歴史からの発想: 停滞と拘束からいかに脱するか

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532192167

感想・レビュー・書評

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  • 「歴史から学ぶ」ということの真の意味を理解させられた一冊。

    無数の歴史事例の中から本質を見抜く観察力、そしてそれを現代の人間心理に当てはめながら理解する応用力、さらにそこから導き出される今後の姿への説得力。
    「堺屋史観」の実力をまざまざと見せつけられました。

    この一冊を機に、私は堺屋氏の書籍を読み漁るようになりました。

  • 戦国時代を組織論的にみると面白い。
    こういう駆け引きとか権力闘争とか好きなんかね
    三成の自分の中での評判が上がった、し、ちょこちょこ「私の著作の~」とかあって、不覚にも読みたくなってしまった。

  • 停滞と拘束からいかに脱するか、についてはどんな提起がなされていたのか、あまり印象に残っていない。戦国時代の社会状況が詳しく述べられていたあたり、興味深かった。

  • 1980年代に資源・エネルギー枯渇問題が浮上し、高度経済成長後の停滞しそうな日本を前にして、歴史上の人物からその突破のカギを論じた一冊。織田信長の天才ぶりと、しかし成長することによってのみ内部の軋轢を封じ込めていた織田軍の顛末は、結局信長死後、一気に霧散したという面からして、結局は3分の1の英雄(秀吉、家康)であったと評価。また、武将を雑草人間と作物人間に分け、体制(耕作者)の言うこと聞いて伸びるか、リスクしょいまくりながら好き放題伸びるか、まさに我々を想起しながら読み進めました。もちろん後者ね(笑) たまたま実家で手にした1冊ですが、おもろい。

  • 小田原、北条攻めの説明が印象深かった。

    上杉謙信も関東遠征で、小田原城攻めを行っているが、堅固な包囲網の前に籠城戦が長期に渡ってしまい、兵糧不足などで結果として失敗・撤退することになる。

    その対比として豊臣秀吉が率いる20万前後の大軍勢で、再び小田原城攻めが行われるが、ご存じの通り北条氏を屈服させ、天下取りを実現する戦となった。

    戦術・個々の兵の強さでいえば上杉謙信の方が、秀吉に勝っていたと推察される。

    しかし謙信と秀吉の決定的な違いが簿記経理技術の発達と適用だという。主計官を置き、必要な物資・兵糧を前線へ供給する専門部隊を、秀吉が置いたこと。このことが長期籠城戦を可能にし、天下の名城である小田原城を陥落させることにつながる。

    金銭・兵糧・時間などなど、、、必要となる物資を効率的に適時に調達する上では正確に計測する力が求められる。

    冷静なリソース管理の上でこそ、無駄なく目標達成ができるという事例のひとつであると思う。

  • まあまあ面白かったが、読む前に期待していたほどの内容ではなかったな。史実からこれからの方向性を見極める智慧がもっとあるのかと思ったが、どちらかと言うと歴史の分析が主だったような気がする。信長が希代のリーダーであったことはわかった。秀吉の弟、秀長の存在が大切だったこともわかった、チンギス・ハンのこともわかった、それで今何が必要かというのが今ひとつ明確に提示されていない気がする。組織論については興味深い。

  • 歴史は人が紡ぐ物。未来なんて正確に予測できないが、不変なる人間性に立脚した観察、つまり「歴史は繰り返す」部分があることを認識し、そこに焦点をあてた良書。個人的にはスタッフの役割の考察はなるほどと思った。決してナンバー1を目指さず、主君の目的達成のために"What"ではなく"How"を追求する、その役割を自己規定し貫徹する覚悟、意識したい。

  • 2010年10月2日読了。義父から譲ってもらった本。

    歴史を題材に、現代の社会の停滞と拘束からいかに脱するかを学ぶ、というテーマの本。
    とはいえ、6年前の本だからか、現代社会への考察はどうにも今ひとつという感じ。

    自分があまり歴史に詳しくないせいもあって、
    ・騎馬隊の全力疾走攻撃というものは戦国時代にはなかった
    ・文化や経済よりも軍事を重くみたジンギス・カン
    ・織田信長の着眼点の特殊さ
    あたりを興味深く読んだ。

  • 080419(m 080424)

  • こういうのは読み返したい。
    如何に現代に置き換えられるか

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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