中国環境都市―中国の環境産業戦略とエコシティビジネス (B&Tブックス)

  • 日刊工業新聞社
4.33
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 11
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784526064746

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中国の環境産業に特化した書籍。たいへん参考になった。自分自身も近い将来既に国内のみでは生き残れないと思っている。納得したのはものづくり日本で優れているのは必ずしも最先端技術ではなく生産技術である点。そして進出先の発展のために力を注ぐと言う内容。その通りだと思う。現在バイオマスを推し進めているのも日本国内の環境保全ためだ。それを是非中国繁栄のためにも注力したいと思わせて頂いた。

  • 中国環境都市の話です。

    COPによって先進国の環境破壊への責任が明示され、アメリカも協調路線を歩み始めた。リーマンショックによって大打撃を受け、成長が鈍化する先進国にとって、新興国や発展途上国市場の価値は非常に高まり、それに伴い中国を筆頭に発言力が高まった。莫大な市場規模を有する中国は世界経済の中心となり、2020年の予測GDPでは米国すら上回るとの試算もなされている。

    そんな中国はエネルギーと環境問題にがネックとなっており、国レベルで重点的に強化を行っている。日本では、中国は環境問題ばかり、と言ったイメージがあるが、後々まで見通した環境都市構想は世界最先端と言える。環境対策投資を3兆元(30兆円ぐらい?)、更に中国版グリーンニューディール政策と言えるものを行っており、総計で370兆円の支出が見込まれているから驚きである。

    (例)世界最大にして最先端の環境都市として中新天津生態城の開発が進んでおり、この都市は34km^2、2020年度の想定人口35万人に規模の大都市であり、この規模で再生エネルギー効率20%と言う値を想定している。ちなみにシンガポールとの共同開発都市だ。このレベルの都市が、生態城と言われるものだけで20も建造中だと言う。

    では中国の環境都市技術はどの程度のものなのか。①太陽光発電では、サンを筆頭に世界最大レベルの企業を有し、発電効率では日本に劣るものの、圧倒的なコスト力を持った製品を大量に製造することが出来る。しかも海外での導入実績も多い。②風力にも力を入れており、世界TOP10に名を連ねる企業が出始めた。これも太陽光同様、中規模効率クラスを安価に作ることが出来る。③交通では上海、北京、天津を繋ぐ高速鉄道の他に、各都市を時速300kmで繋ぐ幹線が計画されている。※最終的には国産で全てを賄えるような産業の形成を考えている(当然だが)。

    中国の開発モデルは、まず国産を切望し、それがだめなら海外企業を誘致し、技術を得てから国産化するモデルだ。中国では産業への投資が急激になされる為、これに応じて企業が集中した分野へ投資し易いメリットがあるので、先進分野の伸びが急激である。もちろん、他国の技術力を吸い取ると言ったモデルが寄与している部分も大きい。

    各国のアプローチとして、シンガポールなどは華僑ネットワークを通じて最速で情報を得る。そしてローカライズされた企業を用いて積極的に中国との共同開発を行うと言った手法を用いている。欧米は徹底的なローカライズ、海外での事業実績、政治レベルでのアプローチを行って受注を受けている。日本もこれらの国家、企業を見習って、日本のモデルを再評価し、中国市場に出向く必要がある。

    日本企業がどのように環境ビジネスにアプローチしていくか、についての意見も載っていたので、興味のある方は読んでみると良いかもね。

    と言った内容でしたとさ。いやーしかし、環境都市…これはお金が動くね。

    スマートシティ<http://hase62.blog111.fc2.com/blog-entry-57.html

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

日本総合研究所 執行役員・創発戦略センター所長 早稲田大学大学院非常勤講師。主な著書に『自治体PFIプロジェクトの実務』(東洋経済新報社)2004年、『都市再生プロジェクトを読む』(インデックス)2001年、『図解eガバメント』(東洋経済新報社)2000年、『電子自治体』(日刊工業)2000年、『自治体破綻』(日刊工業)1999年など。

「2018年 『AI自治体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井熊均の作品

中国環境都市―中国の環境産業戦略とエコシティビジネス (B&Tブックス)を本棚に登録しているひと

ツイートする