熱風の日本史

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 81
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532169442

作品紹介・あらすじ

美しくない日本の私たち、近現代史に自画像が映る。明治から平成まで、社会を一色に染めた"熱風"のような狂騒、ブーム、抗えない空気…いつか来た道を辿り、集団での愚行を繰り返さないために、歴史を正視することは自虐ではない。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の近現代の暗部を描く、という謳い文句の本。

    なのですが、読んだ感じで言うと、ちょっと感情的かなあ、と思いました。露悪方向で。

    乾いた歴史の事実を見せるよりも、初めから、それがいかにセンセーショナルに「悪事」であるか、ということを訴えることに酔っているような。

    無論、ひとつひとつは当然褒められたことではなく(関東大震災の朝鮮人ほかの虐殺など)、それは暗部ではあるのだけど、それをすごく掘り下げた「へー」度があるかというと、正直そうでもない。

    申し訳ないけれど、パッケージで持ち上げている程度の浅さを若干感じました。

    要は新聞コラムの積み上げなので、読み易いのは良いことなのだけど。

    この本で持って「歴史」とは、と言われても、ちょっと軽いかな、という感想。

  • 記者の新聞連載をまとめた本ってそんなに面白くないし、実際、最初のほうはイマイチだったが、時代が下るにつれ、よりリアルに、具体的になっていったせいか、次第に止まらなくなって、一気に読んでしまった。終章の新聞が戦争に駆り立てた章が最も手厳しいが、全体にメディアのしでかしたことについて身がすくむ思いがする。代々木公園のワシントンハイツ、三池争議を率いた学者向坂逸郎、マッカーサーへの50万通のファンレター、地方改良運動、抹殺された北朝などのエピソードが強く印象に残る。

  • もっと刺激的なことが次々と出てくるのかと思ったのですが、それほどでもなく少し期待外れでした。そんななかでも気になったことがこれです。「明治天皇は北朝天皇の子孫である。南朝と正成を顕彰するほど、天皇と政権の正当性が揺らぐ。大逆事件は、この「爆弾」に火をつける危険性があった。」それはなぜか。それは秋水が公判で「今の天皇は南朝の天子を殺して三種の神器を奪いとった北朝の天子の子孫ではないか。それを殺すのが何故それほどの大罪か」と言い放ったからだ。

  • 「明治」「大正」「昭和」「平成」と時代別に1項目8ページくらいで書かれているので、少しずつ読んでいくのに最適でした。
    教科書に取り上げられているようなものやその時代にあった出来事・事件など、様々なものが取り上げられていて面白かったです。

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著者プロフィール

1961年大阪生まれ。86年日本経済新聞社に入社。東京、大阪の社会部で警視庁、大阪府警、法務省などを担当。現在、編集委員(皇室、近現代史)。元宮内庁長官の「富田メモ」報道で2006年度新聞協会賞を受賞。著書に『非常時とジャーナリズム』(日経プレミアシリーズ)、『天皇と葬儀――日本人の死生観』(新潮選書)、『焦土からの再生――戦災復興はいかに成し得たか』(新潮社)、『熱風の日本史』(日本経済新聞出版社)、『忘れられた島々――「南洋群島」の現代史』(平凡社新書)、『昭和天皇は何と戦っていたのか――「実録」で読む87年の生涯』(小学館)、共著に『「東京裁判」を読む』『「BC級裁判」を読む』(ともに日経ビジネス人文庫)がある。

「2017年 『天皇の戦争宝庫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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