身体症状に「宇宙の声」を聴く―癒しのプロセスワーク

  • 日本教文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784531081530

作品紹介・あらすじ

身体症状は根源的次元からのメッセー
ジであり、「気づき」の能力を高める
ことで、そのメッセージを癒しの力と
して、また、人生のガイドとして活か
すことができる。「プロセス指向心理
学」の最新版。

感想・レビュー・書評

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  • プロセス指向心理学は、チューリヒのユング研究所でセラピーを行っていたユング派の分析家であるアーノルド・ミンデルが創始したセラピーの技法ですが、新たな世界観が自分の中に広がるかも。

  • ミンデルは、もともとは物理学を専攻していて、スイスでユング派のセラピストになったのだが、近年、物理学にちょっと回帰しつつあるらしい。

    ということで、読んでみたのだが、多分、そんなことが書いてあるんだろうなー、というような内容で、特段の驚きはない。

    つまり、量子力学の観察者の問題とか、エヴェレットの多世界解釈、デヴィド・ボームの隠れた変数理論、超ひも理論を踏まえたマルチバースみたいな世界観。そして、それとタオイズムや仏教なども絡みつつ、いつものミンデル・ワールドが繰り広げられる。

    いわゆるニュー・サイエンスっぽい世界ですね。

    うーん、この人、どの本読んでも、あんまり変らないね。語りのアプローチが物理学だったり、シャーマニズムであったり、するだけで。

    と書きつつ、個人的には、この物理学から説明するミンデルは、結構、分かりやすかったな。自分も量子力学とか、超ひも理論とか、宇宙論とか、かなり読んでいるので。

    お約束のエクササイズも、ちょっとやってもいいかなと思えるものもあった。

    今回は、音楽というか、音を使ったエクササイズであるところが、面白い気がする。

    あと、これまでのミンデルだと、微細な身体感覚を増幅していく感じであったが、この本では、沈黙とか、一旦、増幅したものを沈めていくという感じもあって、なんとなくそんなにエクセントリックではないかな、みたいな気がした。

    ついでに、私の好きな十牛図をミンデル的に解釈したところも、なるほど感は高かった。

  • 物理学の言葉で心理学を解説したような本。
    倍音の例えが自分にはとてもわかりやすかった。

  • <身体症状に宇宙の声を聞く>

    P7
     現代科学の主流は、宇宙のゼロポイントエネルギーの影響を測定することに焦点を当てている。そして、微細なエネルギーの揺らぎによって宇宙の起源が発生したのかどうか、議論されている。それに対して私は、ごく小さな兆候に注目し、そうしたかすかな兆候がどのように私たちの人生を創造していくかを、「沈黙の力」の観点からとらえ直すを提案したい。

    P13
     そうした微細な経験に焦点を当てることが、非局在的医療となることを示していきたい。

    P17
     私はすべての動作や身体症状が、「実際の」日常的現象に先立つ、ごく症の、きわめて微細な「想像(界)的な」経験にまでさかのぼれることを見いだした。ある意味、症状(そして、人生のすべての出来事)は、微細なシグナル、すなわち沈黙の力として感じることのできる虚時間に始まるのである。

    P26
     非相対論的なニュートン物理学(古い物理学)では、物質は空間における弁別可能な実体(部分や粒子の固まり)として捉えられている。それに対して量子力学や最新の科学では、物質はよりエーテル的なもの、すなわち、かつて科学者たちが、宇宙の空っぽの空間を満たしていると推測していたいわく言い難いもの、と見なされている。もちろん今日、アインシュタインの相対性理論によって、私たちは実体としてのエーテルが存在しないことを知っている。そのかわり、私たちは量子真空場のような現象を知ることになった。物質それ自体はもはや何らかの大きな固まりではない。それは不可視の空間におけるエーテルのような波動なのである。第1章では、そうした波動が単なる抽象的理論ではなく、感じることのできる「傾向性」より一般的に言えば「意図を持った場」であることについて示唆しておいた。
     量子物理学の数式で記述される傾向性は、合意的現実とドリーミングの世界(現実)とをつなぐ象徴である。この数式は、抽象的な性質を備えたメタファーであると同時に、人生においてある方向へと私たちを駆り立てるドリーミングの力のメタファーでもある。

    P39
     深まった意識状態において、沈黙の力は症状と関連している可能性のある創造的な衝動として顕現する。

    P42
    ・症状はそれ自身の薬である。

    P51
     簡潔に言えば、量子物理学は宇宙の自己反射的な傾向に基づいている。宇宙はそれ自身を反射する。量子波動、傾向性、沈黙の力は日常世界を創造しながら自らを反射する。あなたはこのプロセスが自分の心に起こっていることに気づくことができる。私たちが何かに注意を向ける場合、多くの人は自分の意志でそうしていると思っている。しかし、内省や瞑想の訓練を積めば、物事のほうが最初に「あなたの肩を叩く」ことを発見するだろう。

    P75
     自覚の訓練は、他のいろいろな能力を訓練することににている。

    <エクササイズ>
    焦点を当てる
    手を動かして、ドリームランドでそれを表現する
    症状の「エッセンス」を取り出す
    そのエッセンスに返信し、なりきる
    物語を作る
    日常に落とす

    P88
     量子力学は確固たるこたえを持たないが、量子論によれば、物質的な粒子は無から、すなわち真空から、いわゆるゼロポイントエネルギーの状態から「突然、出現」したという。仏教も同じように考えているが、その状態を「空」とよんでいる。(略)
     「夜に溶け込み」、闇の中を自在に動き回るシャーマンの「力」を得るために、周囲を感じるようにしろとドン・ファンは弟子たちに教えている。この感覚は非局在的な内的関連や、あるいは八歳で盲目になったジャック・リュセイランのいう、観察する側と観察される側をつなぐ生命の絆の経験に類似している。

    P94
     未知なる他者を周縁化すればするほど、私たちはさらにその他者をおそれるようになる。あらゆる不安は、無視された自分自身の一部や外的世界と結びついている。

    P127
     私たち一人一人は、相対的に独立した数多くの下位宇宙を持つある種の宇宙である。

    P128
     そうした歌(アボリジニーのいうところのソングライン)ーその瞬間に感じる音ーはすべて、一生を通してその人を導くガイドとなる。

    P131
     ソングラインは人生に関する公式あるいは法則のようなものといえる。(略)ソングラインは生命の振動を伝える。それは私たちの存在全体の「背後」に広がる宇宙の量子波動から運ばれてきた「先導(パイロット)する情報」と言える。

    エクササイズ
    焦点を当てる
    手を動かして、それを表現する
    音にする
    メッセージを受け取る(かね付き男んど)
    一オクターブあげるorさげる
    両方の音を聞く
    合体する
    その音を身体に吹き入れる
    その「音風呂」にくりかえいしはいる

    P140
     日常的意識が虹の身体(レインボーボディ)の多様なイメージや音のスペクトルとコヒーレント(整合状態)になるとき、あなたは最高の気分になる。
     (略)この地図(微細な感覚と身体感覚の交差する場所?)は、内的パターンに対する自覚と相似的関係にある。世界と上手にやっていくために使っている地図が特定の区域を無視するならば、そうした区域は最終的に反乱を起こしてあなたの注目を引くことになる。地図が不完全ならば、身体があなたにそれを知らせようとする。(略)もっとコヒーレントになること。そうした音を日常生活に持ち込み、日常生活をもっと豊かで、もっとおもしろくするために。

    <エクササイズ>
    やっかいな人物のの超空間
    呼吸
    準備
    「この症状の意味は?」
    過去悩ませた人物について考える
    その人物の周囲やオーラについて考え、絵にする
    「なにがいちばんやっかいなのか?」
    このエネルギーを人生の他の場面で感じたことは?
    それを手を使って表現する
    そして、それはどこにいちする?(左肩の肩胛骨)
    そのエネルギーのエッセンスに入る。
    エッセンスを表現する
    そのエッセンスが日常に入り込むとどうなるか?
    そのエッセンスと自身をつなぐ第三者を「X」としてイメージする。
    そのXに最初の人物はどう反応するか?
    体験を振り返る

    <エクササイズ>
    幼い頃の夢
    思い出せる一番古い記憶を思い出す
    二つの単純なイメージをスケッチする
    それらは母親or父親の家系に関連している?
    自分の身体の輪郭をスケッチ。それぞれどこに対応しているかを感じる。
    子供時代の夢をワークする。もっともやっかいな夢人形(ドリームフィギュア)はどっちだろうか?
    イメージを演じる
    エッセンスを取り出す
    エッセンスから自分の夢や体験をみてみる
    そのエッセンスをたっぷり堪能した後、それがいまなににより妨げられているかを感じる
    新しい物語を作る

    P222
     エッセンス、沈黙の力の視点からすれば、あなたの個人神話は部分的にさまざまな夢人物としてドリームランドに、そして遺伝子として物理身体(肉体)に表されている。(略)それらすべてが合わさって、一つの輝き、すなわち個人神話となり、そのエッセンスが沈黙の力である。

    <しへきのエッセンス>
    リラックスし、しへきについて考え「この傾向の背後にあるもっとも深い満たされていない願望は何だろう」と考える。
    渇望を探求する
    渇望している対象や人物を想像・創造する。
    それにはいりエッセンスを感じる
    それがそれほど劇的になる前は何だったかを想像する
    そのエッセンスから新しいイメージを作り直す
    その世界で満たされた感覚を探求する、
    日常との両方を尊重する

    P252
     しへきは一面的なアイデンティティと結びついている。あなたはあなたが渇望している物質に備わっているのと同じ力など自分にはない、となぜか思いこんでいる。しかし言うまでもなく、あなたはその力を持っているのである。だが、その力を受けいれるかわりに、それを無意識のうちに物質へと明け渡しているのだ。(略)が、あなたとあなたがしへきしている物質(あるいは対象、行動)は実は一つであり、さらにいいことに、両者は同じエッセンスを共有している。エッセンスはあなたの一面的な性質や物質の一面性へと展開していく以前の場である。したがって、そのどちらでもない。そのエッセンスは二元性や執着を越えている。それは物や人に縛られていない。
     渇望は老化プロセスを悪化させる。それは多次元的な力の略奪者である。

    P256
     基本的な考え方は、あなたと、あなたがひきつけられ、また、はねつけられていると感じるものとの間に、飛び交う下層粒子のような何かがあるということだ。そうした諸粒子はドリームランドのざわめきであり、通常は日常的意識から無視されている。このざわめきの力に触れると、しへきから自由になるだけでなく、日常生活が魔法に変容する場合がある。

    P278
     レインボーメディスンの介入はすべて、量子的な世界と関連する多様な次元や微細なシグナルへの自覚を必要とする。(略)
     本性では、自覚の強さが活力の強さと関連することを論じていく。自覚を高めると、利用可能なエネルギーが増大する感覚がもたらされる。

    <エクササイズ>
     あなたの生活の中で秩序を必要としているkれど、ないがしろにされている領域を見落とさないようにしてください。

    クォンタムマインド
    ニック・ハーバート エレメンタルマインド
    フレッドアランウルフ 量子の謎を解く
    アミット・ゴースワミ 自己意識を持つ宇宙

  • 非常によくわかるという感覚とまったくわからないという感覚が共存する。

    理屈で捉えるよりは最初はワークなどで身体感覚で捉えないと難しいかもしれない。

    読めば読むほど混乱する。

  • 未読。

  • Process Oriented Psychology (POP)

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著者プロフィール

プロセスワーク、ワールドワークの創始者。マサチューセッツ工科大学大学院修士課程終了(論理物理学)、ユニオン大学院Ph.D.(臨床心理学)。ユング心理学、老荘思想、量子力学、コミュニケーション理論、市民社会運動などの知恵をもとに個人と集団の葛藤・対立を扱うプロセスワークを開発。世界中の社会・政治リーダーやファシリテーターの自己変容を支援している。著作に『対立を歓迎するリーダーシップ』(日本能率協会マネジメントセンター)、『ワールドワーク』(誠信書房)、『プロセス指向のドリームワーク』(春秋社)など多数。

「2022年 『対立の炎にとどまる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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