経営学入門 上 第2版

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532112820

作品紹介・あらすじ

組織と戦略の論理をわかりやすく解説。決定版テキストを改訂。経営学の考え方から組織行動論、組織理論、戦略論まで、基本項目をバランスよく理解。

感想・レビュー・書評

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  • 経営学の入門書としては、定評のあるもの。
    全体を、組織論(さらにはミクロ組織論とマクロ組織論)および経営戦略論に分けて、その内容を平易に説明してくれている。とても分かりやすく、入門書として定評があるということがよく分かる。

    経営戦略論は、①資源戦略②競争戦略③ドメイン戦略に分かれる。ドメイン戦略の解説の中に入門書・理論の解説書の範囲から少し離れて、筆者自身の考えが数ページ述べられている。それは、日本企業はドメイン戦略として、「総合経営」へのバイアスが強い、との内容である。それは、事業レベルでも、製品レベルでも、個人レベルでも観察できる、としている。一世を風靡した日本の「総合」電機メーカーは、韓国や中国の企業に負け続け、往時の面影がない。その一つの理由は、各社が総合力を強みとして会社経営をやってきたこと、ドメインがはっきりしないことではないか、ということだ。
    「個人レベル」でも同じことが言えるのでは、という議論は面白い。書かれていることを引用する。
    【引用】
    欧米の組織をおもに支えているのは、特定の特化した力をもったスペシャリストであり、彼らをまとめることにトップの課題があります。それに対して、日本の企業組織の強みは、平社員も含めた全社員一人ひとりが、まさに「総合力」をもち、ゼネラルマネジャー的な存在である点です。彼らがもっている力は、要素に分けられない総合的な力であり、それは長期の社内経験と配置転換によって培われたものです。このような「総合力」をもった人々が、マネジメントに固有の機能をも、ある程度自分で代替してきたのです。
    【引用おわり】
    そのうえで、「総合経営」が難しくなりつつある理由を説明している。
    個人についての部分は、最近はやった、「ジョブ型」「メンバーシップ型」の議論を、経営戦略の視点で議論をしたものでもあろう。

    バブル崩壊前、世界の企業の時価総額ランキングの上位には、日本企業が数多く名を連ねていたが、今ではその面影もない。負け続けたのは「総合電機メーカー」だけではなかったのだ。その理由の一端についての議論に触れており、また、下巻では、「日本企業の経営課題」というそのものズバリの章立てもある。
    入門書・教科書としてばかりではなく、読み物としても面白い本だった。

  • Ⅰ 経営学とは何か
     1 企業を対象とする学
     2 組織としての企業
     3 企業の戦略
     4 本書の構成

    Ⅱ 組織行動論――ミクロ組織論
     1 個人行動
     2 集団活動
     3 リーダーシップと管理者行動

    Ⅲ 組織理論――マクロ組織論
     1 組織構造
     2 組織構造の機能分析
     3 組織のデザイン

    Ⅳ 経営戦略論
     1 戦略論の基礎
     2 資源戦略論
     3 競争戦略論
     4 ドメイン戦略論

  • 平易な記述で組織行動論(ミクロ・マクロ)、経営戦略論に分けて、代表的な理論を紹介
    社会人としてそれなりの年数を過ごしてきたが、理論と実感に相違はなく、良くできているなぁ、と感嘆しながら読んでいた。
    2013年に出版された本ではあるが、経営戦略論の最後には、2020年現在、日本企業に顕在化しているようなことが簡潔に記されている。

    日本企業の経営戦略が優れていたわけではなく、単に外部環境に上手くはまっただけ。必要に駆られ、欧米型に今まさしく変化しようとしている過程にいるのだが、過去の栄光に囚われ、すがる老人ばかりのこの国はその前に沈没するんだろうなぁ、と感じた。

  • 経営学の基本知識をわかりやすく解説している本です。

    上巻では、組織行動論、組織理論、経営戦略論の三つの項目について解説がなされていますが、具体的な内容にはあまり踏み込んでおらず、むしろ経営学ではどのようなことが論じられているのかということを、一般の読者に向けてわかりやすく説明している本という印象です。

    経営学について本格的に学ぼうとする読者にとってはもの足りないのかもしれませんが、わたくし自身も経営学について学んだことはないので有益でした。

  • 新書で読みやすい。

  • 経営学の二本柱となる組織論(ミクロ・マクロ)と戦略論について、古典論・現代論を交えながら解説されています。
    多くの大学で教科書として指定されているとのことで読んでみたのですが、期待を裏切らずとても優秀な入門書でした。
    平易な言葉で書かれているため初学者にもわかりやすく、基本的な知識や考え方を大まかに把握できます。
    おすすめです。

  • 経営学入門の理論について学ぶことができる。適度に事例も出てくるから読んでいて飽きない。学生の時に本書を読んだときは、まだ働いた経験がなく実感も興味もそこまでなかったが、いざ社会人になってから読んでみると納得できる部分が多い。

  • Ⅰ 経営学とは何か
     1 企業を対象とする学
     2 組織としての企業
     3 企業の戦略
     4 本書の構成

    Ⅱ 組織行動論――ミクロ組織論
     1 個人行動
     2 集団活動
     3 リーダーシップと管理者行動

    Ⅲ 組織理論――マクロ組織論
     1 組織構造
     2 組織構造の機能分析
     3 組織のデザイン

    Ⅳ 経営戦略論
     1 戦略論の基礎
     2 資源戦略論
     3 競争戦略論
     4 ドメイン戦略論

  • 良書、会社や組織のいろいろをひととおり。会社に対しての不満や不安を言語化するのに大変役立った、二回目読みたい。

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著者プロフィール

慶應義塾大学教授

「2005年 『イノベーションの収益化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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