戦略的交渉入門 (日経文庫)

  • 日本経済新聞出版
4.09
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本棚登録 : 236
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532112998

作品紹介・あらすじ

本書は、ハーバード・ロースクールで研究されてきた交渉学をベースに、日本人にとって役立つように内容を発展させた実践的な入門書です。立場や利害の違いを前提に、相手といかに議論し、最高の合意に導くか?無理な要求への対処法や、陥りやすい「心理のわな」まで、具体的に解説。

感想・レビュー・書評

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  • アカデミックな世界で交渉を研究している学者さんが書いた入門書。いわゆる交渉「術」ではなく、交渉の「定石」というか、方法論を提示しています。

    交渉を学問として捉えるというと、いわゆる「Win-Win」のような理想論、あるいはやたらとロジカル性を強調する、いずれにしても実用的でない何かを想像してしまうのですが、必ずしもそういう本ではありません。そのまま「明日の仕事に使える」内容になっています。

    相手の交渉「術」から脱け出す方法が書かれた第2章が印象に残りました。特に言葉の意味を明確にしていくというアプローチは、交渉だけではなく、仕事の進め方全体において求められるものだと思います。

    そういえばP.36に書かれている通り、海外(欧米)の方は商談の最中にあからさまに不機嫌な態度をとって、プレッシャーをかけてくることがよくあります。わたしなどはビビッてしまってその場から逃げたくなってしまうのですが、こういうときの心構え(態度ではなく発言に注目する)を忘れないようにしたいです。

  • 著者は田村次朗氏と隅田祐司氏。

    感想。今年読んだ本で最も満足度が高い本。

    備忘録。
    •交渉の結果「賢明な合意」ができているかが重要。
    •賢明な合意→当事者双方の正当な要望を可能な限り満足させ、対立する利害を公平に調整し、時間が経っても効力を失わず、また社会全体の利益を考慮に入れた解決。
    •交渉は、相手の表面的な態度ではなく.相手の発言に注目すると良い。
    •交渉は自分の正しさを証明してもしょうがない。
    •アンカリング →根拠なく相手の提示した数値を規定値にして、それに基づいて交渉が進んでしまうこと。
    •二文法のわな→YesNo質問で根拠なく駆け引きに持ち込まれること。唐突な10%の値引き要求とか。根拠を聞きなければ拒否するか、「いや、ご冗談を」とか言って話題を変える。
    •根拠として、○○が難しい、○○は厳しいとか形容詞で説明してきたら、具体的な「程度」の説明を求める。
    •無知を晒すことを恐れない。知ったかぶりは致命傷になりうる。
    •無視することも交渉のうち。
    •パワープレーヤー→立場の違いを背景に、一方的に強硬に自分の主張を押し通しに来る交渉相手。パワープレーには譲歩せず、しかし敵対はせずにまずは相手の主張を理解する。効果的なのは「あなたの提案を受け入れた場合、最終的にどのような合意になるのか教えてください」といった質問。
    •事前準備の方法。
    ①状況把握→利害関係者の状況と外部環境を整理
    ②ミッション整理→何の為に交渉して最終的にどんな問題を解決したいのか。
    ③自分の強みを探す→よくわからなかった
    ④ターゲティング→幅を持たせる
    ⑤BATANA
    •協議事項は主導的に提案。相手に協議事項を決めさせない。
    •協議事項は合意し易いところから話し合う。
    •立場の違いは解消出来ない。利害の一致する点、共通の利益を見つけて、それを掘り下げるのが賢明。
    •good cop bad cop戦略。
    •ドア イン ザ フェイス戦術→高めの球投げて、すぐ引っ込めて譲歩案を提示。
    •フット イン ザ ドア戦術→小さな要求から入り徐々にその要求を引き上げる。
    •最後通牒戦略。
    •戦略を使わず、相手が使って来た時の対処法を理解しておくべし。
    •社会的手抜き→大勢の人が課題に取り組んでいると、そのうちのかなりの人が手を抜く減少。大人数の会議はこの懸念あり。
    •悪魔の代理人→合意案を敢えて否定的に見て検証すること。
    •正論だけでは解決しない。合意には双方の利益が必要。
    •交渉中の感情を自己認識しよう。相手に対する感情を押し殺そうとすると、その感情がやがて確信に変わり、最終的に偏見に変わる。

  • はじめの数ページを少し読んだだけだけれど、良本だということがビシバシ伝わってくる。

    読了後のコメント
    交渉額の初学者にはぴったりの内容だと思った。話がコンパクトでよくまとまっていると感心した。
    交渉と言うもの自体に苦手意識があったが利得を最大にするゲームだと思うと面白さを感じられた。
    気品をもたらすのが教養だと言う福沢諭吉の話が印象に残った。

  • どんなに時代が変わっても、大切であろう交渉力。

    はじめは断られたら心が折れそうになるが、交渉力を鍛えておけば、いずれそれも軽減する。

    交渉力は、不可能を可能にすることもあると思う。

    本番の前の準備の仕方で、結果は決まる。

    入門に最適である。




  • 2019年6月読了。
    仕事上特にアサーティブなコミュニケーションを心がけているが、「相手の話を聞いていったん受け止めてから自分も思ったことを言うにしても、どうやって話すかってあんまり真剣に考えたことがないよな」と思っていたところに「交渉学」というワードが出てきたので早速Amazonで検索、日経文庫は初学者向けで購入しやすい(値段もそうだし、どこでも容易に入手できる)ので購入、一通り読んだ。
    特に興味を持ったのは196ページ以下のグループダイナミックスの項。組織内の利害調整はけっこう「剥き出し」というか、外部に対するよりも遠慮がなかったり、上位者の意見が強過ぎて不毛な議論になったりと、より細やかなコントロール、マネジメントが必要。
    特に同質な個人の集団であることの認識を欠くととんでもない結論に結びつくことがあるので、敢えて批判することが必要なことは何となく普段から「そうだよなー」と思っていたところ。「ベストアンドブライテスト」だってキューバとことを構えそうになるし。本書では「悪魔の代理人」について言及あり(詳しくは検索して下さい)。ホワイトボードを「悪魔の代理人」と見立てるという考えも、「あぁ、そういう言い方もできるよね」と思った。

  • 交渉に関して一通り書かれている。
    気になる項目は他の本で深掘りしていきたい。
    すぐに実践することとしては、常にBATNAを用意すること。

  • 交渉学の基本は一通り網羅されてると思います。

    相手の出方に惑わされないためには、感情を切り離すこと、そして事前の予習で譲れないライン、妥協できる幅を明確にしておくのが大事だと感じました。

  • 何事をなす上で、必ずやらなければいけない交渉への知識向上を目指して一読。
    ハーバード ロースクール出身の著者による交渉学の概要、実際のプロセス、心理的な戦術や自身が留意すべき事項など、交渉学全般について理解が進む入門的な内容でした。
    日経文庫にもう一つある交渉に関する書籍よりも、かなり洗練された内容かと思います。
    あとがきで著者が述べている、交渉学とは品格のある対話力を身につけるための教養の一つである、という文言を受けて、常に自分に素直に向き合いながら、実社会で実践していきたいという前向きな気持ちをもらいました。

  • 読了。

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著者プロフィール

慶應義塾大学教授(2015年3月現在)

「2018年 『独占禁止法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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