爽やかなる熱情: 電力王・松永安左エ門の生涯
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2004年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532192198
感想・レビュー・書評
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エネルギー関係のことにここ数年関わっている。先日神保町で『日本発送電社史』を手に入れたが、その逆の立場、つまり電力産業を自由化し競争させるという立場の人間の歴史。
松永は戦前戦後を通じた日本の電気産業の立役者。その活躍は目覚ましいものがあり、八十才を超えてなおその世界で現役だった。優れた実業家であり、破天荒である。激動の社会の趨勢を背景に新たな産業、ビジネスを次々開拓していくその人物史は、彼が産まれてから老いるまでどの時点を切っても、読者の心をつかむようなダイナミクスに満ちている。
余談だが、僕が卒業した高校は松永が寄付した土地に作られたもので、ささやかに彼の胸像が建っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非常に面白くてすごい人だという気がしますが、これまでExposureが少なかった気がするのはなぜでしょうか・・・。
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壱岐などを舞台とした作品です。
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”電力の鬼”と呼ばれた松永安左エ門の生涯をえがいた本。
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この水木楊という作家の書く伝記は非常に面白い。事実は小説よりも稀なりというが、電力王になるまでの、株投資、炭鉱事業、鉄道事業などいろいろ起こした事業の経緯というのは映画じゃないのかといわんばかりの波乱万丈ぶりだ。最近、日本では起業ブームなるものがおきているみたいであるが、きっとこの本を読めば経営判断やビジョン策定といった大局的な判断に役に立つし、結果を残すために必要な執念や忍耐がどれだけ重要かということも学べる。また、意外に昭和初期は経済がまだまだ自由というか柔軟性に富んだ時代であったことを想起させられる点も勉強になった。