- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532194413
感想・レビュー・書評
-
サッカー、ラグビー、プロ野球……3つのスポーツを代表する名指導者3人が語り合う対談集(鼎談ではなく、2人ずつの対談を集めている)。
2003年刊だからもう20年前の本だが、いま読んでもわりと面白い。監督論だが、広義のリーダー論として読むことができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「岡田武史」、「平尾誠二」、「古田敦也」の三人がリレー形式で対談した内容を収録した『勝利のチームメイク』を読みました。
スポーツ関係の本は、5月に読んだ「大西一平」の『戦闘集団の人間学―勝つために個人は、組織は何をすべきか』以来ですね。
-----story-------------
共に日本代表監督経験を持つJリーグ現役監督と、ラグビー界の知性。
そして球界随一の頭脳派捕手が「勝てるチームの条件」を巡って持論を闘わせるリレー対談。
勝ち慣れた者だけが持つ「ここ一番」の強さの秘密が浮かび上がる。
-----------------------
サッカー、ラグビー、野球の各界において、競技を熟知し、勝つための戦い方を知っている三人が、それぞれの経験からチームを勝利に導くための持論を展開します… 異なる競技でも、勝つチームを作る条件って、意外と共通点もあることがわかりましたね。
以下の構成でリレー対談の模様が収録されていました。
・対談の前に 私が考える「勝利のチームメイク」
・チームメイクとは「選手の長所を利用させてもらう」こと 岡田武史
・チームワークは勝ったチームに「結果」として表れる 平尾誠二
・勝つために「戦略」を必要とする根拠 古田敦也
◆SESSION1 勝ち続けるチームは「考える伝統」を築く
古田敦也vs平尾誠二
PART1 「常勝軍団」と「万年2位」を分かつもの
PART2 連覇の条件「毎年チーム力2割アップ」
PART3 試合の流れを決めるのは一人ひとりの「理解力」
PART4 より強い敵に勝つために定石を破る
PART5 選手の海外流出は世界との差が縮まった証
◆SESSION2 「経験」こそチーム力の源泉
平尾誠二vs岡田武史
PART1 「最悪の結果」から得た教訓
PART2 監督ほど孤独な職業はない
PART3 戦術は絶対ではない。常に試合の流れを読み決断する
PART4 勝つために「日本人らしさ」の長所と短所を把握する
PART5 究極の代表チーム強化策
◆SESSION3 プロスポーツのチームメイク
岡田武史vs古田敦也
PART1 プレッシャーに克つメンタルタフネス
PART2 今いる駒でどう勝つか
PART3 プロスポーツにおける「いい監督」の条件
PART4 世界と勝負するために最新トレンドを取り入れる
PART5 日本に「プロスポーツ」を確立させるために
PART6 覇者を目指して新たな区切りの年に
対談自体は2003年に行われたので、情報や周辺環境はやや古いものの、勝つためのチーム作りについては、今も変わらないなぁ… と思いますね。
色々と印象に残る発言がありましたが、特に印象に残ったのは、、、
「平尾誠二」の「スポーツの意義は、できなかったことが、できるようになること。」
「岡田武史」の「人間って弱いものだから、誰だって皆にいい人だと思われたいじゃない。でも、監督はそれをやったら終わりだよ。誰にでもいい顔をしていたら、結果が伴わなくなってくる。本当に、時には非情にならないといけない。」
の二つ… いずれも競技によらず共通して言えることだし、前者はスポーツの良さを再認識でき、後者はビジネスにおいても役立てることのできる言葉でした。
そして、サッカー、ラグビーと比較して、移籍の自由が制限されている、旧態依然としたプロ野球の仕組みについて、疑問を感じましたね。
今後、プロ野球を発展させていくためには改善すべき問題だと思います。 -
目新しさはなかったかな…
-
古田さん(野球)×岡田さん(サッカー)×平尾さん(ラグビー)という、スポーツ界のトップリーダーの対談。
■いいなぁと思った言葉。
・若い投手に主張させる事によって責任を負わせ、自発的な考えを促す
・チーム全体が全体の意図を理解していれば、ミスを防げる
・人間的に好きかどうかではなく、どこかで認め合っている関係が必要
■自分の仕事を振り返った時、感じた事。
・スポーツは「勝つ」という事が目的である事が自明だが、会社内のチームでは共通の目的を持つ事が自体がむずかしい
→「金を稼ぐ」でも「社会貢献」でも何でも良いからやはりチームとしての大義が必要
・スポーツではプレーヤーの中に階層構造がなく、新人もベテランもやるべき事が同じだが、ビジネスにおいては例えば設計・製造・テスト・管理と複雑なチームを、立場の違う様々な人で構成する事となるため、よりチームメイクは難しい
→外注(下請け)ではなく、同じ会社の人間でチーム構成する方が結果として品質・コスト共に有利になるのではないか。 -
読みかけ