「自動運転」ビジネス 勝利の法則-レベル3をめぐる新たな攻防- (B&Tブックス)

  • 日刊工業新聞社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784526077234

作品紹介・あらすじ

自動車メーカーVS電機/IT企業の一騎打ちか。下剋上を狙う部品サプライヤー、はたまた群雄割拠のベンチャー企業か…コミュニティモビリティが主戦場になる!

感想・レビュー・書評

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  • 自動運転技術に関する非常にフラットな目線での評価であり、勉強になる内容であった。
    フラットであるからこそ、今後の方向性として現実的な内容にとどまり、革新的な展開にはつながっていない。
    しかし、実はそれが現実的なのかとも思いつつ、次回作にも期待したい。

  • 自動運転本 3冊目。2017年6月刊行の本で1年半ほど昔の本だが、知る限り状況は大きく変化していない(著者たちの予測は極めて高い精度で当たっている)。いたずらにナイーブな未来予想図を描くでもなく、変化への恐怖感からアレルギー的な嫌悪感を示すでもなく、極めて現実的な近未来像を示していて素晴しい。

    レベル1、2 (衝突検知、自動車庫入れなど)の運転支援技術が一般価格帯の車に標準塔載されるようになる一方、その延長としてのレベル3(高速道路でのオートクルージングなど)も普及が進んでいる。また、無人運転に向けてのレベル3、レベル4(限定区域内における無人運転)はコミュニティ・モビリティとしての固定コース、低速(20km/h程度)での普及が進むと予測する。一方で、レベル5 に向けては技術的成熟度、既存交通社会との併存の難しさ、法制度(各国法はもちろん、ジュネーブ条約、ウィーン条約も)、賠償責任と保険、社会的受容などの観点から四半世紀程度は先になるだろうと言う。

    既存の自動車産業が Google Car やテスラによって駆逐されることは考え難いとしながらも、幹線には既存の電車やレベル3を完備したバスが、ラストワンマイルにはコミュニティ・モビリティ型の自動運転車が配備された近未来交通社会を予測し、ますます下降するマイカー需要が自動車産業界に変革を迫ると説く。

  • 2017年6月発行。
    自動運転の現状と今後の展望を客観的に纏めた書。目新しいことはなかったが、以下の指摘にはなるほどと思った。

    「人工知能は経験のない状況を予測することはできず、将来的にも人や自転車が行き交う道路の状況を完全に予測できるようにはならない」(不完全知覚問題)ため、近い将来にレベル3や4が実装されるとしてもそれははごく限られたエリアに留まる。当面は、自動車会社主導で安全運転技術であるレベル1、2が大きく普及するとともに、そのオプションとして高速道路等におけるレベル3が徐々に浸透していくことになる。一気に広範囲なレベル3・4が実現しないので、IT企業が自動車市場を支配するような状況は生じない。つまり、少なくともIT企業との関係では自動車メーカーは当面安泰ということのようだ。

    また、自動車会社の本当の脅威は、IT企業ではなく、「「自家用車がなくても日常生活に不便を感じない」生活圏が拡大すること」であり、そのために自動運転技術を用いたコミュニティモビリティが発達することにある。ラストワンマイルを低速自動運転車が埋めれば、自家用車の需要は今より大幅に減ってしまう。本書は、自動車会社に、「シティマネジメント、ロジスティクス、モビリティマネジメント、商品販売などを含む地域のプラットフォーム」サービスに新規参入すべし、と提言している。

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著者プロフィール

日本総合研究所 執行役員・創発戦略センター所長 早稲田大学大学院非常勤講師。主な著書に『自治体PFIプロジェクトの実務』(東洋経済新報社)2004年、『都市再生プロジェクトを読む』(インデックス)2001年、『図解eガバメント』(東洋経済新報社)2000年、『電子自治体』(日刊工業)2000年、『自治体破綻』(日刊工業)1999年など。

「2018年 『AI自治体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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