国家経営の本質: 大転換期の知略とリーダーシップ
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2014年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532169237
作品紹介・あらすじ
歴史を動かしたリーダーは何をとらえていたのか。巨大な転換期に直面し、国家再生へ大きな舵を切ったリーダーたちの構想力と指導力を解明。『失敗の本質』『戦略の本質』に続く待望の姉妹編。
感想・レビュー・書評
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なんじゃこれ。ケースと分析が、結論ありき。特にレーガンの箇所とか、笑いすら。
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かつて『失敗の本質』『戦略の本質』を著した主要メンバーが再び結集し、こんどは「国家経営の本質」をテーマに行った共同研究をまとめた本。
世界的な激動期であった1980年代に主要国のリーダーであった6人の政治家――サッチャー、レーガン、中曽根康弘、ヘルムート・コール、ゴルバチョフ、鄧小平――を俎上に載せ、彼らがいかにして自らの政治ヴィジョンを実現させていったかを分析。そのうえで、6人に通底する“よき国家経営”のありようを抽出している。
『プレジデント』とかのオジサン向けビジネス雑誌によくある安手のリーダー論に陥りかねない題材だが、本書はもう少し高尚である。著者たちはそれぞれ、経営学(組織論)と歴史学(政治史、軍事史)の研究者であり、学問的手続きをふまえた立派な学際的研究になっているからだ。
日本の政治家から中曽根を選んでいるあたりに、拒否反応を覚える向きもあろう。だが、「大統領型首相」と評された中曽根が優れたリーダーシップの持ち主であったことは、人物や思想への好悪を超えて、認めてよいと思う。
他の5人についても、リーダーシップに的を絞ってまとめられた各章はそれぞれ出来がよく、リーダー論として独立した価値を持つ。
少し前に取り上げたジョセフ・ナイの『大統領のリーダーシップ』と、読み比べてみるのも一興だろう。 -
人事の妙について考えさられる本。
大きい組織を動かす時に、何の課題に誰を配するか、正しいだけでは力にならない。
近現代史を人の視点から観た書籍 -
サッチャーとレーガン。
冷戦中で反共という外交政策の立案、実行は今よりは簡単だったであろう。
痛みを伴う改革の必要性を説いて、実行する力が肝要 -
サッチャーはなんとしても強いイギリスを取り戻すという明確な理想をもった政治家だった。
サッチャーはレーガン、ゴルバチョフと仲良かったから冷戦を終えたのは彼女。レーガンはもともと女性に非常に経緯を払うところがあり、とりわけサッチャーが鉄の女の呼び名とは別に女性らしさを備えた、しかし強い信念の持ち主であるところに惹かれた。
レーガンは俳優として売れなかったが、その時に食い合いをやってあちこちで講演活動をしたり反共キャンペーンに反対するリベラル派と戦った。修羅場ともいえる経験をしていた。
中曽根にとってサミットは日本の孫愛刊を示すセレモニーだけの場ではなかった。それは列国主要の本音の議論を聴き、日本の主張を聴いてもらう必要不可欠な貴重な場所だった。
コールは歴史が大好きでビスマルクを強く意識していた。
連戦終結に向けた時、同期ともいえる政治家が並んで解決していた。