三鬼 三島屋変調百物語四之続

著者 : 宮部みゆき
  • 日本経済新聞出版社 (2016年12月10日発売)
4.22
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  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171414

作品紹介

待望の最新作は冬に贈る怪談語り、変わり百物語。
鬼は人から真実を引き出す。人は罪を犯すものだから。不思議な話に心がふるえ、身が浄められる。

江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん"のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩の元江戸家老、心の時を十四歳で止めた老婆。亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしの者を通して、せつない話、こわい話、悲しい話を語りだす。
「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの客の身の処し方に感じ入る、聞き手のおちかの身にもやがて心ゆれる出来事が……

第一話 迷いの旅籠
第二話 食客ひだる神
第三話 三鬼
第四話 おくらさま

三鬼 三島屋変調百物語四之続の感想・レビュー・書評

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  • 三島屋シリーズ四 それぞれの話が重く辛く でも温かく心に染みいる物語だった。「人の世は思うに任せぬ。悲しい悔しい腹が立つ。..でも後ろばかり向いていたら後ずさりで生きる事になっちまう」宮部さんの現代物は同じように重く辛いものが多いけれど 時代物はその辛さのあとに 救いやぬくもりが残って 好ましい。そして やはり日本語 大和言葉は優しく綺麗だと心から思う。

  • 三島屋百物語第四弾。「迷いの旅籠」では死んだ人一人一人に言い聞かせるやさしさに胸が打たれた。「食客ひだる神」ではひだる神のために夏の商いを休むという面白い話。表題の「三鬼」は貧しい洞ヶ森村での出来事が息もつかせないくらい迫力でせまってきて人間の醜さ、おろかさを痛感した。「おくらさま」も呪いと引き換えに受けていた守護も消えてしまう最後にどきどきした。最後に聞き手のおちかは時を止め、悔恨に打ちひしがれ昔を恋うて懐かしむだけの老女になってしまう。さもなきゃおくらさまになると言われることから次回の聞き手はおちかではなくなるのか?趣向がかわるのかと思ってしまった。このシリーズは続いてほしい。

  • 【ネタばれ感想注意】

    シリーズ四冊目で、今作は四話入っています。

    第一話「迷いの旅籠」
    『三島屋』シリーズによく出てくるような生者と亡者のお話だと思いました。

    第二話「食客ひだる神」
    このシリーズには珍しい人と妖しの持ちつ持たれつの共存のお話で、読み終わった時に温かい気持ちになりました。
    『あんじゅう』を彷彿とさせるお話です。
    この世に未練を残して亡くなったひだる神だったので、弁当屋の夫婦の情の深さと腹いっぱい食べられた満足感に成仏したのだろうと思います。

    第三話「三鬼」
    表題になった物語です。
    シリーズ三冊目『泣き童子』の中にあった「まぐる笛」のような正体不明な妖しの話かと思ったら、貧しい山村の口減らしという哀しい風習の話でした。
    国を治めるお殿様がしっかりしてないと、貧しい人達がより一層辛い目に遭うという戒めの話でもあると思いました。
    しかし、題名にもなった『三鬼』。
    初めは「三人の鬼」を予想してたのですが、読み終えて「三人『目』の鬼(の正体)」という意味だと分かりました。
    四話の中でもかなり重い話だと思いますが、やはり一番強く心に残りました。

    第四話「おくらさま」
    別れと出会いのお話でした。
    人の良い叔父夫婦に似て、二人の従兄弟も性格の良い兄弟でおちかを妹のように可愛がってくれているのがほっとします。
    結局、「おくらさま」は生け贄で成り立っていたのでしょう。
    そして、お梅さんは「おくらさま」の良心だったのかなと思いました。

  • 三島屋の百物語シリーズ4作目。
    4つの話で560ページ!
    読みでがあります。切ない話が多かったように思います。
    三鬼。ちょっと怖ろしく、やるせない思いです。
    おくらさま。切なさでいっぱいでした。
    今後の展開が楽しみ。新聞で連載されているので本になるのが楽しみです。

  • 全体的に長く、やや冗長に感じる。
    明るくて面白かったのは「食客ひだる神」。疎んじるのではなく、ひだる神を肯定し、共存する関係性が好ましく、珍しく楽しい話。
    「おくらさま」は、ルールを逸脱したところが目新しい。去る者、加わる者。おちかの変化の兆しを感じる。
    「迷いの旅籠」は、ことがおこるまで長かったものの、落とし前のつけ方にグッとくる。

  • 18/02/12読了

    生身の人の語りは、血が通っていて面白うございます。ですが、生ものだけに、時にはあたる。

    でもですね、読み物というものは。生身の人からはもう離れておりますから、枯れております。

  • おちかちゃんが江戸の街で不思議な話の聞き役になるという作品の最新刊

    4つの短編、、、とまで短くはない作品で構成された作品
    ホラーではあるのだが、単純なホラーではない

    思い出しながら書いてみる

    ・迷いの旅籠
    行灯行列という豊作を祈るお祭り的な行事が諸々の事情でできなくなった事から騒動になっていくお話

    奥さんを亡くした旅人があの世とこの世をつなげようという目的を持ちつつ、その自らの目的を達する為にこの騒動を利用
    結果、なんとか亡くなった人をこの世に返らせる事に成功、、、したように見えたが、生きていた頃とは少し様子が異なる

    更に、人が生き返る度に、生きている人の魂が抜けたようになってしまう事がわかってきた

    自分の知人が生き返ったとなれば、多少様子が違っても良いと考える人も出てくる
    逆に、その代わりに今生きている人が死んだようになってしまうのであれば意味はないという良識派もいる

    村を二分した騒ぎになっていくという話

    ・食客ひだる神
    ホラーではあるが、若干コミカルさがある作品

    お弁当で有名なお店
    しかし、一年のうち少ししか営業しないお店で、なんでだろう?という話になっていたお店
    タイミングよく、そこの店主から不思議話を聞く事になった

    ひだる神という食いしん坊のたたり神にたたられた事があるという
    この辺りのやりとりが非常に軽妙
    「祟られた」という感じではなく進んでいく
    好きな話でした

    ・三鬼
    これはホラー作品

    妹を誘拐された仇討ちをしたお侍さんの不思議語り
    その結果、ある辺境の大田舎にある村の監督役を命ぜられる

    前の担当がいなくなったり、正気をなくしてしまったり、、、あまり良い話が無い村

    そんな村で起きる騒動の中、人とは思えない物の怪に会う
    物の怪ではあるのだが、正体は明かされない
    どちらかというと、人間の悪い心が生み出したものという扱いで描かれていたように感じた

    ・おくらさま
    これもホラーではありますが、物悲しさが漂う作品

    3姉妹の作品
    おばあさんになった末の妹が不思議語りをする
    登場が若干不思議な感じ

    幼い頃火事が発生
    その時に「おくらさま」に助けてもらう
    その後は家の取り決めとして「新たなおくらさま」が必要になり、お姉さんが「おくらさま」として取られてしまったという

    残った姉妹も「何故あの子が」「自分が代わってあげられれば」と思いつつ「自分が選ばれなくて良かった」という気も出てきたりする

    誰も幸せにならない家の取り決めだった
    実はそれはその家の過去に起きた事による呪いだったのだという結論

    4作品ともに読み応え抜群でした
    分厚い本ですが、そういった事を感じさせないほど

  •  三島屋変わり百物語の第四作。『迷いの旅籠』『食客ひだる神』『三鬼』『おくらさま』の四編が収められている。
     今回も、江戸や近郊のあちこちで起こった怪しげで哀しい怪異話が繰り広げられ、読者としては安心して読めるシリーズものとなっている。

     単なる怪談話を集めた短編集の続編ではなく、江戸の風情や人々の営み、そして主人公のおちかと周囲の人の心情が重要な柱になっており、物語全体を少しずつ牽引している。
     心に深い傷を負って百物語の聞き手となってきたおちか自身も、ある出来事から心境の変化を迎え、このまま奥座敷で聞き手のまま生きてはいけないという決意を固める。定番を崩す新たな展開があるのか、一回揺さぶりをかけておいていつもの路線が続くのか、いずれにしろ今後も楽しみなシリーズ。

  • 「おくらさま」が一番ゾクゾクしました。三島屋変調百物語もこれで四冊目。おちかの傍を去っていく人もいれば新たに登場した人もいて、三島屋の百物語にも変化がありそうです。おちかちゃんが主役じゃなくなるのかな。これからの展開が楽しみです。

  • 三島屋シリーズ第四作。
    相変わらず前置きが長いけれど、その前置きもドラマがあって入り込める。本題に入ると益々目が離せない。
    「迷いの旅籠」死者に再会できる代わりに…。
    「食客ひだる神」飢える神様を食わせれば商売は上手く行くがその代わり…。
    「三鬼」極貧の村で生きていくためにはその代わりに…。
    「おくらさま」商売繁盛、お店を守ってくれる神様は代わりに…。

    何かを得るために何かを失わなければならない。。何かを増やすためには何かを減らさなければならない。
    どちらかを選ぶことが幸せに繋がるなら良いのだが、それが難しい場合は…。

    唯一ほのぼのしたのは「食客ひだる神」。こちらは良いバランスを最終的に得られて良かった、
    他の話は切なかったり苦かったり。
    そのことが主人公おちかにまた一つ新たな思いや決意をもたらしたのは良かった。
    シリーズとしても転機の回。一つの別れと新たな出会い。
    どのような展開を見せるのか楽しみ。

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