ユニクロvsしまむら

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532195168

作品紹介・あらすじ

かたや単品大量販売のSPA(製造小売)、かたや多品種少量の仕入れ型-。我が国流通業で圧倒的な勝ち組として君臨するユニクロ、しまむらの経営を徹底比較。流通コンサルタントが綿密な取材をもとに、両社の対極的な経営スタイル、成長戦略を分析、日本発小売りスタンダードの魅力に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • アパレルのビジネスモデルとして近年取り上げられる2社を比較するようにみせているが、全く仕様が違うため、比較というよりもそれぞれを検証する内容。
    たくさん売って、出費を減らす。このどちらに力を入れているかが2社の特徴で、その両方をとれるのがプライベートブランドになる。
    ただ、両者ともによく知られた経営者しか見えず、会社を構成している人が見えない。見える必要もないし、大企業はどこもそうなのかもしれないけど、大量生産、大量販売、大量消費になればなるほど、作り手の顔も着ている人の顔もぼんやりとしか見えてこない。
    もちろん、他のアパレルも同様のビジネスを展開するのが増えていることは認識しているし、ビジネスととして成功していることは素晴らしいと思うし、提供しているもの、受け入れられていることも否定もしない。
    がしかし、世界のいろいろな地域の色とりどりの民族衣装がその風土や積み重ねた歴史から生まれた機能服なのであれば、この2社の作る服は、今の日本を表現する民族衣装のようなものなのだろうと思うと少し寂しい。(現状非日常的になってしまった和服礼賛ではないけど)
    たかがファッション、されどファッション。大好きだからこそ作る人、紹介する人、売る人、買う人の顔がわかる、ビジネスとは別にそんな世界が少しでも残って欲しいと強く思う。

  • アパレルについて2社を通して知りたくて読書。

    何かと話題になりがちなユニクロと一見すると地味な印象を持ってりうしまむらについて書かれている。しまむらの売上高に驚いた。考えてみると帰省先の近くにしまむらがあるが行った記憶がない。今度行ってみようと思う(楽しみ)。

    本書を読んでから柳井さんの『一勝九敗』を読んでみると違う気づきがあるかもしれない。

    成長しないと死んだもの同じという言葉に柳井さんの経営への姿勢が感じられる。FC化をあまり進めていないことは初めて知った。

    両社に共通する点は、バブル崩壊後の消費不況で成長してこと。そして、ユニクロに関して個人的な記憶で書くと安かろう悪かろう的なイメージがあった。しかし、現在は、品質、機能など付加価値で勝しているようだ。

    両社の動向は今後も注目である。ユクニロは後継者育成にも興味津々である。

    大連の狭いエリアにユニクロ、H&M、ZARAなどが集結して連日お客さんで賑わっている。欧米系は新表品のリリースの早さ。ユニクロは日本の高い品質管理と日本的接客サービスを武器にしているらしい。世界的なファストファッションの戦略についてもっと知りたくなった。

    読書時間:約1時間15分

    本書はお借りしたものです。有り難うございます。

  • ビジネスに興味がある人には本当にオススメできる本。ユニクロ、しまむら両者の経営戦略が詳しく分かると同時に、アパレル業界の全体像についても理解できる。

  • ≪内容≫
    日本のアパレル小売業界の両雄である『しまむら』と『ユニクロ』。商品政策から人材開発に至るまで、両社の発想と手法を比較分析し、次代に求められる日本の流通業の在り方を再考する。

    ≪感想≫
    十人一色のコモディティMDから一人十色のライフスタイルMDへ。以前から言われているキーワードであるが、こういう販売戦略で成功を収めている好例が無印良品やユニクロであり、それらの優れた企業がどのように組織され、どのように動いているのかを知れる点で非常に興味深い内容だった。特に、ライフスタイルの提案と、それに対する共感としての買い物というのは、消費を売り手が率先して創造していかなければならない小売業全般にとってこの先ますます重要になってくるだろう。

    2006年に発刊され、情報は少々古くはなっているが、文庫化されるにあたり、その後の両社の動きをまとめた章が加筆されている。特に日本の経営者として今最も注目を集めているファーストリテイリング社の柳井正氏の「2020年にグループ売り上げ5兆円を目指す」という経営ビジョンには今後も目が離せない。

  • タイトル通り,ユニクロとしまむらを題材にその成功の背景を描いたもの.

    あんまり意識してなかったんだけど,こうも違うのかと改めて感じ興味深かったです.
    でもまぁ,また,読むか?と聞かれれば読まないかなと思ったので,評価は真ん中ということで

  • とある田舎の町に「しまむら」がやってきたら、既存の衣料品店はどうすればよいのか。対策の為にはまず企業を知ることからと思い手を取った。
    この本は、消費低迷の不況の中アパレル小売業界で成長を続ける「ユニクロ」「しまむら」の経営、戦略を対比しながら読み明かす。

    しまむらは2006年までの10年間で600店舗も新規出店を行っているが、閉鎖したのがわずか7店舗か・・・。立地選定、店舗開発における精度が突出して高く、失敗しないしない出店の仕組みが確立されていると。

    それと、世界制覇を目指す「ユニクロ」柳井氏の飽くなき向上心には驚くばかりだ。
    2010/6/21(70-34)

  • ■概要
    ワタクシの好きな、しまむらとユニクロを比較・研究した本です。文庫で売っていたので読みやすそうだな、と手に取りました。

    06年の本なので、ユニクロについては少し情報が古いところもありますが、しまむらとユニクロという2つの超優良企業を比較した上で、強さの秘密を探る本です。

    面白いことに、ユニクロとしまむらというのは、それぞれ本当に異なる戦略をとっていて、そこを比較しながら読み進めていくととても面白いですね。

    ■仕事に役立つ
    某演習でそのままネタにつかえる、ということはありますが、すぐれた企業はどのような仕組みで動いているのか、ということを考えるのに非常に役に立ちますね。

    ベストプラクティス分析という手法(すぐれた企業の研究、比較から自社に足りない点や、今後の方向性を探る手法)、がありますが、来年度、また、この先、どのような会社にしていこうか、また、チームにしていこうか、どのような戦略でいくのか、といった点を考える際にとても有効だと思いました。
    (はっせー)

  • デカく張るユニクロと堅実堅調なしまむらの対比構造。わかりやすいユニクロはともかく、しまむらの物流への食い込み方、徹底的なコスト削減の話は面白く、分量は足りないが興味は深まる。データはそこそこ載ってる方だが、感情的に持論を展開する筆者の論調が恣意的で好みではない。他の人のしまむら本を加えて読みたい。

  • ユニクロとしまむらの経営戦略を対比していくお話。ブレない軸がやっぱり大事なんだなぁって。しまむらが10倍カッコよく見えるようになる本。

  • 2006年出版 10年前のユニクロとしまむらを描いた著書。
    10年後の現在、両社の業績は全く違う考えの下に、思惑通りに推移している。
    特にユニクロは、この時から柳井会長が1兆円企業を目指す、と言っていて実際に2014年に達成をしている。
    また現在、盛んに叫ばれているIoTの概念を当時から予測していたのは本当に先見の明を持っていると感じました。
    先を読んで、戦略を立てる。
    経営の原理原則を最も真摯に実行しているから今の姿があるのだと感心しました。

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