ロジカル・ライティング

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532112950

作品紹介・あらすじ

企画提案も、報告書も、自由自在!文書を正しく組み立て、論理的に書く技術、相手の心を動かす表現の工夫を実践的に解説。

感想・レビュー・書評

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  • 良書:本書を読めば、論理的でわかりやすいビジネス文書が作れますというのが売りです。そのために、ビジネス文書を「共有」「報告」「依頼」「提案」の4つのタイプに分け、文書タイプごとに筋道や構造をどう考えるかを提示しています。

    気になった言葉は以下です。

    <わかりやすい文書をつくるには>
    ・本質を伝えるためには、相手がわかる言葉や表現を駆使して伝える必要がある
    ・どう伝えるかではなく、何を伝えるかを考える
    ・IT時代のビジネス文書の要件は、4つ。①わかりやすさ、②本質を相手の言葉で伝える、③ツールに頼らず本質を際立たせる、④圧倒的なスピードを付加価値とする
    ・ビジネス文書の目的は、「相手に自分の望む行動を取っていただくこと」、そのためには、「要するに何をいいたいのか」を読まなくても見ればわかるくらい削ぎ落して、本質を伝える。
    ・「わかる」とは2つの意味がある。①意味を理解すること⇒内容を理解した ②意義を納得する⇒納得したので、行動を起こす
    ・ロジカルとは、道筋、構造。つまり、メッセージやストーリが筋道立っていて、構成が構造的である。こと。
    ・ビジネス文書の設計図は、「メッセージ」「ストーリ」「構成」からなっています。
    ・メッセージ(=いいたいこと)は、AならばB。Aがぬけていると、Why?(なぜ?)、Bがぬけていると、So What?(それで?)となる。
    ・ストーリーはメッセージを効果的に伝えるための話の展開をいいます。メッセージを相手の理解度や嗜好に合わせて、制限時間内に伝えること
    ・構成は、話の全体像とその中の部分の関係性をいいます。複雑で広範囲におよぶビジネスでは構成をみえる化しないと、何の話のどこを説明しているのかがわからなくなります。
    ・ビジネス文書のタイプは4つ。
     ①共有:Share 議事録、イベント告知
     ②報告:Report 報告書、
     ③依頼:Requet アンケート、仕事の依頼、紹介・推薦などの協力要請
     ④提案:Propose 企画書、提案書

    <文書の作成方法>

    ・①目的を明確にすること
    ・いきなりパソコンで書き始めないこと
    ・目的設定① どんな行動を取ってもらいたいのか
    ・目的設定② そのためには、何を理解してもらいたいのか
    ・目的設定③ そのためには、どのような状態にするべきか
    ・目的設定が甘いと、”理解できない、”判断ができない”だから、行動に結びつかない

    ・②ターゲットを知る
    ・相手の期待レベルと理解レベルを徹底的に考える:プロファイリングという
    ・相手の期待を超えたものを提供する、意外性、SWOTを使う
    ・相手の理解レベルから言葉を選ぶ

    ・③メッセージを構成する
    ・メッセージ=主張×根拠
    ・論理構造は、ピラミッド構造で考える
    ・タテ:主張に対して、なぜ5にも耐えられるものに
    ・ヨコ:相手の感情に染み入る構成にする。時間の順序(過去、現在、未来)、重要度の順序(大、中、小)、構造の順序(市場、競合、自社)
    ・フレームワークを使う。①相手の理解が深まる、②検討事項の抜け漏れを防げる、③検討軸のレベル感がそろう
    ・フレームワークとは、3C,SWOT,PEST,5FORCE,4P,4C,PDCA,QCD,5W1H 等
    ・あくまでも相手の論理で展開すること
      自分の論理 対応できません
      相手の論理 対応すべきではありません
    ・ここまでできたら、文書の設計図である、ストーリーボードを作る(=伝えたいことがはっきりしていることが前提)
      メインメッセージ⇒サブメッセージ 人によって 背景からちゃんと説明する 結論を先にのべる
      退屈しないように、山場を要所に盛り込む

    ・ここからやっと、PCで、資料を作りましょう。

    目次は、以下の通りです。

    はじめに

    第1章 「わかりやすい」文書を作るには
    第2章 目的を明確にする 基本ステップ①
    第3章 ターゲットを知る 基本ステップ②
    第4章 メッセージを構成する 基本ステップ③
    第5章 共有文書の書き方
    第6章 報告文書の書き方
    第7章 依頼文書の書き方
    第8章 説得文書の書き方

    おわりに

  •  多くの職場には、利益を生まない“仕事のための仕事”が蔓延しているのではないかと思いますが、仕事の最終目的は、相手に動いてもらうことなんですよね。そのためにはそうする意義を伝えなければならないのです。

     ’98年にIBMに入社し、最終的に研修部門の部門リーダーを務め、’13年に独立された清水久三子さんによる著書。コンテクストの異なる人が集まるグローバル企業で人材開発に携わり、在職中にも執筆活動を開始されていた清水さんの文章は、まさにロジカル・ライティングで、たった200頁の本の中に、目標を達成するために必要なビジネススキルが、ライティングという枠組みを超えて収まっている。資料作成、プレゼンテーションなどコミュニケーションスキルを磨きたい新入社員から新人教育に携わる方まで、広く薦められる良書だと思います。

     関係者に先ず「意味」を理解してもらって、更に「意義」を理解してもらう…今、コミュニケーションが躓いているのは、意味の方なのか、それをも意義の方なのか、そんな自問自答を常に繰り返す習慣を身につけないと^^;

     ビジネス書は、著者の経験に基づいて書かれた精神論的なものが多いのではないでしょうか?一方、初心者向けに包括的に書かれたものは、ルールやマナーについては書かれているものの、何のためにという掘り下げが足らないものが少なくありません。そんな中で、この本は、包括的かつ系統立てて書かれており、一人一冊手に入れ、何か迷ったら書棚から引っ張り出して参照したい水準だと思える良書です。

     資料をまとめなければならない時、この本を参照しようと思ったら、鞄に入っていませんでした。常に携帯、もしくは、職場に置いておく必要がありそうです。

  • ロジカル・ライティング  (日経文庫) 2013/10/16
    著:清水 久三子

    著者は&create代表。大手アパレル企業を経て、IBMに入社。新規事業戦略立案・展開支援、コンサルタント育成強化、プロフェッショナル人材制度設計・導入、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー等を経て独立。

    ビジネス文書はコミュニケーションの手段である。コミュニケーションの基本は相手目線である。よく論理的に話す人があの人は理屈っぽいと嫌われることがあるが、それは相手目線ではなく自分本位での論理を展開しているからである。

    ロジカルなコミュニケーションとは、自説を正当化して無理強いするものではなく、相手にとってそれはどんな意味や意義があるのかをわかりやすく伝え、気持ちよく行動してもらうためのものである。相手目線での筋道、構造をどのように形作るかがロジカルコミュニケーションの真髄である。

    本書の構成は以下の8章から成る。
    ①わかりやすい文書を作るには
    ②目的を明確にする
    ③ターゲットを知る
    ④メッセージを構成する
    ⑤共有文書の書き方
    ⑥報告文書の書き方
    ⑦依頼文書の書き方
    ⑧説得ぶんしょの書き方

    ロジカルとはお堅い。わけでない。
    ロジカルとは人にものを伝えるための手段であり、その手段を感情や相手目線に落とし込んでつかえるようになると鬼に金棒である。ロジカルという言葉だけで一歩引いてしまうような人にも本書はおすすめである。

    基本的なこととその応用と実例を交えた説明は実務に落とし込んで活用するにはもってこいの一冊である。

    伝えるだけが目的ではなく、動いてもらうために伝える。
    その大切さが本書では繰り返しうったえられている。
    頭を柔軟に噛みしめながら読むことが出来た。

  • 東2法経図・6F開架:B1/3A/1295/K

  • やり方を一通り記載有り。
    筆者の背景もあるが、文章力に特化した内容で
    勉強になった。

  • いかに相手の言葉でわかりやすく、本質に迫った文書をスピーディに作成するかを教えてくれる。
    ビジネス文書の設計図としてメッセージ(主張と根拠)、ストーリー(背景や前提などメッセージを効果的に伝える流れ)、構成(話の全体像)の3つの要素がある。
    文書作成のステップとして、まずは目的の設定がある。どんな行動をとってもらいたいのか、そのために何を理解してもらい、そのためにどのような状態にすべきかを考える。その次がターゲットの把握。プロファイリングシートを作成し、メインターゲットを明確にし、その期待度と理解のレベルを押さえ、何をどうやって伝えるかを明確にする。そしてメッセージの構成で、ピラミッド構造を活用してロジカルにメッセージを組み立てる。
    あとは文書の種類ごとの書き方で、議事録や案内などの共有文書、活動報告や調査報告といった報告文書、依頼文書、ソリューション提案書や企画提案書といった説得文書などを書く際の注意点を列挙。
    今後文書を書く際に参考にしたい。また、グラフの使い方の注意や各種フレームワークなどの付録的なものも参考になる。

  • Vol.349 飛躍していないか?構成に全体感があるか?関連性があるのか?http://www.shirayu.com/letter/2016/000706.html

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  • 2017 1 9
    8章 説得文書の書き方 共感できる。

  • またまたビジネス書を読む。資料を作る上での参考に。

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著者プロフィール

清水久三子(しみず・くみこ)
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て1998年、プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーなどを経て2013年独立。現在は株式会社アンドクリエイト代表取締役社長として企業研修や経営・人材育成コンサルティング事業に携わる。著書に『外資系トップコンサルの「聞く」技術』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『プロの資料作成力』『プロの課題設定力』(ともに東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』(かんき出版)など多数がある。

「2023年 『知識とスキルを最速で稼ぎにつなげる 大人の学び直し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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