私の履歴書森喜朗回顧録

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532168704

作品紹介・あらすじ

出会いを大切にし、多彩な人脈を駆使して政界を動かした実力者。様々なエピソードとともに綴る"我が政治家人生"。

感想・レビュー・書評

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  • 前半は大いに笑う。

    好意的に思っていない人物であっても、一定の学びはある。

  • 東2法経図・6F開架:289.1A/Mo45m//K

  • 日経新聞の「私の履歴書」をベースにした森喜朗元総理大臣の回顧録。
    分量の関係もあり(日経新聞連載時はこれよりもさらに半分少なかったらしい)、そこまでの深い話はないように感じたが、それでも森元総理の歩んだ激動の政治家人生を垣間見ることができた。森元総理は失言や密室で生まれた総理というイメージが強く、世間的にはあまり印象はよくないと思われるが、なかなか実直で骨のある政治家ではあると感じた。
    細川政権成立による自民党の野党時代から自社さ政権成立までの記述が特に興味深かった。

  • 小渕さんは橋本よりも後に総理になるのが納得できなかったが、竹下さんが、橋本は消費税で選挙に負けるよ、閣外にいると同派閥の小渕になたらに。後を狙うなら今のうちに外務か大蔵で閣内に入っていたほうがよいと言われて外務大臣をやっていた。森さんもそれで小渕内閣で幹事長をやっていた。

  • 戦前の大物政治家の回顧録と比べると、国情もあって軽量級の感は否めないが、面倒見が良く、他人の信頼には応えるという森の人物像が伝わってくる好著だと思う。大メディアの報道から連想される森の人物像は、傲慢で無能な政治家というものだが、真に、そのような人物だとしたら対立する政権でもロシア特使に任命されるような話が持ち上がるはずがない。東郷和彦の自伝にも多少登場するが、なかなかの人物だったと考えている。

  • 昨晩、なかなか寝付けなかったので気晴らしに読んだ。一読して変わらずサービス精神が旺盛な方だなと感じた。インタビュアーや読者が面白がるエピソードを交えるのが上手い。

    総理としての森氏は、決して高い評価を得たとはいえない。私は、若い頃に清和会系の政治家が森氏のことをモリキロウはただの馬鹿だと言っているのを聞いたことがあるが(別に私は森氏の支持者ではないが聞いていてあまり気分がいいものではなかった)、総理としての評価はともかく、政治家としては幅のある面白い人物だと思った。僭越だが床屋政談をしながら酒を飲んでみたいと感じた。

    イデオロギーに拘泥せずさまざまな立場の人と付き合いながら政治生活を過したことが記されている。ただし、よく読むとこの人物とは距離があったのだなということがわかるような書き方をしている。あるいは意図的にあまり触れていない人物もいると感じた。しかし、人間的な好き嫌いは腹に飲み込んで政治的な取引ができる。そういう意味では政治家らしい政治家だったのだと思う。

    印象に残った点として、福田赳夫氏については尊敬していたが、安倍晋太郎氏は兄貴分で尊敬しているとはっきりとは言い切れないとの記述がある。この点は非常に興味深い。確か小沢一郎氏も田中角栄氏についてはオヤジとして敬意を持っていたが、竹下氏や金丸氏については兄貴分のように感じていたと証言していたと記憶している。三角大福中のころまでは、派閥の領袖は、絶対的なボスだったが、安竹宮の頃になるとそうでもなくなりつつあったのではないかということが感じ取れる。

    小選挙区制と政党助成金の導入で派閥の領袖の形骸化はさらに進む。その中でも森氏は比較的派閥の領袖としての権威を維持した人物だと思うが、それも限界が来る中で現役を引退する姿が描写されている。

    2,000年代の政治の動きについてもかなりページを割いて記述がなされており、貴重な証言だと思う。以前、朝日新聞から出版された証言90年代の後日談としても読め、いくつも気になる記述があった。

    小泉政権ができる際に亀井氏が総裁選から降りて小泉氏を支援した見返りに党三役(政調会長)に江藤・亀井派から平沼赳夫氏を起用するつもりだったが、平沼氏が亀井氏に許可をとって欲しいと言い、小泉氏が亀井氏に連絡をしたところ、亀井氏は江藤氏に許可をとって欲しいと言ったため、小泉氏が頭にきて江藤・亀井派からの党3役起用を辞め、麻生氏を政調会長に起用したというエピソードは、この証言が事実だとすると政治史の転換点になったのではないかと思う。

    森氏は、このことが亀井氏たちを党外に追いやる結果になってしまったと悔いているが、もし、この人事が成立していたら郵政選挙はなく、ひょっとしたら小泉政権は長く続かず民主党政権がもっと早くに成立していたのではないかとさえ思う。

    55年体制を象徴する一人の政治家の記録として貴重な一冊と感じた。

  • 良くも悪くもネタにされてる森元総理の回顧録。
    ラグビーマンで、悪党風な人っぽくて、国会議員の中では一番最初にニコ動に動画を投稿したりと興味深い人だったが、一度も彼のことを調べたことがなかったのでちょうどいい機会と思いこの本に手を出してみる。
    そういやツイッターで「森喜朗」で検索するとあのWho are you?の英語ネタはブン屋の創作から広まったらしい。

  • 森前首相の意外な素顔が垣間見れて、面白かった。

  • 「チーズの宣伝をしただけに終わってしまった。」など、人柄がよく出ていて好感が持てた。

  •  日経新聞「私の履歴書」に掲載されていた森喜朗の記事に、加筆修正を施した回顧録。生まれてから現在までの政治家までの、そして政治家になってからの人生を書いている。
     日本政界の内部事情が赤裸々に記載されているのだが、一方で、他の国内セクター(財界・スポーツ界など)、国外についての記述がほとんどなかったのがいささか不満。

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著者プロフィール

一九三七年石川県生まれ。第八十五・八十六代内閣総理大臣。二〇一二年代議士引退。〇五年から一五年まで日本ラグビーフットボール協会会長。ラグビーワールドカップの日本招致・開催に尽力。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長。著書に『私の履歴書 森喜朗回顧録』(日本経済新聞出版社)などがある。

「2020年 『遺書  東京五輪への覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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