提言日米同盟を組み直す: 東アジアリスクと安全保障改革

制作 : 田中 明彦  日本経済研究センター 
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532176228

作品紹介・あらすじ

日米同盟に大転機が訪れている。戦後一貫して自由な世界秩序を支えてきた米国で政治理念にほとんど言及せず、「米国第一」を断言するリーダーが選ばれた点で、トランプ政権誕生は冷戦終結後の世界秩序に最大の不確実性をもらす出来事となったのだ。
本書は、経済、軍備からインテリジェンス、サイバー安全保障まで日本を代表する国際関係論研究者が勢揃いし、包括的かつ長期的な日米同盟の価値と課題を論じる。日米同盟をより強固なものにするための具体的な取り組みについて、対アジア政策から防衛政策、経済政策に至るまで幅広く提言する。

感想・レビュー・書評

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  •  豪華執筆陣による、富士山会合での議論を経た「日本版アーミテージ・ナイ報告書」。政策提言と、その前提であろう各人の論文からなり、アジア、サイバー、経済の専門家も入っている。そういう性質上、総花的と言えばそうで、やや端的過ぎるかという部分もあるが、さすがに極論はない。広い分野を一目で見渡すことができる。
     本書で、日米同盟がサイバーや経済分野にも及ぶことや、二国間で閉じるものではないことが示されている。日米+豪・印・韓の安保協力のみならず、日米協力に基づくその他の国や地域への対処も述べられている。中露に対しても、抑止のみならず関与の相手ともされている。
     本書中の、韓国政府の急速・一方的な南北関係改善には米国とも協力しつつブレーキをかける必要、マクマスター・谷内両氏の連携と信頼関係構築、ティラーソン氏が長官の国務省はおそらく従来とおおよそ同様の政策を継続、といった記述は、刊行後半年の現在見ると胸がざわつく。一方でトランプ政権発足後の同盟の難しさは随所で触れられているのだが、政治分野というより経済分野でそれがより濃い。経済分野の方で既にTPP不参加やパリ協定離脱といった従来と大きく異なる方針が明確に示されているからだろうか。

  • 東2法経図・開架 319.1A/Ta84t//K

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