昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

制作 : 倉骨 彰 
  • 日本経済新聞出版社
3.85
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本棚登録 : 637
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532168612

作品紹介・あらすじ

本書下巻では、危険に対する警戒心、人間社会と宗教の関係性と重要度の変化、消えつつある言語の多様性と、社会における多言語の使用、非感染性疾患と西洋的な生活様式といった人間社会の諸問題を取り上げる。伝統的社会に強く惹かれ、研究者としての人生の大半をニューギニアなどの伝統的社会に捧げてきたジャレド・ダイアモンドが、現代西洋社会に住む私たちが学ぶべき人類の叡知を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 伝統的社会における様々な価値観から,人類社会のあり方を,ジャレド・ダイアモンド博士が問う本の下巻.

    上巻では戦争と平和,子供と高齢者,などがテーマでしたが,後編ではリスク管理,宗教,言語,そして砂糖や塩や脂肪など,人体に必須でありながら現代の生活習慣病を招いている食品がトピックに挙がります.

    下巻の方が圧倒的に面白い.上巻で飽きた人も下巻は読むべきだと思います.
    科学が発展し,宗教の持つ役割がだんだんと変化を起こしてきている現代社会においてしばしば挙がる,「そもそもなぜ『神』が創られたのか」という根源的でコントラバーシャルな問にうまく答えを見出していると感じます.
    宗教の大きな役割の一つが『戦争』と『支配』に対する反論への答え,というのは現代の大国においてもなんら変わらないな,と思います.

    また,もうひとつ非常に興味深いのが言語について.
    伝統的社会の多くの住民が多言語,それも同系列ではないものも含め,5つ以上を扱うことが珍しくない,という事実に驚かされるととともに,そういった少数言語の多くが絶滅の危機に瀕し,今世紀末には現存する言語の90%が,それに付随する伝統文化とともに消滅してしまう,という話が特に印象的でした.

    上巻では多少くどい言い回しが多かったと思いますが,下巻ではよりスムーズに読むことができました.リスクの話,現代習慣病の話も非常に興味深い.「文明崩壊」「銃・病原菌・鉄」を読んでおくとより面白いと思います.

  • 「上」に引き続き。
    ゆるゆると読んでいたおかげで、興味をひかれる部分が多く上を読んだ時のけだるさを感じないまま読了。
    どのみち、他人事だと思って読んでいるからに他ならないのだが。
    危機との遭遇や死亡原因、宗教、言語関連そして、健康について書かれてあるので、よけい興味をそそられた。

    「宗教の定義の一例」や「暴飲暴食の事例」など挿入されている表が面白くて(失礼?!)

    先に読んだ「銃・病原菌・鉄」に次ぐ薀蓄ネタ本として文庫になったらまた買ってみましょうか!

  • 「銃・病原菌・鉄」でピューリツアー賞を受賞した人類生態学者である著者による一冊。上巻のテーマが、昨日までの世界と国家を持つ社会のマクロ比較であったのに対し、下巻である本書はミクロ アプローチ。

    印象深かったのは死因の比較。パラグアイ アチェ族・一位 毒蛇、アフリカ南部 クン族・一位 毒矢、中央アフリカ ピグミー族・一位 樹上からの落下。生活違いすぎる。

    その他、マクロがプラットフォームを同一性にした記述であるところミクロは異質をプラットフォームとしている。それだけに後半に語られる言語の多様性に対する賛美は秀逸。上下巻を通じて、大変有意義な旅に連れ出してくれたと感じます。

    因みに、もっとも恐ろしいライオンは、老いてしまったり病気や怪我などで弱って、俊敏な動きができず群れから離れ「人間を襲うしか手だてがなくなってしまった」はぐれライオンだそう。気をつけます。

  • 1

  • 歴史

  • 『銃・病原菌・鉄』の著者ジャレド・ダイヤモンドの新作である。ふたたびニューギニア等の伝統的社会を取り上げ、健康、子ども、高齢者、言語、宗教、交易、生命への危険、紛争解決、「われわれ」と「見知らぬ他人」との関係といった、人類に普遍的なテーマを紹介し、我々現代社会人も、伝統的社会から学ぶべきことがあるのではないか?といった示唆を与える本である。
    下巻では、危険への対応のしかた、宗教の発生の真因、糖尿病といった非感染性疾患について述べる。

    <目次>
    第4部 危険とそれに対する反応
     第7章 有益な妄想
     第8章 ライオンその他の危険
    第5部 宗教、言語、健康
     第9章 電気ウナギが教える宗教の発展
     第10章 多くの言語を話す
     第11章 塩、砂糖、脂肪、怠惰
    エピローグ 別の空港にて
    謝辞
    訳者あとがき
    参考文献

    2013.03.05 くまざわ書店で見つける。
    2013.06.09 読書開始
    2013.06.23 読了

  • 伝統的社会の観察結果から、文明を考察する、ということらしいが、正直疑問。

  • あまり面白くないかな

  • 伝統的社会(昨日までの世界)から今日の我々が学ぶべきことが、筆者の経験とさまざまな学問分野の成果を融合させ、数多くの事例を持って語られる。その説得力に驚かされる。

  • 数百万年の人類史において、国家や文字が出現したのは、たかだか5000年ほど前のことに過ぎない。それ以前の人類は、何を行ってきたのか。それは意外に現代と紙一重の世界であるか、優れていた社会を構成していた可能性もある。有史以来つねにつきまとう、戦争や教育、階層社会、高齢者の社会的位置づけなどを振り返り、今日的社会のアドバンテージと課題は何かを考えさせる。日本版には、日本の高齢化社会に対する提言もあって興味深い。

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著者プロフィール

ジャレド・ダイアモンド
1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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