富良野自然塾・倉本聰対談集 愚者の質問

  • 日本経済新聞出版社
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532167592

作品紹介・あらすじ

気象、生物学、脳科学、エネルギ-倉本聰・富良野自然塾塾長が環境問題の本質と実態について各界の賢者8人に問う。

感想・レビュー・書評

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  • 愚者の質問②自然体験が育てる子どもたちの脳と心/賢者:澤口俊之(脳科学者)

    澤口:同じように考えているとき、同じ脳領域を使っていることがわかっています。でも、今言ったのは、脳の研究での「共感」で、それは社会的な共感ということで、「同情」っていう感じのニュアンスですよね。相手が泣いているときに共感するっていうような。ですから劇を見ているときの共感というのは、今のところちょっと調べられていないと思います。

    澤口:特に赤ん坊の場合は、言葉はほとんど意味をなさないので、実際「体験」することによって覚えていくしかないんですよ。何が苦いかとか、甘いとか。・・・・・本当に危ないものに関してだけは、教えた方がいいんですけど、先ず自分で体験することっていうことは、メッチャ重要なんですよ。


    愚者の質問④地球の天辺(エベレスト)から見た地球の明日/賢者:三浦雄一郎(冒険家)

    三浦:まぁ、後は死ねばいいだけですから。
    林原:死ねばいい・・・・・。
    三浦:うん。人間どっかで一回は死ぬ。一回は必ず死ぬ訳ですから、自分で「これは!」と思ったものに向かっていって!それで死んでも、エベレストを墓と思ったら、こんな贅沢な墓は世界にないと。地球にないと。
    倉本:(大笑)

    林原:そうすると、自分では目一杯やってると思っている人が多いんですけど、まだまだなんですよね。
    倉本:そうなんだろうねぇー。やっぱり目一杯やってないんだろうねー。僕、あの、頂上に着かれた時の、長男の方と無線で話してる、あのセリフがとっても好きだったんですけど。
    三浦:・・・涙が出るほど、辛くて、厳しくて・・・嬉しい。


    愚者の質問⑥ナマコ的な天国の作り方/賢者:本川達雄(生物学者)

    本川:だから、この世の中で生きる時に、実は「時間」っていうのも万物共通の時間が流れていると言ったって、その時間の中で、どういう風に生きていく戦略を取るか、速い戦略を取るのか、ゆっくりな戦略を取るのか、そういう色んな時間の生き物がいる、と見ていいだろうと思うんですよ。だから、「草の時間」と「木の時間」は違う。で、「ゾウの時間」と「ネズミの時間」は違う。

    本川:でも、心臓の拍動なんていうのは、縄文人と変わっているはずがなくて、同じペースで打ってるんですよ。そうすると、体の時間は昔のままだけれども、周りの時間ばっかり、どんどんどんんどんどんどん速くなっているのが、現代ではないかと。で、やっぱり、そんな速いものに体が追っついていかないで、体のほうが悲鳴を上げてるってところがあるんじゃないかと。

    本川:だから、もうちょっと幸せに暮らすためには、不便になったほうがいい。そういう価値観をもったほうがいいんではないかと。

    本川:でも、生物っていうのは、子どもを作ってナンボっていうのが生物なんですよ。子どもを作らなければ、生存する価値はゼロなんです。で、先ほど、回りながらずーっと続いていくのが生物だって申し上げましたけど、つまり「こども」は「私」なんですね。だから、そうしてずっと交代しながら、私、私、私って続いていくのが生物なんです。だから、そういう風に言えば、子どもを作らないっていうのは、一種の自殺なんです。

  • 読みながら、今後の生き方について考えました。

  • 環境問題という大きなテーマを緩やかに題目に置いて、脳科学者や気象学者や冒険家や生物学者なんかに、倉本さんがインタビュー形式で話を引き出すという内容。倉本さんのファシリテートが上手だなと素直に感心した。
    小学生の頃、小学館(?)の学習まんがをパラパラと楽しく読んだのと同じ様に楽しく読んだ。ただ、その設定された題目は大きくて、油断するとどうしようもない焦燥感に襲われてしまうところが、学習まんがのときとは違ったけれど。

    そういえば、脳科学者という言葉は、テレビに出るのが好きな誰かのせいで随分と陳腐に成り下がったと私は思っているのだけれど、この本に出てくる脳科学者さんの話は面白かった。
    その道を追求している人が、その道のことをきちんと知らない人にわかる言葉で語るのは、スゴいことだと思ったし、自分もそうなりたいなと思った。

  • 非常に興味深い。様々なジャンルの専門家が現代の環境について語る。現代をどう生きるべきか考えさせられる。

  • NPO法人C・C・C富良野自然塾の季刊誌『カムイミンタラ』に連載された「愚者の質問」を再編集したもの。愚者は質問をする立場である倉本 聰、副塾長の林原博光の両氏。対談の相手は賢者として、伊藤和明(防災情報機構会長)、澤口俊之(脳科学者)、住 明正(気象学者)、三浦雄一郎(冒険家)、石川英輔(作家・江戸文化研究家)、本川達雄(生物学者)、末吉竹ニ郎(国際金融アナリスト)、柴田明夫(丸紅経済研究所所長)の各氏が登場する。
    環境問題に関連する様々なジャンルの賢者をゲストに招き、素朴な疑問をぶつけることにより、読者に環境問題の理解をうながす一助になればという趣旨で編まれている。
    脳科学者・澤口俊之氏と冒険家・三浦雄一郎氏のセクションは、環境問題云々を抜きにして興味深い。

  • 20110102 愚者が賢者で賢者が愚者か。普通の人がどうしたら良いかのヒントにはなる。

  • 倉本聰さんのドラマの良さを、31歳になって初めて知りまして
    その流れでこの本を手にとって読んでみたところ、やはり環境についてピシッと考えを持たなければ、実践しなければと思い改めることになりました。
    面白いのは脳科学者の澤口俊之先生との対談。
    人間の赤ちゃんは、本来あと6ヶ月お腹に入っていなければならないのに出てくるそうなので、カンガルーケアという育児を6ヶ月までしなければならないそうなのですが、それと相容れないスポック博士の育児法によって人間がだめになる‥というくだりに大爆笑ですw あと三浦雄一郎さんとの対談も圧巻です。

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著者プロフィール

1935年東京都に生まれる。東京大学文学部美学科を卒業後、ニッポン放送入社。1963年に脚本家として独立。テレビドラマは『赤ひげ』『勝海舟』(以上、NHK)、『前略おふくろ様』『昨日、悲別で』(以上、日本テレビ)、富良野3部作『北の国から』『優しい時間』『風のガーデン』(以上、フジテレビ)など。2017年放送のテレビ朝日『やすらぎの郷』も大きな話題を呼んだ。映画でも『冬の華』『駅 STATION』等名作の脚本を執筆。『時計 Adieu lHiver』では監督も兼務した。1977年富良野に移住し、役者とライターを養成する「富良野塾」を主宰。26年間に育て上げた卒業生と創作集団「富良野GROUP」を立ち上げ、舞台公演を中心に活動している。また2006年より「NPO法人富良野自然塾」を主宰し、閉鎖されたゴルフ場を元の森に返す自然返還事業と、そのフィールドを使った環境教育プログラム活動を行なう。著書には『見る前に跳んだ 私の履歴書』(日本経済新聞出版社)、『昭和からの遺言』『ヒトに問う』(以上、双葉社)、『聞き書き 倉本聰 ドラマ人生』(北海道新聞社)、『北の人名録』(新潮文庫)などがある。

「2018年 『「北の国から」異聞 黒板五郎 独占インタビュー!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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