グループ・コーチング入門

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.16
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本棚登録 : 167
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532111472

作品紹介・あらすじ

グループ・コーチングはコーチングの発展形!「1人対1人」の技を「1人対複数」に応用する新しいコミュニケーション・スキルです。1人の部下の課題について、ほかの部下からの意見も募り、アイデアを引き出すことで効果倍増!グループ・コーチングならではの「指名」「公募」のアプローチ、身につけたい4つのスキル「傾聴」「観察」「承認」「質問」をわかりやすく解説。ケーススタディで具体的な職場の事例を再現し、すぐに活かせるポイントを詳しく解説。Q&Aで素朴な疑問にお答えします。

感想・レビュー・書評

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  •  本書はグループ・コーチングという筆者が提唱するものに関するバイブルである。また、本を書く人であれば秀逸な構成は学ぶに値する。
     コーチングは通常一人に対して行う。これをグループ、複数人に対して行う。このアイデアを具現化したものはグループ・コーチング。本書はこの理論、方法論、ケーススタディで簡潔に述べたものである。一人に対して行うコーチングにちょっとした拡張を行えば実現できるというところが肝である。
     この本自体が優られた学習コンテンツの見本になっている。もともとのコーチングに関する理論や方法論自体が単純明快である。大事な理論や方法論は何度か繰り返し出てくる。この本では「○○という箇所で触れたが」と記述されている。「あれ?そんなこと書いてあったっけ」こうなるとまたその部分を読むことになる。すると当該の理論や方法論だけでなくそれ以外のものも読み飛ばしていることに気づく。この本自体が優れた学習コンテンツの例になっている。いやこれは恐れ入った。
     ケーススタディが非常に巧妙に練り上げられている。登場人物が6名ぐらいいる。こんなの覚えておけないよぉと一瞬思う。しかし、名前を見ていると男性アイドルグループだったり。あるジャンルのスポーツの有名プレイヤーだったり。透けて見えてくる。(最後の例がわからないのはテレビ、大河ドラマを見ていないからだろう、というのまでわかる)
     筆者の最近の活動「調和塾」ではオンライン、ビデオ会議でたまたまお見かけしている。そこでも素晴らしいモデレーション力を発揮されている。本書でもその能力の一端を示されている。ザ・先生である。今後も引き続き学んでいきたい。そう思った。

  • 1 グループ・コーチングの基本
    グループ・コーチングとは
    「コーチング」と「ティーチング」
    グループ・コーチングの意義
    グループ・コーチングの注意点
    2 グループ・コーチングの具体的な進め方
    準備と招集
    オープニング
    アプローチの方法
    モードチェンジ
    まとめ・振り返りと行動計画
    3 傾聴・観察・承認のスキル
    グループ・コーチングにおけるコーチング・スキル
    集団の力を引き出す「傾聴のスキル」
    複数の部下に同時に目を配る「観察のスキル」
    メンバーそれぞれに送る「承認のスキル」
    4 質問のスキル
    グループ・コーチングにおける質問のテクニック
    グループ・コーチングにおける七種類の質問
    グループ・コーチングにおける「GROWモデル」の活用
    5 ケーススタディ
    売上げ目標を設定し、力を結集する
    メンバー間の協力体制を固める
    ビジョンの明確化をはかる

  • コーチングは1on1で行われるもの、という認識があったが、本書では管理職一人対複数の部下で行うコーチング手法を紹介。
    基本の4つのスキルは「傾聴」「観察」「承認」「質問」としているが、これは1on1でも一緒か。
    メリットは時間の節約や透明性、何より周囲の助けを得てコーチングを行うことができること。
    デメリットは効果的に行わないとただの冗長なミーティングになること、部下からの袋叩きにあう可能性があること。
    コミュニケーションに長けてかつ経験豊富な人でこそ可能な手法だと個人的に感じる。

  • ・「信」「認」「任」をもって接することが大事。大いなる可能性があると「信じ」、美点を積極的に探し出して「認め」、実力にフィットした目標を定めて「任せる」。また、対話の最中は傾聴、質問、承認を基本姿勢の中でも特に傾聴は重要なスキル。環境を整え、キャッチャーミットを準備し、繰り返し相槌を入れ、結論を急がず、心を込める「かきくけこ」を心がけること。

    ・意見が出なくなったときには「答えやすい質問」へと切り替えるのが最良の方法。

    ・メンバー間で対立が起こったときは、何よりも休憩が大事。

    ・一人が話し始めて止まらなくなったときには、語り続ける相手を上手に制してほかの人に発言させることで解決する。

    ・一人だけ沈黙しているメンバーがいるときは「承認」のメッセージを送るか、「今までのところのまとめを説明してくれる?」と要約するのもひとつの方法。

    ・盛り上がり過剰で収拾つかないとき、「今出た話の中で、すぐに実行できることに絞って考えていこう と、内容を絞り込ませるための質問を送る。ターゲットを絞り、より具体的・現実的な方向へと目を向けることで膨らんだエネルギーに方向性が生まれる。

    ・論点がずれたとき、会議の目的をあらためて確認し、原点回帰をはかることが大切。迷走してるときは「目的地」と「現在地」を知らせること。この2つがわかれば、道が見えてくる。また、迷走中の話を「ずれている」とネガティブに言わないことも大事。「今、いろいろ面白い意見が出たから、今日のセッションの本筋に絞って、もう一度考えてみよう」とまとめ、気持ちよく流れを変えるとよい。

    ・全員手詰まりで頭を抱えてしまったとき、上司自身が「困った」と言うのも共感・連帯感が生まれる場合がある。困ったと口に出すことで、その感情をあらためて見直し、理性で対応することも可能。理性が戻ると方法も見つかるもの。

    ・感想と同時に目標表明も大事。「〜を学んだ」は自然と「だからこそ、今後はこうしたい」という行動宣言につながる。

  • 一対多のコーチング。
    一人にむけて話を展開しているようでみんなにゆだねる。
    ふつうにミーティングで必要そうなことを丁寧に説明してくれている。

  • コーチングについては、研修を受ける機会が何回かあったり、本も沢山でているが、グループコーチングについての情報はなかなか入手しづらい。
    基本はコーチングの手法と同じだが、より多くの観察が同時に求められるし、人数が増える事により変数が幾何級数的に増える。だからと言って無理に抑え込んだり、誘導したりしてはいけないのが難しいところだと思う。

  • 1 対 多数 のコーチングをするための、グループコーチング入門の本。

    今まででいえば、管理職が部下の動かし方・育て方という分類になるのだろうが、それをグループコーチングとしてまとめたと思う。

    事例の紹介だけではなく、これらを理論とすることで、このようなことに苦手意識を持っている人にとっては、良書となるのではないかと思った。

  • 「セルフ・コーチング」と同じ感想。つまり、「コーチング入門」にエッセンスは全て凝縮されており、あえて面白い部分をあげれば、ケース・スタディのみ。

    その中での名言。
    ・責めても人は変わらない。
    ・非難を浴びたとき、してはいけないのは、「Fight or Flight」(闘うこと、逃げること)

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著者プロフィール

1959年8月東京生まれ。成人教育学博士。NPO学習学協会代表理事、京都造形芸術大学教授(一般教養カリキュラム開発担当)、NPOハロードリーム実行委員会理事、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、一般財団法人しつもん財団理事。東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究主担当、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」「三か月トピック英会話:SNSで磨く英語アウトプット表現術」の講師などを歴任。「教育学」を超える「学習学」を提唱し、大人数の参加型研修講師、TVニュース番組のアンカーとして定評がある。著書54冊を数え、年5~6冊のペースで執筆活動を行う。

「2014年 『すぐに使える It’s英会話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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