- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532132651
作品紹介・あらすじ
構想力を磨き、組織を動かすための知的トレーニング!一歩先行く企業は、ニーズをどのように見抜き、戦略を立案、実行しているのか?その論理を徹底的に解明する。
感想・レビュー・書評
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経営戦略論の必読書。ここからスタート、考えていきましょう。
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大学院時代に薦められた本を改めて精読。
「よい戦略には論理がある」という前提で、6つの適合が、それぞれ3つの適合レベルで語られる経営資源論の古典である。
ここでは、成功した戦略から、抽象度を上げた論理が抽出され、整理されており、特に「見えざる資産」の重要性が強調される。
ノウハウ本ではなく、あくまでも経営戦略を切る視点を学ぶべき本であり、これから「経営戦略論」を学ぼうという方には、論点整理の意味でも適した本だと思う。
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(目次)
経営戦略とはなにか
1 戦略の市場適合
顧客のニーズをとらえる―戦略の顧客適合(1)
ニーズの多様性と相互作用を利用する―戦略の顧客適合(2)
競争優位をつくる―戦略の競争適合(1)
反撃を見越す、敵にしない―戦略の競争適合(2)
2 戦略のインターフェース適合
ビジネスシステムで差別化する―戦略のビジネスシステム適合
技術を活かし、技術が動かす―戦略の技術適合
3 戦略の内部適合
見えざる資産―情報の流れのフレームワーク
資源を蓄積し、利用する―戦略の資源適合
組織を動かし、刺激する―戦略の組織適合
戦略の論理と発想
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■この本の背後にある大前提は、良い戦略には論理があるということである。その論理を様々な角度から検討し、戦略的適合という言葉をカギにしてまとめているのが、この本の内容である。
■戦略の成功の本質は、戦略的適合にある。戦略の内容が、戦略を取り巻く様々な要因とうまくマッチした状態になっていることを、戦略的適合があると言う。
■企業活動の基本設計図たる戦略の内容の良し悪しを判断しようとすれば、その視点は大別して3つになる。
①市場適合
市場の状況に適合したような戦略の内容になっているかと言う判断基準。顧客適合と競争適合の2つがある
②インターフェイス適合
インターフェイスの役割を考えたときに戦略がビジネスシステムや技術を適切に作っているのかという判断基準。ビジネスシステム適合、技術適合の2つがある
ビジネスシステムと技術は、企業が内部の資源と組織を使って市場に働きかけるインターフェイスの役割を果たしている
③内部適合
企業内部の状況に適合したような戦略の内容になっているか、という判断基準。資源適合と組織適合の2つがある
これら6つの戦略的適合はどれが欠けてもだめである
■従来の戦略論は主に市場適合の世界で論じられることが多かったように思う。しかしそれだけでは戦力として不十分、あるいは浅い。伊丹先生がこの本で主張したいことの1つは、戦略の内容そのものがそもそも人々の心理や感情への配慮した内容になっていなければならないということである。戦略は、現場の人々を動かしてこそ意味を持つ。
中田 -
経営専門職大学院に通っていた時に、教材として使用した書籍です。
仕事の合間を縫って、この本を必死になって読みました。
授業課題の解答をパワーポイントで作成するとともに、個人的にこの本の論理のつながりを“マインドマップ”、“ロジックツリー”的に整理しました。
「学者による成功事例の後講釈本」と評価する向きも多いように思いますが、成功事例を数多く集め、そこから共通する事項をあぶり出し、戦略の指針とすることは重要かつ意義のあることだと思います。
一橋大学名誉教授・伊丹敬之氏は、経営戦略の日本人研究者としては最高峰に位置する人物と言っていいでしょう。気軽に読める本とは言い難いですが、おすすめできる一冊です。
※個人的に整理した本書の論理のつながり(PDFファイル計6枚)、個人利用に限定することを条件としますが、よろしければご覧ください。
戦略の市場適合(戦略の顧客適合)
http://yahoo.jp/box/QYqNSz
戦略の市場適合(戦略の競争適合)
http://yahoo.jp/box/mXTu61
戦略のインターフェイス適合(戦略のビジネスシステム適合)
http://yahoo.jp/box/3M6f6x
戦略の内部適合(情報の流れのフレームワーク)
http://yahoo.jp/box/QTUW4H
戦略の内部適合(戦略の資源適合)
http://yahoo.jp/box/He3rHJ
戦略の内部適合(戦略の組織適合)
http://yahoo.jp/box/5GcLj8 -
いろいろな企業を事例に、なぜ成功したかを分析しているもの。技術のある業界は先を見通して、将来普及するであろう技術に集中して投資することが大切。
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経営戦略論の参考書
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経営戦略のポイントは?
→ -
経営に於ける戦略の要素を整理学的に網羅した名著。「適合」という観点から、戦略のどこに成功要因があるのかを論理的に解き明かしていきます。
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日本で書かれた本で、経営戦略というものについてきちんとまとめられた本は実は非常に少ない。どの本も戦略全てについて語っているように標榜しているが、実はどれも偏った考え方で書かれている。
この本は偏りが無いという点で良著。但し決して読みやすいわけではない。
これから経営学、経営戦略を学ぼうという人に、最初に読んでおいて欲しい一冊。最初の一回で頭に入るのはごく一部だと思うので、何年か勉強を続けた後でもう一度読み返して欲しい。