まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う

  • 日本経済新聞出版
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感想 : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532148676

作品紹介・あらすじ

すぐれたマネジャーだけが知っている革命的な考え方とは何か?それらを実践するためには、部下の一人ひとりとどう接すればよいのか?8万人のマネジャーと100万人の従業員のインタビュー調査から導き出された世界中の傑出したマネジャーに共通する常識破りの考え方とは-全米ベストセラー、待望の邦訳。

感想・レビュー・書評

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  • すぐれたマネージャーとはどういうマネージャーかといった内容の本。
    但し、理論やノウハウを説いたものではない。
    あくまでも100万人の従業員、8万人のマネージャーを調査した結果から
    すぐれたマネージャー像を導き出している。

    マーカス・バッキンガムの本は好きで、出版しているものはほとんど
    読んでいる。おそらく最初に読んだのがこの本。
    なぜ、好きかといえば、自分の考えるマネージャー像というものを
    うまく表現してくれているからだと思う。

    本書の中でもマネージャーは触媒にたとえられる。
    従業員の才能と顧客・会社の要求をつなげる役目として。
    この辺はちょっと考えが違うんだけど、そういうのは抜きにしても
    何度でも読み返したい内容ではある。

    本書の内容は単純で、まず、マネージャーの重要性を説き、
    すぐれたマネージャーが実践するべき4つのカギを提示する。
    その後は4つのカギごとに一章が振り分けられ、最後に、
    この4つのカギを使いこなすための実践ガイドがくる。

    4つのカギにふれる前に、本書の基本テーマを要約した文章を引用。
    「人はそんなに変わりようがない。
    足りないものを植えつけようとして時間を無駄にするな。
    そのなかにあるものを引き出す努力をしろ。
    これこそ本当に難しい。」

    ここで、弱みではなく強みに注力しろといっているが、
    そもそも強みとは何か?
    本書では、経験でも、知識でも、意志の強さでもなく、「才能」だと言う。

    注意が必要なのはここで言う才能とは、職業の遂行能力ではなく、
    その人の本質的なものだということ。
    たとえば、会計士の才能は「几帳面さに対するこだわり」と言ったような。

    本書の才能の定義は
    「生産性の向上に役立つ考え方や感じ方、あるいは行動の習慣的
    パターン」。
    習慣的というのが面白い。
    人は、メンタル・フィルターのようなものを持っているため、
    ある特定の刺激には意識を集中するが、それ以外のものは無意識の
    うちに捨て去るという。
    つまり、才能とは、人よりすぐれているといったものではなく、
    自分でも意識しないで集中してしまえることを指す。

    そういった才能の定義に基づき、マネージャーが取り組むべき4つの
    カギが以下の通り。
    ・人を選ぶ
    ・要求を設定する
    ・動機づけをする
    ・育てる。

    これだけだと、普通のマネージャー本と変わらないが、
    本書では、すぐれたマネージャーは以下のように実施すると説く。
    ・才能で人を選ぶ(経験や知識、意志の強さでは選ばない)
    ・成果を適切に定義する(適切な手順を定義するのではない)
    ・部下の強みを活かすことに専念する(弱点に注目するのではない)
    ・部下の強みに適した場所を探し当てる(単に梯子を継ぎ足すのではない)

    補足すれば、成果を適切に定義するというのは、ゴールは明確にするが
    手段はメンバーが自分なりの道筋を見つけるようにしむけるということ。
    強みに適した場所を探し当てるというのは、ありきたりなキャリアパス
    ではなく、誰もが英雄になれる場所を提供するということ。

    これら4つのカギこそが、タイトルのルールを破るという意味になっている。

    現状を振り返ってみれば、4つのカギがいかに適切に
    実施されていないかがわかる。
    わかりやすい「才能」をもった人は稀なので、実質「才能」は無視され、
    その結果として「弱点」の克服という徒労に明け暮れ、「生産性」は
    発揮されずに終わる。
    日本の生産性が低いといわれるのは会議の多さより、こちらではないかと
    思ったりもする。

    とにかく、読むたびにいろいろと考えさせられる。
    実際すべての人にその「才能」が活かせる職場を提供できることは
    実質不可能に近い。
    もちろん、本書でもそのことにはふれており、弱点の対策案や、
    才能の見つけ方、さらには職場や会社の変え方にも言及はしている。

    でも、結局は自身で考えていかなくてはいけない部分だと思う。
    ただ、「適材適所」を目指すなら、まず、「才能」の見極めをしていくことは
    やってみたいし、「弱点」の対策案については提案できるようになりたい。

    この手の内容は本からでは学べないという考えもあるが、本書については
    膨大な調査の結果としてだけでも読む価値は十分にあると思う。

  • (K) できないことを必至になってできるように指導することよりも、本人が持っている才能を引き出すマネジメントをした方が組織として成果が出るということを説いた本。よくスキルチェンジということを口にするが、スキルと才能は違うわけで、異なるスキルが要求される仕事でも、適応できる才能を持っていれば上手くやっていけるはず。そう思うと、個々人が持っている才能にフォーカスして組織を作っていくというのは大切だということはわかるが、その才能を見抜くのはそう容易ではない。本書は、それをガイドしてくれる。今自分が組織に対してやっていることにムダはないかを見直す良いきっかけを与えてくれる本である。

  • マーカス・バッキンガムの最初の本。

    「叩いて伸ばす」が自分の教育信念だったが、そのような考え自体が古いらしい。
    新世代が中間管理職を占めるにつれ、「上官役としてのマネジャー」の姿は次第に消えつつある。

    『まず、ルールを破れ!』というタイトルは、この自分の考え方自体を破れ!と直球で述べている。

    「個人個人の才能をほめて伸ばす」コーチになれと…

    がんばるしかない。
    固定観念を壊すしかない。

    ***

    ギャラップがインタビューしたマネジャーたちは、従業員の進歩は、彼らの弱みを補強するのではなく、彼らの本来の強みに焦点を合わせることによってはっきりと現れる、と口をそろえて認めていた。
    この調査から、管理者の意識が、従業員を役割に当てはめるというより、従業員のためにふさわしい立場を見つける方向へ変化していることがわかる。
    「コーチ役としてのマネジャー」という表現が、バッキンガムとコフマンの発見をもっとも的確に形容している

    健全なキャリアを積むためのエネルギーは、売り物になる経験を数多く積むことではなく、すでに備わっている才能を発見することから生まれる

    従業員に本来携わっている才能とそれにふさわしい仕事を結びつければ、目覚しい成果が生まれる

    才能は公平に分配されているわけではないが、誰もが特有の技術や能力を持っている。従業員の可能性を最大限に引き出そうとするなら、マネジャーも変化しなくてはいけないのだ

  • マネージャたるもの各個人で異なる才能に注目して、その人の強みに着目して人を遇しなさいということを著書を通じて説いています。
    「強みに集中」というのはドラッカーさんも含めてよく言われますが、技能と知識と才能を区別して、才能は変わらないと言い切ってしまうところが思い切りのよさと、ギャラップで実施したアンケートの統計処理の何とはなくの説得力が特徴でしょうか。"才能"の定義も色々あるかと思いますが、その辺は同著者の『さあ、才能に目覚めよう』を読むとよいでしょう(自分がどういう"才能"を持っているのかも判定してくれます)。

    本書の中でも重要な位置を占める職場の強さを測る12の質問というのがありましたので、自分の再確認も含めて引き写しておきます。自分のチームにこの質問をするとどういう結果になるのかと思うと少し冷や汗が出てきそうです。

    ---
    Q1. 仕事の上で自分が何をすべきか、要求されていることがわかっているか
    Q2. 自分の仕事を適切に遂行するために必要な材料や道具類が揃っているか
    Q3. 毎日最高の仕事ができるような機会に恵まれているか
    Q4. 最近一週間で、仕事の成果を認められたり、ほめられたりしたことがあるか
    Q5. 上司や仕事仲間は、自分を一人の人間として認めて接してくれているか
    Q6. 仕事上で自分の成長を後押ししてくれている人が誰かいるか
    Q7. 仕事上で自分の意見が尊重されているか
    Q8. 会社のミッション/目的を前にして自分自身の仕事が重要だと感じられるか
    Q9. 仕事仲間は責任をもって精一杯クオリティーの高い仕事をしているか
    Q10. 仕事仲間に誰か最高の友達はいるか
    Q11. 最近半年間で、自分の進歩に関して誰かと話し合ったことがあるか
    Q12. 仕事の上で学習し、自分を成長させる機会を与えられたことがあるか
    ---

    そしてこれらの質問から得られた優れたマネジャーの4つの鍵として、
    すぐれたマネジャーは、
    ・才能で人を選ぶ。(経験や知識、意志の強さではない)
    ・成果を適切に設定する。(適切な手順ではない)
    ・部下の強みを活かすことに専念する。(弱点に注目するのではない)
    ・部下の強みに適した場所を探り当てる。(梯子を上に継ぎ足すのではない)
    を挙げています。

    ちなみに本書の議論はマネジャーについてももので、リーダーについてのものではなりません。著者のリーダーとマネジャーとの区別については、『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』に詳しいです。参考まで。

  • ギャラップ社のマーカス・バッキンガム氏、最初の一冊。バッキンガム氏はどの本も良作。
    ギャラップ社が調査した100万人以上の従業員、8万人のマネージャーの中から優れたマネジャーに共通する内容を抽出し、事例とともに内容を紹介。

    優れたマネジャーに共通する内容とは、「ルールを破る」=「伝統的常識に囚われない」こと。

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    マネージャの仕事4つ
    ----------------
    ・人を選ぶ
    ・要求を設定する
    ・動機づけをする
    ・育てる

    部下選びについての陳述は日本では当てはめにくいと感じた。クビにすることもできず、人を選ぶことが困難なベンチャー企業では再現性が低い。
    才能に恵まれた子を選べないなかでどうするかを考えなければいけない。

    ----------------
    マネージャの部下の育て方
    ----------------
    ・部下選び: (○)才能 (×)経験、知識、やる気、意志の強さ
    ・仕事: (○)目標と成果を明示 (×)正しい手順を明示
    ・育成: (○)長所を伸ばす (×)弱点を克服させる
    ・昇進: (○)強みが活かせる場所と報酬を探す (×)後押しする

    「本当はどのような才能を探しているか」マネージャーは常に自問自答せよ

    成果を適切に定義するというのは、ゴールは明確にするが手段はメンバーが自分なりの道筋を見つけるようにしむけるということ。

    強みに適した場所を探し当てるというのは、ありきたりなキャリアパスではなく、誰もが英雄になれる場所を提供するということ。

    人は他人によって変えることはできない。足りないものを植え付けようとして時間を無駄にするな。
    中にあるものを引き出すことにフォーカスしろ。

    ----------------
    メンバーに以下質問を行い、すべてYESと応えられるようにマネージャーは努力する
    ---------
    ・仕事上で自分が何をすべきか、要求されていることがわかっているか
    ・自分の仕事を適切にすこうするために必要な材料や道具箱が揃っているか
    ・毎日最高の仕事ができるような機会に恵まれているか
    ・最近一週間で、仕事の成果を認められたり、ほめられたりしたことがあるか
    ・上司や仕事仲間は自分を一人の人間として認めて接してくれているか
    ・仕事上で自分の成長を後押ししてくれている人が誰かいるか

    不安と戦う必要のない職場にすることが最強。この書籍が出版された数十年後に「職場の心理的安全性」という言葉が流行っているが、ギャラップ社の調査ですでに明らかになっていること。

    ----------------
    面談で聞くべき内容
    ----------------
    ・どんな行動をとったか
    ・どんなことを発見したか
    ・どんな協力関係を築いたか
    ・あなたが今一番力をいれていることは何か
    ・どんな新しい発見をしようとしているか
    ・どんな協力関係を新たに築きたいと考えているか

    ----------------
    マネージャーは常に舞台に立っている
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    ・上からも下からも見られる立場である
    ・意欲、愛情、信頼、そして人格のパフォーマンスに留意する

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    自分の時間は優秀な部下と過ごせ
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    ・生産性の高いと思う5人、最も多くの時間を過ごす5人を書き出す
    →これが一致していなければ危険。生産性の高い5人と時間を過ごせ
    ・様々な理由があるが、生産性の高いメンバーは「あなたの仕事を理解している」ことが最大の焦点。そのメンバーと共に仕事することがあなたの生産性をも上昇させる。あなたの生産性が高いのであれば、さらに引き上げれることに繋がる。
    ・部下と業務外での時間を過ごすことで、立ち位置が曖昧になるなんて考えるのは時間の無駄。もっとも重要なのは相手を知り、信頼関係をつくり、生産性を高めることのはず。

  • いい組織を作るならマネージャーは才能を大事にしたほうがいいよという本
    才能というのは一般的な意味とちょっと違ってその人の基本の物の見方など。
    そういう基本が人によって違うから適材適所の方がいいよねという本
    アメリカでも弱点を補う研修は沢山あるもんなんだな

  • ・部下の才能にフォーカスする
    ・でも一方で、成長するとは誰かを真似るところから始まる気がする

  • Vol.372 すぐれたマネジャーが考えていることはいったい何か?
    https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532148677/withup-22/ref=nosim

  • 人材観は、人はそんなに変わりようがなく、足りないものを植えつけるのは時間の無駄。努力、考える、人づきあいの3カテゴリの才能を元に人材を選び、強みを活かす職務につける。

  • ★5
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