たかが会計 資本コスト、コーポレートガバナンスの新常識
- 中央経済グループパブリッシング (2021年6月8日発売)
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感想 : 9件
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784502385810
作品紹介・あらすじ
利益最大化企業は必ず倒産する―資本コストやコーポレートガバナンスについて日本人が知らない世界標準の理論・研究成果を解説し、「たかが会計」の重要性を明らかにする!
感想・レビュー・書評
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面白かった。
会計学者として、ちょっと自虐的なところがあったりして。
個人的に最も興味をひかれたのは最後の方に書かれている「事実と予測を分離」した「実測予測財務諸表」。
単純な過去の事実と複雑な将来の予測を分けたらどうかという話。
これができていたら、例えばグレイステクノロジーのようなことは起きないのかなぁなんて思ったり。
この先生の授業を受けたことがある。
ゲラゲラ笑える楽しい授業ではないんだけど、じわじわ染みてくるような面白さがあって、個人的には好きだったし、財務分析に興味を持てるきっかけになった授業だった。
お元気だといいなぁ。 -
浅学ゆえ著者の論考に対して批判的視点を持って読み進めることは叶いませんでしたが、主張をとりあえず受け止めるだけでも価値のある一冊でした。
資本コストをB/Sの貸借で考える、すなわち借方の期待リターンに対する請求権として貸方の資本コストを捉える。これは、処理に偏りがちな会計学習とその学習者を基本に立ち帰らせてくれる重要な考え方だと思います。
他にも読者に洞察を与えてくれる記述が多く、実務に携わる前に出会えて良かったと思いました。 -
久しぶりに会計絡みの本を読んだ。
社外取締役、経営者の株式報酬等昨今のコーポレートガバナンス改革の間違いを明解に指摘し、解説している。実績予測財務諸表というのも面白い。これなら会計士、税理士、国税職員も不要になる。 -
本書は、コーポレートガバナンス・コードへの強烈なアンチテーゼであり、企画部門、IR部門に所属している方にとっては必読書。
筆者は結論部分で「コーポレートガバナンス・コードとは、コンプライ・オア・エクスプレインというカタカナ語で偽装した(悪名高き)行政指導に過ぎない」と断言している。通読すれば、この主張が奇を衒ったものではなく、至極真っ当な論理で導かれていることが分かる。
会計・経済関係の書籍を数多く読んできたが「爽快」と言っていい読後感を得たのは本書が初めてである。傑作。 -
コポガバ論、投資指標、割引率等に対する日頃のモヤモヤの理由を、理論的に解きほぐしてある本。それぞれの限界を理解して使うことに繋がる良書。
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くだけた表現ではありながらも内容は難しく、久方ぶりに会計学の考え方に関する議論に触れられて、うれしく感じました。海外の流れから常に見積りのウエイトが増えてきたここ数十年の変化を振り返る意味でも、ご都合主義で適用される会計基準の存在などに首をかしげざるを得なかった人間として、楽しめる内容でした。国際社会における日本の学問の成果の主張は奥ゆかしく謙遜が過ぎると感じますが、学者の皆様には英文で積極的に発信いただきたいと思います。
著者プロフィール
福井義高の作品
