可視(み)える (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)

著者 :
  • 南雲堂
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本棚登録 : 102
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784523265344

作品紹介・あらすじ

「幽霊画の作者を探して欲しい」画商の依頼を受け、島根県の山奥に佇む龍源神社に赴いた探偵の槇野康平は、その幽霊画のあまりの悍ましさに絶句する。そして一年が過ぎ、警視庁捜査一課の東條有紀は、搜査員の誰もが目を背ける残虐な連続猟奇殺人事件を追っていた。不祥事から警察を追われて探偵となった男と、自身の出生を呪う鉄仮面と渾名される女刑事が難事件を追う!

感想・レビュー・書評

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  • 槙野シリーズ第1弾。
    ずっと前から読みたかったが、なかなかこの本が手に入らず、やっと読めた。
    あらすじや帯などを見ると、ホラー色が強そうなイメージだが、中身はオカルトを絡めてはあるが、絶対実現はしなだろう、と突っ込みたくなるような部分は一切なく、作者のもう一つの代名詞と言える向井シリーズより、楽しく読めた。
    幽霊画を巡る猟奇的な殺人の真相を、警察を辞めて、探偵になった槙野と、姉を惨殺され、感情を持たない捜査一課の東條と言う女性刑事の二つの目線から探っていく。
    ラストの犯人の独白部分は、向井シリーズでも感じる、トリックの説明文みたいで、少しだけ嫌になるが、全体的には面白い。
    トリックが明かされる部分を、もう少し話の流れで、持っていけたら、もっと面白くなるような気がする。
    とりあえず、シリーズはほぼ手に入れたので、第2弾に期待。

  • 8月-9。3.5点。
    組対刑事が退職し、探偵に。一方問題を抱えた女性刑事。
    悍ましい幽霊画の作家に、更に絵をかいてもらう依頼を受けた探偵。
    一方、女性拷問惨殺事件を捜査する刑事。二つがつながり、捜査協力関係に。

    オカルトチックだが、現実の事件。スピード感あり、且つドキドキさせる。次作も期待。

  • 死体の描写が少しだけど、けっこうグロテスクだったので、ダメな人には駄目かも。最後の犯人の会話が長く説明的だったのが、残念。あと主人公の性同一性障害という設定は必要だったのでしょうか。

  • 元刑事の探偵と性同一性障害を持つ女性刑事がそれぞれ、探偵と刑事の立場で連続猟奇殺人事件の犯人を追う。

    オカルトな雰囲気と猟奇的なグロい描写が際立つ。探偵と刑事の両方から事件を追い、犯人像を少しずつ絞り込みつつも、最終的に明かされた真犯人の正体はなかなか意外性があり、楽しめた。ただ、肝心の事件の解き明かしは延々と続く犯人の告白だけで終わってしまった感じで微妙。緊迫感が間延びしてしまい、何か勿体ない。
    探偵と女性刑事のキャラがいい味を出していて、好印象。シリーズ化を期待したいと思ったら、このコンビで期待通り続編が出るようで楽しみ。

  • 元警官の探偵・槙野康平が出会った不気味な幽霊画.作者の調査依頼があり,槙野は活動を開始し,程なく秋田秀次朗を探し出す.若い女性の連続殺人事件が起こるが,被害者の遺体は酷く損傷していた.東條有紀らが捜査を開始するが,秋田も事故で死亡する.死亡した女性たちの調査で,榎本拓哉と下平優一が浮上し,有名な日本画家・白石圭子の弟子で橋爪沙耶香が榎本の婚約者であることが判明する.多くの登場人物が出てくるので,それぞれの関係を把握しながら読んだが,意外な人物が犯人だった.犯人に捕らえられた榎本が傷を負いながら,顛末を語らせる最後の場面が秀逸だ.それにしても,女の執念は侮れませんな.槙野の家に潜り込んできた麻子の存在は,おぞましい事件が連続するなかで,ほっとする情景を作っているのが良かった.

  • 記録

  • 肖像画を生き生きと描く為に、その謎解きが本作品の醍醐味か?

  • 余りにエグくて・・・
    まさかねえ~~
    読ませる本でした

  • 見てから一か月経っても、夢でうなされるような悍ましい幽霊画。その作者を探すという仕事をした探偵が一年後、彼が自殺をしたと知り動き出す視点と、連続猟奇殺人事件を追う刑事側視点で話は進みます。話が一本に繋がって隠されていた部分が現れていく様子は一気に読み進めましたが、最後の説明を全て犯人の独白にしてしまったのが流れを妨げたようで、そこだけが残念でした。プロローグの幽霊画の恐ろしさで想像する怖さではなく、猟奇殺人の恐怖やグロさが際立つしっかりとしたミステリで読み応えがありました。シリーズの続きも読んでみます。

  • 前から読みたい本に登録してあったこの作品。初読みの作家さん。

    んー…正直求めていた物とは全然違った。まぁ警察小説としても、まぁありきたりで普通ぐらい。可もなく不可もなくの出来だったと感じた読後。この装丁にこの帯の文言なんだし、もっと怖くあって欲しかった。ちょいちょい見える恋愛要素もいらん。

    そこそこの厚みだったけどさっくりテンポ良く読めたのが救い。これでペースが遅々としているようなら厳しかったと思う。警察小説が好きな人なら楽しめるんじゃないかな。

    私が求めていたのはもっとハードな作品だった。物足りない。空腹感は満たされず。もっとどす黒い血を。

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著者プロフィール

佐賀県生まれ。島根県在住。2011年『変若水(をちみづ)』(光文社)島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれデビュー。主な著作に『凶血公安調査官 霧坂美紅』(KADOKAWA)『凶眼の魔女』(実業之日本社)『化身の哭く森』(講談社)『背律』(原書房)『堕天使の秤』(光文社)『四面の阿修羅』(南雲堂)

「2023年 『龍のはらわた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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