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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784502390814
作品紹介・あらすじ
設備や事業などの投資案件をどう評価し、意思決定を支援するか。コスト把握の仕方から、よく使われる指標の計算方法と使い方、経営者への報告などまで、実務にこだわって解説。
感想・レビュー・書評
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「投資=初めに多額のお金がかかるものの、その後に継続的な収益が見込める支出」の是非を評価する方法について、その枠組みと組織内でそれを実施する際に留意すべき点をまとめた書籍である。
埋没コスト(サンクコスト)や機会コスト、現金支出費用と非現金支出費用といった、投資評価において分かりづらい論点を随所で説明しつつ、投資案件を短期と長期に分けて説明している。
良かった点は、
①投資評価の必要性(①経営資源には限界がある②リスクを評価することで有事に備える③導入の進むコーポレートガバナンス・コードが、適正なリスクテイクを要求)と投資評価で定量化するメリット(①異なる案件を比較可能、②進捗把握が容易、③事後検証により組織にナレッジ蓄積可能)にしっかり言及しており、組織文化として投資評価を実装するために必要な事項にところどころ言及していること
②「投資判断規準は「事前」に複数設定し、それらの優先順位を明確化する(実務上は更に赤字上限を決めておく。)」「投資評価に当たっては、最初にコストを漏れなく集める。投資失敗の主要な原因はコストの見逃しである。」「投資評価では、計算後のフォローアップが重要である。設定した前提、結果の解釈までも説明する。また実現可能性、これまでの経緯も考慮する。」など、実務上のTipsがしっかりと散りばめられており、学術書よりも有意義に読める。
③IRR,NPV,回収期間,ROIといった長期投資向け評価指標についてもしっかりと言及されている。
④Σなど、高校数学以上の知識を要求する数学内容は避けて記述されており、読みやすい。
⑤Excelを用いた具体例(しかも感度分析などのシミュレーションも)がしっかりと書かれている。
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中小企業診断士試験の投資評価問題の振り返りとして、何気なく読んでみたが、試験で必要な知識はしっかりと網羅されているように感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの通り「実務」の手順や考え方の説明に特化した本。投資評価に初めて取り組む実務家の目線で書かれているので、精緻な評価モデルや緻密な分析手法などの解説はない。初学者向けだが、ベテランが初心にかえって読んでも得るものがあると思う。
著者プロフィール
梅澤真由美の作品
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