一応族の反乱: 若者消費はどこへゆく

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532096069

感想・レビュー・書評

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  • ・絶対的価値が失われたからこそ、人は「一応」という相対的で留保付きの対応しかできなくなっているのではないだろうか。

    ・私は「社会」は信じないが「時代」は信じる者だ。「社会」は人間の勝手な思惑によって変容していくが、プリミティブな時代の流れは、社会の枠組みを超えて私たちのメディアを通して、あらゆるものの隅々まで静かに広がっていくと思っている。

    ・「女が強い時代は平和な時代」という言い方があるが、どうやら正確には「平和な時代は男が増えるから、逆に女が強くなる」という言い方なのだと思う。

    ・これまでの社会は、「社会が完全にシステム化されなかったことによって栄えたビジネス」と、「社会を完全にシステム化させるために栄えたビジネス」とがある。しかし、「社会が完全にシステム化された時のビジネス」というのは、まだない。

    ・子どもは大人になる理由を失っている。昔だったら、子どもは「大人になったらこれをやろう」という気持ちを持てたが、今ではそのような幻想はない。大人にならなければ出来ないものなどもはや何もないし、またあったとしても、決して魅力のあるものではないのだから。

    ・「仮装大賞」はおそらく普遍的に続く、アイデア表現ステージになるだろう。

    ・完全なものはない。絶対のものはない。それらが完璧にないと自覚したものだけが、今は「一応」という言葉を口にする。

    • rcnさん
      本音を包み隠すときに「いちおう○○です」みたいに使ってしまいがちですね。タテマエとのズレに敏感な世代が使い始めた用法でしょうか。
      本音を包み隠すときに「いちおう○○です」みたいに使ってしまいがちですね。タテマエとのズレに敏感な世代が使い始めた用法でしょうか。
      2012/05/16
  • 家の解体、男の論理から女の論理へ、子供や若者をめぐる現象から現代消費の変化を予見する。良かった。

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著者プロフィール

1950年2月4日、東京生まれ。'72年、渋谷陽一らと音楽投稿雑誌「ロッキング・オン」創刊。'78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後、さまざまなメディアを開発する。'83年、定性調査を定量的に処理する「気分調査法」を開発。商品開発、市場調査などのマーケティング調査活動を行う。80年代後半より草の根BBS「CB-NET」を主催、ニフティの「FMEDIA」のシスオペを勤める。'96年、株式会社デジタルメディア研究所を創業。インターネット・メディア開発、企業コンサルテーションなどを行う。アーツカレッジ・ヨコハマ(旧神奈川情報文化専門学校)のマルチメディア科を立ち上げプロデュースを行い専任講師。武蔵野美術大学非常勤講師、日本デザイン専門学校講師などを経験。現在、多摩大学経営情報学部客員教授。キーマン・ネットワーク「コンセプト・バンク」を運営。
〈著作〉
『企画書』『メディアが何をしたか?』『なぞのヘソ島』『一応族の反乱』『生意気の構造』『暇つぶしの時代』『やきそばパンの逆襲』『ドラマで泣いて、人生充実するのか、おまえ。 』『希望の仕事術』『森を見る力』ほか共著、編著多数

「2016年 『ロッキング・オンの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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