの理解が進んだ。ストーリー仕立てでなくても良いと思うが、社外取締役がどういうことを考えているのかわかって良かった。

  • 分かりやすく書かれている(しっかり理解した気はしないけど)

  • この2年くらい、経営指標にROICを掲げる企業が目につくようになった。といっても勤務先が言い出したから意識し出しただけかも知れない。ROIC(投下資本利益率)といわれても、日々の数字を追いかける現場では、要はどれだけ効率的に稼ぐかだと認識され、売上高と利益率だけだったものが資産回転率と回収を意識するようにはなるものの、事業の特性によって利益率も回転率も異なるので、結局どれくらいを目指せば良いの?みたいな感じではなかろうか…

    本書は、そんな人たちの目線を引き上げ、資本コスト、WACC、ROICなどの基本から、そもそもなぜそれが重要なのか、その応用としてのポートフォリオなど、株主の立場から会社とは何かを考えさせる内容になっている。

    正直な感想としては、ソロバン勘定としては理解するものの、中で働く人たち一人ひとりを思うと、ご無体な…と思う。長い視点で見れば社会の成長・発展には間違いなくつながるものの、発展からこぼれる人たちは絶対いて、その人は一時的といっても10年くらいは不遇で、それが30代、40代の10年間だったりしたら、人生としてはかなり苦しいだろうなあ…

    こういう本を書いているプロ経営者や投資家には縁のない世界…こういう本を読む人たちにも縁遠いだろうけど…

  • 「入門」ということなので、学びを得るためというよりは、自分の(浅薄な)学術的・実務的見地に基づいて批判的に読むことにした。

    最も引っかかったのが、ROICを各事業の評価指標として企業全体のWACCと比較する、との記載。これにより会社の足を引っ張る低収益事業を炙り出し、進退を決定するという。
    これは、実績であるROICが長期的には期待に収束するとしてROIC ≒ WARA ≒ WACCと置くと、WACCの低い事業からは退出する(本書では投資の抑制またはコスト構造の改善を想定していると思われる)と換言できる。そしてWACCが事業のリスクを反映していることを考えると、全社的な水準よりローリスクな事業には投資できないことになってしまい、企業全体のWACCは市場参加者が許容できる水準の上限まで上昇することになる。
    これが企業の投資行動として誤っていることは明白であるが、ではどうするべきか。
    ROICを用いて事業活動を評価するのであれば、相手方は事業別のWACCを使うべきだろう。ここで、事業別のWACCは投下資本を各事業に分配せずとも技術的には算定可能であり、留保がないわけではないが理論的にもサポートされている。
    とにかく、単一事業にコミットする文脈ならまだしも、事業別の資本収益性と企業全体の資本コストを比較して意思決定の根拠とすべきというのは謬見を含んでいるといわざるをえない。

    本書後半部分の多くは専門外ということもあり、学びが多かったように思う。

    全体として、これまで蓄え依拠してきた知識を客観視し棚卸しする良い機会になったと思う。また、初学者が資本コストのコンセプトを理解する目的において過不足はないと思う。

  • 資本コストについて経営視点でわかりやすく学べる良い本だった。

  • 資本コストについて、ストーリー形式に説明しておりとてもわかりやすかった。
    会社を、設立するには資金が必要だが、資金の提供者には2種類ある。デットとエクイティである。資金の提供者は見返りが期待できるから提供してるのであり、この見返りが会社にとっての資本コストである。
    メモ
    WACCとは
    デットとエクイティのコストを加重平均したもの。
    エクイティのコストとデットのコストを比べるとエクイティのコストの方が高い。デットは、契約書でリスクを負う範囲が決まっているが、株主は契約などはまかず、倒産などのリスクも背負っている。
    株主の方がよりリスクを取っている分、リターンも高く求めるのでコストも高くなる。
    無借金の会社の資本コストは実は高い。
    かつての日本企業はデットは返済しなければならないが、エクイティは返済しなくていいので、エクイティのコストはあまり重要視されていなかった。
    最近は流れが変わってきてデットは、活用すれば資本コストを下げてくれるものという考え方が広まってきた。
    株主が求めるリターンとは
    配当と株価の上昇

  • "入門"とある通り、内容は資本コストに関連する基礎的なものが多く、それを社外取締役3名の会話を通して説明をしているもの。以下学びをメモしておく。
    ・ROICのROE/ROA対比の優位性。事業部毎に算出可能(ROEは困難)、Waccと比較可能(ROAは比較対象が無い)。
    ・企業買収時の価額の考え方は以下の通り。
    Standaloneの価値=売手希望価額△DDの発見事項
    買手の上限価額=Standaloneの価値+シナジー効果△ガバナンスコスト
    ※ガバナンスコストとは、連結決算業務整備コスト、追加採用/経営陣の追加報酬等。
    ・黒字会社であっても、企業グループの戦略と整合していない場合は、その会社の事業価値を最も高めることが出来る会社への売却を検討すべき。会社は社会の公器。

  • 3人の社外取締役が語り合う方式で書かれている。ROICの考え方がわかりやすかった。

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