- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532171025
作品紹介・あらすじ
北周の重臣・楊堅(後の隋の初代皇帝)の子として生まれた楊広(煬帝)は、利発で美しく、周囲の期待を一身に集める少年だった。だが、その心底には誰にも見えない闇が…。中国史上最凶の暴君として知られる煬帝の生涯を、壮大なスケールで描く歴史大作。
感想・レビュー・書評
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人に勧められて手に取りました。
先に宮崎市定『隋の煬帝』を読んでいたため、うっすらと人物名の記憶があったのは幸い。
上巻ではまだ煬帝は即位しません。
小説の体裁ですがかなり淡々としています。
そのかわり、話はサクサク進行です。
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話しがふわふわいきすぎている感じ
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タイトルどおり、中国の隋の皇帝煬帝の話です。上巻は幼年期から青年期に至るまでを描写しているのですが、ちょっと設定が・・・。煬帝を取り巻く環境を見せるための工夫ではあると思うのですが、現実離れしていて今ひとつ「歴史」を楽しむ気になれなかったというのが感想です。ちょっとSF的な雰囲気があります。
それでも読み物としては面白いとは思うので、下巻も読む予定です。 -
愚帝と呼ばれる煬帝について、父である楊堅が帝位に就く以前からを、ドラマチックに描いている。利発さと好色さを併せ持ち、英傑と悪帝の狭間に立つ煬帝の姿が見える。
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王様の耳はロバの耳。 諫言を聞き入れない輩は必ず滅びる。
煬帝もきっと自分がひどい皇帝とは考えても見なかっただろうに・・・。 -
暴君というのは世界にいっぱいいます。
中国史にも暴君はいます。
傾国の美女に溺れたり、悪政をしいたり。
この小説はそういう暴君のひとり
隋朝の煬帝をとりあげています。
中国最凶の暴君らしいです。
ぼくとしたら、殷の紂王が最凶だとおもうけど伝説だしね。
上巻では北周の衰退から隋の台頭。後梁を取り込み、陳を降し、隋が中華を統一するまでを描いています。
主人公はもちろん後の煬帝、楊広少年。
この少年がいかにして、暴君と成り果てていくのか、
どのようにして、兄の皇太子を引きずりおろすのか。。。
そのあたりが下巻の読みどころ。でしょうか。
とにかく、かなり読みやすい。歴史背景を上手に説明しながら、物語が進んでいくので、
かなりどっぷり引き込まれました。
隋王朝というのは日本人には中国史が好きじゃない人にも聞き及びがあるでしょ?
「遣隋使」
っていうね、小野妹子が使者として、対峙したのがこの煬帝です。
だけど、隋王朝っていうのはかなりの短命王朝。
なにせ二代で終わり、唐王朝に取って代わられるからね。
この小説を読んで、隋唐演義読むと、また面白いのかも?
さてさて、下巻はどーなるのかな?
楽しく読もうと思います!!! -
日本史の教科書でこの名前を見た記憶のある方もいらっしゃるのでは?
聖徳太子が「日出づる処の天子より日沈む処の天子へ…」という手紙を送った相手、隋の第二代皇帝の物語です。
いや…聖徳太子、こんな怖い人にそんな喧嘩売るような手紙を送ったんかい!!と叫びたくなる皇帝。
知らないというのはすごいものだなあとつくづく思いました。
美しく聡明(しかし幼少時よりその冷酷さはあった)な少年が兄、父を殺して帝位につきます。
残虐な皇帝と伝えられていますが、残虐というより腹黒い印象を受けました。
それにしても、隋という国がすぐに滅んだことにびっくり。
「名前は聞いたことがあるけれど…」というような歴史上の人物を知ることができる、それがなんといっても歴史小説の醍醐味ではないかなと思います。
上下巻に分かれていますが一気に読むことができました。物語としては物足りなさがありましたが…。