- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532195038
作品紹介・あらすじ
「マネジメントの発明者」が語るわが人生と経営の原点。波瀾万丈の人生とマネジメント秘話。
感想・レビュー・書評
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ピーター・F・ドラッカー(1909~2005年)は、ウィーン生まれのユダヤ系オーストリア人の経営学者。英国を経て米国へ移住し、後年は米国で活躍した。ニューヨーク大学やクレアモント大学などで講義をする傍ら、ゼネラル・エレクトリック(GE)、IBMなどの経営にコンサルタントとして関わり、欧米の企業経営者の信奉を集めた。
日本では、もともと上田惇生(元・ドラッカー学会会長)氏の一連の翻訳を通して、数多くの企業経営者、幅広いビジネスマンから支持をされていたが、2009年に同氏の組織管理論をベースにした小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の爆発的なヒットで、若い世代にも有名になった。
本書は、日本経済新聞の名物連載「私の履歴書」に2005年2月に連載されたものをベースに、同年に出版された『ドラッカー 二十世紀を生きて』を、2009年に文庫化したものである。
ドラッカーは「マネジメント」の発明者、「経営学の父」などとも呼ばれるが、なぜドラッカーがそうなり得たかについて、本書で面白いエピソードが語られている。というのは、ドラッカーは20歳代の後半に、ナチスの影響力が日増しに強まるウィーンからロンドンに移り、優秀なマーチャントバンカーとして認められるようになるのだが、仕事の傍らでケンブリッジ大学に通い、ジョン・メイナード・ケインズの講義を受けた際に、ケインズら経済学者が商品の動きばかり注目しているのに対して、自分は人間や社会に関心を持っていることに気付いた、と述懐しているのだ。まさに、これがドラッカーの最大の強みとなり、それまで誰も気付かなかった「マネジメント」という概念を、ひとつのシステムとして作り上げることができたと言えるのだろう。
本書は、日経新聞の連載をベースにしているため、本書がいわゆる原書であり、同じ内容の英語版は存在しないという点でも、価値ある一冊である。
それにしても、ドラッカーがもう少し長生きして、『もしドラ』の大ヒットを目にしていたら、何と語ったであろうか。。。
(2010年1月了)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドラッカーのことはみなさんご存知かと思いますし、
何冊も本を読まれた方も多いでしょう。
ドラッカーを時系列的に学ぶのであれば、この本は凄く時代背景も理解できますし、わかりやすく良い本だと思います。
歴史的な著名な経済学者、心理学者に囲まれた幼少期。
並々ならぬ家柄なのだったとわかりますね。
そしてヒトラーへのインタビューなど、遠い過去の歴史が目の前に迫ってくるようで、なかなかその実際の内容に迫力もありますね。。 -
1.この本をひと言でまとめると
波乱万丈、でも運のいい人生
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・基本は文筆家
⇒著書での文章が格調高く(悪く言えば回りくどく)書かれているのはライターとしての経験が影響しているのかと納得。
・肌にあわない管理業務(p164)
⇒マネジメントの父といわれているのに管理業務が嫌いなのは意外。
・アメリカへの移住
⇒当てもなく、景気の悪い国へわざわざ行くのは新しいもの好きにしても、かなりの挑戦と感じる
・わが人生に引退なし
⇒90歳を超えても元気に仕事を続けたい。予定管理をすべて自分で行っていたのもすごい。
3.突っ込みどころ
・ハーバードの誘いを断ったのは単なる自慢か?
・ドラッカーの思想についてはあまり書かれていない。
4.自分語り
・私の履歴書の連載をまとめたものなので、全体量としては少ないが、ドラッカーの人生を理解するには十分。ただちょっと物足りない感じがした。 -
3ヶ月に一個新しいことを(テーマ)を決めて学ぶことを実践したい。
知的好奇心が大きく、学びに貪欲な知の巨人 -
私の履歴書のまとめ本。ドラッカーさんの交友関係や育った環境などがよくわかる。
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経営学の世界では必ずでてくる有名人、ドラッカーさん。
彼の自伝です。
アメリカ人かと思ってましたら、オーストリア出身とは驚きでした。
人と組織を大事に考え、知的労働の重要性を製造業全盛の時代から予見されていた方。
世に出る有名人の共通点として、人生経験が多様であると思いました。
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ドラッカーご自身が日本のコラムのために生涯を振り返った初の正式な自伝をまとめ、解説を加えた本。英訳はまだなく日本語のこの本しかないという大変貴重でありがたい一冊らしい。
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メモ
利益を×
顧客を作る -
マネジメントの発明者と言われているドラッカーの自伝。
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かのピーター・F・ドラッカーの「私の履歴書」の再録。意外にも自伝はほかに著されていないということでそこも新鮮だったんだけど、記事をまとめた記者の回顧録が随所に入っている点で読んでいる方にもその情景が浮かぶ感じがあって興味深い。この人は結果的に大学教授をやっているけど、今の大学教授とかとは違った経緯でなっているし、それなりに現場もわかっている人だったことをしれたのがまた違った麺で興味深かった。日本画云々の話は正直どうでも良かったですが(苦笑)