最強ヘッジファンド LTCMの興亡 (日経ビジネス人文庫)

  • 日本経済新聞社 (2005年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784532193287

みんなの感想まとめ

金融の世界の奥深さとその魅力を描いた作品で、特に80年代のウォール街における最強ヘッジファンドの興亡がテーマです。数学者たちを起用したジョン・メリウェザーとその仲間たちの姿が、独特のマネジメントスタイ...

感想・レビュー・書評

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  • 『天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻』の文庫化?

  • ネアンデルタール人たちが跋扈する80年代のウォール街にて、場違いな数学者たちを起用して最強ファンドを作り上げたジョン・メリウェザーと愉快な仲間たちのお話。

    ルイス"ライアーズ・ポーカー"に登場するメリウェザーの別の側面も描かれる。

    博士号保持者を使いこなすジョンメリ式マネジメントが光る。

    ○あるとき、モーゲージの売買で損失を出したアンディというトレーダーが、投資額を倍にする承認を求めてきた。メリウェザーはごくあっさり、求められたものを与えた。「取引の内容について、もっと詳しく知りたくないんですか?」。アンディは尋ねた。メリウェザーが部下に寄せる信頼は、彼を感激させた。こう答えたのだ。「わたしの取引は、君を雇ったときに済んでいる」

  • 知れば知るほど、金融は奥が深くて面白い。この手の分野の本も大分理解できるようになってきた。天才集団がランダムウォークを受け入れられず崩壊して行く様が素晴らしい取材力で描かれている。

  • ■ジョン・メリウェザーは不思議な魅力を持つ男だったのだろう。幼いときからの様々なエピソードが表現されている。
    ■そのメリウェザーが、一部のオタク集団と学者を糾合してできたのがLTCM。
    ■LTCMが実績を挙げ始めると、傲慢さが現れ始める。でも、多くの投資銀行が群がった。名門金融機関であっても、幹部は殆ど金融商品を知らない。
    ■LTCMはメリウェザーの怪しい魅力と高名な学者、金融界の有名人がいるというブランド力で不思議にありがたい存在となる。
    ■元GSCEOのコーザインの生い立ちやGSの当時の雰囲気なども記載されていて、90年代の米国金融界のクロニクルとしても読める。

  • 成功を確信した人ほど、当たり前のことに気づかなくなる。
    そういう教育的な話とも見れるし、無茶苦茶なことでも「成功者」に違いないというやるせない話とも思える。

  • 「なぜ世界最高峰の頭脳を集めたヘッジファンドが失敗したのか?」という疑問をずっと抱いており、これを解決する為に本書を手に取った。

    ジョン・メリーウエザー(JM)及びそのパートナーたちのソロモン在籍時からLTCMの立ち上げ、ファンドの隆盛、そして破綻へという一連の出来事を(最後の解説にもあるように)さも小説を読んでいるような感覚で体験できる。
    また、パートナーたちの投資手法に関しても分かりやすく解説しているので、その分野にあまり詳しくない自分にも概ね理解することが出来た。

    LTCMが破綻の危機を迎え、このファンドの処理をどうすべきかを決定する為に大手金融機関の名立たるトップたちが一同に介し、お互いの利害関係を巡って紛糾し、最終的に合意に至るまでのやり取りは大変生々しく描かれており、その臨場感及び緊迫感がよく伝わってきた。

    そしてこのファンドの成否の鍵であるJMの人柄に関しても詳細に描かれており、一番初めに記載した疑問の解答の大部分を担っていた。
    もちろんテクニカル的な失敗に関しても描かれており、そこからも直接的な解答を得ることが出来た。

    LTCMを理解する上で必読な一冊であった。

  • 先輩に借りる。帰りの電車用。

  • 天才集団の成功と挫折が描かれてる。また金融危機の原因と呼ばれているゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン、メリルリンチ、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズなどの投資銀行が金融市場の崩壊を防ぐために協力し合い、世界を救う所は見所。

  • 原書ではWhen genius failed。天才たちは何故誤ったのか、というタイトルである。

    僕の仕事もファンドの運用なので、この本はなかなか興味深くかつ生臭い。この本を読んだ2007年当時、世間ではサブプライム問題が取り上げられ、さらに信用収縮が起こっているという報告もあって、遡ること1998年に起きたヘッジファンドの破綻の裏側を知らないでは済まないと思った。物語仕立ての本なので、あっと言う間に読める。当時の状況がいかに凄まじく、また、歴史は理論では起こり難いことがあっさりと起きてしまうことを示している。

    なぜここで「天才」という言葉が出て来るかと言うと、LTCMというのはいわゆる理論派、実務と学界の両方で名を馳せた人たちが運用していたファンドで、この本ではいかに彼らが失敗したか、という疑問に対し、その結果に至る様子が書かれている。理論というのは金融に限らずいろんな場面で使われているが、特に経済の分野だと、「詳細を捨象して一般化すること」が理論構築の鍵になっている。ということは、その捨象された部分に危険が潜む訳で、この本はそこに光を当てることで、その基本を鮮明に思い出させてくれる。

    詳しくは僕のブログで:http://d.hatena.ne.jp/ninja_hattorikun/20070825/1256431617

  • ■概略
    「金融界のドリームチーム」と言われたヘッジファンド、LTCMの成り立ちと栄光、そして転落までの道のりを詳細に描いた作品。

    ■感想
    こんなにも刺激的な本は久しぶりです。
    「ウォール街の帝王」ことソロモン・ブラザーズの看板たるジョン・メリウェザーの金融工学を駆使した天才的な戦略、学会の公式を市場に持ち込んだノーベル賞受賞者達、そして彼らを囲むウォール街の面々。
    ウォール街という強欲が渦巻く街を舞台に繰り広げられた天才たちの戦いを詳細に、かつ人間味溢れる文体で表しています。
    非常に示唆に富み、教訓になる物語です。

    ■一般的見解
    金融ジャーナリストである著者・ローウェンスタインの語り口に感銘を受けたという方が多かったようです。
    確かに、LTCMのただでさえドラマチックな物語を、緻密な取材による臨場感溢れる展開と読者を飽きさせない語り口で描いた著者には脱帽です。

    ■総括
    ヘッジファンドの物語なので当然、ある程度の金融の知識が必要です。
    (とはいっても、無くても読めなくはないですが)
    なので、ある程度金融に興味があり、かつ天才たちが犯した過ちの歴史を垣間見たいという方には是非読んでもらいたい一冊です。

  • 出版社 / 著者からの内容紹介

    最高の頭脳と完璧な戦略で快進撃を続けた史上最大のヘッジファンド、LTCMはなぜ躓いたのか。世界を震撼させた事件の謎と顛末を、名コラムニストが臨場感溢れる筆致で描いた話題作。全米ベストセラー。
    目次
    プロローグ
    第1部 躍進
     ジョン・メリウェザー
     ロングターム誕生
     連戦連勝
     投資家の皆様へ
     融資合戦
     ノーベル賞
    第2部 奈落へ
     ボラティリティ中央銀行
     買い手がいない!
     人間心理の罠
     FRBにて
    エピローグ―敗者復活
    解説 牧野洋

  • LTCM--Long-Term Capital Management
    かつてアメリカ合衆国コネチカット州に本部をおいて運用されていた最強ヘッジファンド。
    二人のノーベル場受賞者の研究とコンピュータ技術を基盤にして築かれ、これまでに例がないほど大掛かりに、学問上の理論を現実の世界へ適用した。
    結果としてこれは、市場が公式モデルでは説明できないという事例となった。(これは残念)

    ・歴史が好きな人
    ・金融の過去をよみ、未来を見据えたい人
    におすすめ

    ソロモン・ブラザーズからスピンアウトした社員の激動。
    いまのリーマン破綻に近い結末を迎えた。

    エンロンの破綻が貪欲によってもたらされたものなら、
    LTCMの崩壊は傲慢によるものだった。
     ↓
    「傲慢」は『頂はどこか?』の重要フレーズ!!
    傲慢な態度が人生をプラスにはしないことが書かれている。
     ↓
    歴史や業界の実話を、教訓として読む。
    ただの時間の浪費ではなく、時間の節約のために読む。
    その意味では本書は多くを示唆している。

  • サブプライムのひとつ前の金融危機の話。

  • 最高の頭脳と完璧な戦略で快進撃を続けた史上最大のヘッジファンド、LTCMはなぜ躓いたのか。1998年、ノーベル賞受賞者2人もいて130兆円運用し破綻した、大迷惑ファンド。金融商品の説明はけっこうよくわかった。アメリカの有名投資家とかバンカーがでてきます。

  • LTCMの内側を描いた作品。面白いです。学者が実は投資の世界ではかなり浮いた存在だったことや、理論に基づいた根拠なき自信が目に浮かびました。

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著者プロフィール

1951年生まれ。翻訳者。北海道大学文学部英文科卒業。英米の娯楽小説やノンフィクションを主として翻訳する。フェロー・アカデミー、のちにユニカレッジで翻訳講座を担当。訳書に、ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』、ピーター・マシーセン『黄泉の河にて』(以上作品社)、トム・ラックマン『最後の紙面』(日経文芸文庫)、マイケル・ルイス『世紀の空売り』(文春文庫)、ドン・ウィンズロウ『犬の力』(角川文庫)、『ストリート・キッズ』(創元推理文庫)、リチャード・ノース・パタースン『罪の段階』、デイヴ・バリー『ビッグ・トラブル』(以上新潮文庫)、ネルソン・マンデラ『自由への長い道』(NHK出版、第33回日本翻訳文化賞受賞)など。また「楡井浩一」名義で、エリック・シュローサー『ファストフードが世界を食いつくす』、ジャレド・ダイアモンド『文明崩壊』(以上草思社文庫)、ジョセフ・E・スティグリッツ『世界の99%を貧困にする経済』(共訳、徳間書店)、トル・ゴタス『なぜ人は走るのか』(筑摩書房)など。総計200冊以上の訳書を残し、2014年6月21日逝去。

「2018年 『ねみみにみみず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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