探偵小説の論理学

著者 :
  • (株)南雲堂
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784523264675

作品紹介・あらすじ

探偵小説における論理とは何か?不可解な謎に対する筋の通った合理的な説明が与えられたとき、「論理的」であると探偵小説読者は感じる。しかし、ここでいう「論理」とは論理学でいう「論理」のみならず、別の要素が介在している。探偵小説における「論理」を捉えるためには、遡って論理学の「論理」を捉え返す必要がある。ラッセル論理学に基づき、エラリー・クイーンなどの探偵小説における論理を論考する。新しい時代のミステリとコードの変容の係わりを考察し、新しい時代への対応法を大胆に提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 法月綸太郎や飯城勇三の推理小説論は、論理学に依拠している部分が大きいが、本書は、既出の諸論の不適切な点を指摘し、論理学を厳密に推理小説論に適用している。哲学、論理学のテキストとしても読めるようにということで、論理学の部分にも大幅にページが割かれているが、少しやりすぎの感がなきにしもあらずで、ラッセル論理学についての知識がないこともあって、面白さという面では多少後退しているように感じた。時代に応じて合理的の内容が変わること(ロゴスコードの変容)と最近の脱格の評論部分は、分析の余地があり、続編が期待される。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1994年、『コミケ殺人事件』でデビュー。『探偵小説の論理学』で第8回本格ミステリ大賞評論研究部門受賞。『英文学の地下水脈』で第63回日本推理作家協会賞評論その他部門受賞。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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