- Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532132293
作品紹介・あらすじ
金利理論、ポートフォリオ、デリバティブ…。身近な話題や金融の具体例を豊富に交えながら、金融工学を初歩から最新の投資理論まで段階的に学べる、と全米のビジネススクールで評判の教科書。
感想・レビュー・書評
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数理ファイナンスの初歩を、OR的見地からまとめた本。
DCF法などの初歩中の初歩から始まり、平均・分散モデル、CAPMと続き、確率過程による派生商品のプライシングまで網羅する。
数理ファイナンスといえば、数式をなるべく排除し一般向けに書かれた新書か、純粋数学の教科書を想わせる公理⇒定理⇒証明⇒定理・・・の羅列か、いずれかの本が多い。
その中で本書は工学的観点が強調されており、実際にポートフォリオの最適化問題や金融商品のプライシングをどのように解くかを、自然言語、直観的な数式展開、そして具体例を豊富に駆使しながら、解説している。
結果として、厳密性が幾分か犠牲になっており、数学的バックグラウンドが強い人間からするとむしろ理解するのに苦労するような形になっている。
個人的には、マーコビッツモデルとその発展形であるCAPMを、それぞれ本来の目的であるポートフォリオ最適化に利用するのは現実問題として甚だ困難であることをはっきりと指摘している点、評価したい。
逆に、本書の前半を占めるポートフォリオ最適化までを読んだら、残る派生商品に関する部分は、ジョン・ハルのOptions, Futures and Other DerivativesかShreveのStochastic Calculus for Financeを読んだほうが良いと思われる。
なぜなら、本書の後半にあたる派生商品の部分、さすがに自然言語と直観的数式展開メインのアプローチでは理解が深まらず、数式を極力排除した一般向け新書に毛が生えた程度の理解しか得られない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4536円購入2011-06-28
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魁学生ゼミで銀行に興味をもった一冊
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分かりやすいが、日本語訳がところどころ意味不明。練習問題の解答に解説がついていないので、試験前に友人宅で問題を解きあったのが懐かしい。
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5-1-6 金融論
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まず金利計算の基礎やポートフォリオの基礎を解説し,徐々にCAPMへと展開.中盤のデリバティブ商品解説では2項定理が中心だが,徐々にBS式へと繋げ,CAPMと紐づける.終盤では投資理論においてより数学的に一般的な対数最適価格公式へと持っていき,より精緻なCF展開・投資評価を解説する.という流れ.数学的な厳密さは割と犠牲にしている.
各章に練習問題がついており,しっかり体系立てて学べるように設計されており,投資ポートフォリオの全体が俯瞰できる.実務として使うには応用編となる論文を読む必要があるが,この入門書は足がかりの1つになると思う. -
金融工学に興味がわき、休みを利用して読みました。面白かったけど、一人で読むには大変かも
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ポートフォリオからブラック・ショールズまで、金融工学の話題が網羅的に書かれている本。
ゼミで2年生が読んでいました。
金融工学の最初の教科書としては良いと思います。
参考書代わりに使ってました。
第1章 イントロダクション
第Ⅰ部 確定的なキャッシュフロー
第2章 基本的な金利理論
第3章 確定利付証券
第4章 金利の期間構造
第5章 応用金利分析
第Ⅱ部 一期間確率的キャッシュ・フロー
第6章 平均-分散ポートフォリオ理論
第7章 資本資産格付けモデル
第8章 モデルとデータ
第9章 一般原理
第Ⅲ部 派生証券
第10章 先渡、先物、スワップ
第11章 資産ダイナミクスのモデル
第12章 基本的なオプション理論
第13章 オプション理論についての追加事項
第14章 金利派生証券
第Ⅳ部 一般的なキャッシュ・フロー流列
第15章 最適ポートフォリオ成長
第16章 一般の投資評価
付録A 確率論の基礎
付録B 微分積分学と最適化 -
タイトル通り、金融工学に入門するのにうってつけの本。数式は多く出てくるので数式アレルギーの人はまず経済数学を勉強してからの方がいいかもしれません。理系の人ならまず大丈夫かと。
内容は、割引現在価値、静的ポートフォリオ最適化ではCAPM、ファクターモデルなど基本的なところを抑えてあります。加えて他の入門書ではなかったりする動学的なポートフォリオ管理について1章割いて数学的にきっちり書いてあり、とても興味深く読みました。「ボラティリティは悪い、分散化は良い、というような結論はもはや普遍的な事実ではない」というのは目からウロコでした。対数最適戦略など、ご存知ない方は一読の価値はあります。