- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532168803
作品紹介・あらすじ
律令時代から近代まで、日本人が気候変動に起因する災難にどう立ち向かってきたかを豊富なエピソードとともに描く。知られざる闘いの軌跡。
感想・レビュー・書評
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■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001014566
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歴史の授業で学んだことの背景には自然気象が関係していた…って、面白かったなあ。
歴史を点でなく横の繋がり(離れた地域間での事象の因果)で理解しろ…とは言われた覚えがあるけれど、それすらも結局は事象という点と点を並べただけだったかなーと自省。
この本ではむしろ、その「点」であった事象の時間を遡って背景や裏面から起因要因を述べているわけで。
「点」自体が広がった感。
まあ、そうしたことは受験勉強には不要な部分なのは間違い無いんですけど!w
しかし改めて気付かされたのは、日本ですら食に困って人身売買が行われたり土地を捨てざるを得なかったりした時代からまだ100年も経ってないんだなあ…ってこと。
第二次大戦がいろいろと契機になっているのは間違い無いけど(戦争を肯定しているワケでは無い)、気候変動への対応力がついた社会が形成されたのが、正直ここ半世紀ってくらいじゃない?てことかー。
タイトルにあるように「気候で読み解く」テーマで通してきてるけれど、この中で一番の重みがあったのはエピローグの箇所だと思う。
気候変動に振り回されてきた人類が、その歴史の中から何を学んで少しでも不幸な社会を生み出さないようにするのか。
その問いかけと、少なくない答えがそこにまとめられている。
もちろんその答えがどれだけ的を射ているのかを知るために、過去の歴史を「読み解く」ことが必要であったワケで、1冊の本としてとてもまとまりがあったな…という読後感。 -
記述が読みにくいかな。ごちゃついてる。グラフも不親切。
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中々に衝撃的な内容だった。
かの有名な『太平記』での新田義貞の鎌倉攻めが寒冷化が関連していたとはね。人類史に気象が大きく関わっている事は理解していたけど、太陽活動や火山活動、海流、海水温などの本当に要因が多いよ。
それにしても日本史における飢饉は頻繁に起きていたんだなと実感したよ。さらにはその時々の統治組織の決断が被害の大きさに関わるのも印象的だったよ。 -
他の著作に感心して借りたが、新鮮さを感じなくて断念した。
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歴史の栄枯盛衰は気候と因果関係があることが理解できた。庶民がきちんとお腹いっぱいにご飯を食べれると豊かな気持ちになり国は安定し反映する。ご飯を食べるためには気候が安定し食物を収穫することができないといけない。考えてみると当たり前の話だ。歴史を多面的な視点で捉えると良いことに気づかせて貰いました。
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出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介
平家が滅びたのは、作物が作れなかったから?歴史のダイナミズムを気候から分析。 -
歴史は人がつくるものだけど、人は食べなければ生きていけず、その食糧は気候に大きく依存する。時代ごとの気候の研究が進むにつれ、気候が人類に与えてきた影響も一層クローズアップされていくだろう。その嚆矢になるような好著。
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日本史から世界史、気象学へ翔ぶ、知のダイナミズムが心地良い。膨大なデータ検証後の考察に新鮮な指摘があり、著者の横断的な知が読み取れる。
研究者らしいというか、災害、飢饉の事例を逐一記述しているので若干退屈になる部分もある。グラフの無骨さ、読みにくさには改善の余地あり。
・畳、マツタケは森林伐採による資源枯渇の産物
・元寇は元の戦略上では非常に些末な戦争
・鎌倉防衛システムは海水面低下によって破綻
・アイヌ叙事詩「ユーカラ」に他人を騙すという行為は無い
・新技術への優遇政策が普及に対しての起爆剤
・30年で市場の失敗の教訓は忘れ去られる
・「グスコーブドリの伝記」で、人工火山噴火の温室効果で冷害解消のアイディア