- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532190699
作品紹介・あらすじ
自動車修理工から身を起こし、「世界のホンダ」を一代で築いた日本のビジネスヒーロー、本田宗一郎。彼が自らの前半生を回顧した「私の履歴書」を中心に、人間的魅力に満ちたその生涯をたどる。後半部には、彼が社内報等に寄せた文章をもとにまとめた「本田宗一郎語録」も収録。
感想・レビュー・書評
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名経営者も数々の困難で苦悩し、都度決断をしてきたことがよくわかる一冊。中でも大きな流れに流されずに自らの意志や社会にとって正しいこと、三つの喜びを前提としているところが著者の魅力であり、アプレと呼ばれようと意に介さず進む行動力は憧れを抱くほど。奥さんの怨み節が込められた回顧録がとてもよい。
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本田宗一郎、この名前は当然知ってはいるけど関連する書籍を読むのは初めてです。
とにかく、多くの名言の嵐。そしてそのどれもが現在にも通ずるものばかり。
技術者として仕事への没入具合は危機迫るものだったのだろう。
藤沢副社長をはじめ、本田宗一郎の周りを固める人々も大変魅力的だ。
また、そのような人達が周りに集まってくる本田宗一郎自身の魅力も相当なものだ。
頑固なワンマン社長のようだが、とにかく部下、若手を大切にしている。
61歳で引退という引き際もまた鮮やか。
完全な結果を世に残し亡くなった方の伝記というものは、とにかく面白い。
印象に残った言葉
・米国に進出する以上、その土地の人を使って、かの地から喜んでもらうようにすべきだ
・年寄りは自分達のやった事をよく反省し、現代に合致しているかどうかを考えた上でなければ若い人を批判する資格はない
・難関にぶつかった時こそ問題を注視して真正面からとらえる
・いかに写真が進歩しても絵画が尊ばれる所以は、絵に描いた人の独自の見方、個性が盛られているから
・誤った一生懸命は怠惰よりもかえって悪い
・もしも、ある程度の行き過ぎや過ちがあったとしてもそれが前向きな姿勢であり正しさを信じての行動であれば、それは「若気の至り」として許されるものだ
本田宗一郎関連の書籍をもっと読みたいと思った。あと、藤沢武夫さんの本も。 -
バキバキの技術者本田さんの「私の履歴書」
スーパーカブお世話になってます。
本書後半の本田宗一郎語録がいくつか心に刺さったので紹介します。
1. 現代の卓越した技術者は、優れた技術者であると同時に秀でた芸術家でなければならない。科学者の知恵と芸術家の感覚とを併せ持たなければならない。
→ 昨今はデザインシンキングとかも言われているように芸術面はまさにお客さんに関わるところだから技術者は技術だけ極めていけばいいは過去の話。
2. 能率とは、プライベートの生活をエンジョイするために時間を酷使することであるーと私は考えている。
→ 17時までみっちり働いて、さっさと帰る。
本田さんの考え方はグローバル標準みたいだ。
3. 僕は本を読むのが嫌いだ。(中略)その道の専門家に課題を出して聞いた方が早い。
→間すっぽかしちゃったけどおそらく技術的な専門書に頼るくらいなら聞く方が効率がいいという考え方。本田さんは技術屋だけど人との繋がりも大切にしてたんだなぁ。
4. 冗句のない人生は無味乾燥だ
→ 同意します
5. まず自分のために働け
→ 楽しそうな人を見てると楽しくなるのと同じ原理
つまり自分のために働いていれば回り回って会社や他の人のためになる。
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2021年2月25日読了。「浜松の発明家」、癖の強い町工場のおっさんが世界に驚きを与えるプロダクト・企業を作るまでの回顧録・発言集や彼のパートナー藤澤武夫の奮闘などの記録。父親の本棚の本をもらって読了。戦後の日本にはこんなギラギラした面白い人々がいっぱいいたんだろうなあ…と思わされる。芸者との乱痴気騒ぎなど今だったら一発アウトだろうが。自分はロックスターになることはできないが、ビジネスパーソンとして、彼らと同じフィールドで今もがんばっているんだ・と考えるとなんというか力が湧いてくる気もする。本田・藤澤の両名の笑顔の写真が本当にイイ顔で憧れる。
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本田宗一郎の魅力が十分に伝わる。自分を信じて、努力を惜しまないロマンチスト。それをサポートする実務家の藤沢武雄氏。一番感動したのは本当に親族を一切関与させなかったこと。誰でも子供はかわいいもので自分が作った会社に子供を入れたいと思う気持ちは自然だと思う。それをも自分の信念に妥協せず突っ張り通したのはすごい。二人で同時にやめるくだりはホロッとさせられる。
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殿堂入り。本田さん、藤澤さんの経営者、ビジネスマンとしての視点の高さ、長期でマーケット及び自社、社員を見つめることの重要さを改めて感じた。どうせ買うならこのようなDNAが流れるHONDAの車を買いたい。
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戦前、戦後を生きぬいた名経営者の「私の履歴書」を中心とした中身の濃い一冊。
戦後の日本企業の代表がHondaとSony。2000年代の代表的な企業、21世紀の代表的な
企業・人間でありたいと本当に思う。
イノベーションを促進するのは、技術でしかなく、技術が世の中に変革をもたらす。
本田氏は根っからの研究者であり、ものつくりの達人であった。
私は覚えるということより
どんどん進歩していくことを知り
人のやれないことをやりたくて仕方がないのです
退陣のあいさつより…
ホンダは、夢と若さを持ち、理論と時間とアイデアを尊重する会社だ。
特に若さとは
困難に立ち向かう意欲
枠にとらわれずに新しい価値を生む知恵
である。
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ホンダを創業された本田さんから人としても経営者としても大切なことを多く気づかされた一冊です。ホンダを大企業にした背景が描かれています。
「仕事の成功のカゲには99%の失敗が積み重ねられている」とあります。
私、半澤洋も今年40歳になります。振り返れば、30代もたくさんの失敗をしてきました。失敗から学んで次に活かすことを繰り返すことによって、「ふるさとグルメてらす」の事業を3万人規模のイベントにすることができました。これからの人生もたくさんの失敗をすると思います。本田さんのように失敗があったからこそ成功できたと思えるような人生にします。 -
日経の私の履歴書とその後の補足取材である。厳密には自伝といいがたいところもあるが、普通にはこれで十分であろう。戦後の日本を支えた財界人として鼻につく教訓も多いが、文章がこなれているので軽く読むにはちょうど良い。
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本田さんは、やりたいことを色々(車の修理、鋳物スポーク、ピストンリグ、プロペラ自動削り機、製塩、織機、バイク・車)とやった人の様である。
一生一つの仕事をやり続けるのではなく、やりたい仕事と言うのはその時々で変わっても良いのだと思えた。