- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532195250
感想・レビュー・書評
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すごく面白い。
私の読んだ中でひとつのカテゴリーにすると
加藤廣さん、童門冬二さん、竹村公太郎さん、出口治明さんと一緒になります。
学力的にエリートで、公務員とか大きい会社で働き、でも歴史が大好きなものだから、退職してあるいは本職をしながら、歴史の本を出しちゃった人たち。
だから仕事の経験も歴史の考察に結びついていくし、大学教授や研究者みたいな人たちとはちょっとちがって、親しみやすい感じもあります。
こういうオジサマたちのお話大好き♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まさに官僚の王道をいく人物。知力、企画力、構想力、そして実行力を有する官僚が大量生産できる国になれば良いのに。戦国、江戸の歴史に主に触れているが、やはりモンゴル、チンギスハーン、ペーパーマネーのくだりをもっと突っ込んで勉強したい。13世紀のモンゴルと21世紀のアメリカの類似性を指摘するのは著者のオリジナルなのだろうか。ペーパーマネーの限界は80年で1971ニクソンショックから80年の2051あたりか。
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途中から俄然面白くなりました。
3章の歴史を練る、本能寺の変についての記述のあたりから。。
初めて堺屋さんの本を読みましたが、ご本人の歴史の見方、語りにぐいぐい引きつけられました。
これからの社会がどうなっていくかは、多くの人が気になるテーマ。
自分自身の予測を磨くために、知識を持ち、そして自分の感性を磨かなくては。 -
歴史の中にどういう学びがあるかを教えてくれる本。総論賛成で各論で反対というのはよくあるが、それは結局総論でも賛成していないのと同じである。人を動かすときには大義を掲げる必要がある。ただし、人が動くのは大義があるからではない。人は利害と恐怖でしか動かないが、大義のために動いていると人は信じたがるロマンがあるため、これを前面に掲げる。話を通すときは、下にまず通したほうがよい。尊王攘夷については、当時の客観的な状況からも日本は外国から学ぶ必要はあると感じていたが、それを外国から言われたくないという感情が強く、尊王攘夷が強まっていった。世論は実現可能性を考えない。その後の生麦事件、薩英戦争での大敗を経て、イデオロギーではなく、産業として強化しなければならないことを理解した。
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たまに読んでる。『徳川家康が成功した原因の第一はビジョンの明確さである。・・・。つまり、「下克上の競争社会を終わらせて、平和で安定した封建社会をつくろう」という旗印である』<抜粋>。私だったら”風林火山”を旗印にする。ビジョンではなく戦うこと自体が多分?好きなんだと思う。戦った先に目的がない。ともあれ、他の戦国大名と家康の違いはまさに、そこだ!と指摘する。この本を読む度に自省します。
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以前の仕事で著者の堺屋太一さんが話に出てきて、興味を持って読んでみた一冊。歴史に学べることは多くあると思うけど、他の人たちがどう活かしているのか興味深く読むことができました。日本はまだまだ国家レベルでも地域のレベルでも問題は山積みだけれど、どっちに向かうべきだという方向性は少しずつ見えてきている気もする。目の前にあることを俯瞰して、完全な正解でなくとも「こっちかな」という方向に進んで適宜軌道修正していけば、今いるところよりは近づける。そんな気はした一冊でした。
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要再読
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本当に目的を実現するためには、入りにくくとも「出口のある入口」に入らないとならない。
石田光成が徳川家康に対抗できたのは、大いなる企てによる。ここに人の力を集めるプロジェクトマネジメントのヒントがある -
橋下さんの登場でいま盛り上がっている維新の会のブレインといわれている堺屋さんが説く歴史の使い方。
歴史は人間が作り、その人間の本質が変わらない以上、形は変われど、本質的には同じようなことを繰り返す。ゆえ、先人の成功例・失敗例が実は今を生きる我々にも十分通じるノウハウとなる。
具体例として、豊臣政権下で事務次官的な位置にいた石田三成が大臣に相当する徳川家康に対抗する手法を堺屋さん自ら、経産省時代に行い、万博開催にこぎつけている。
この本は知識としての歴史を実用化する手法が説明されており、非常に参考になった。ただ、それぞれの歴史の本質をどのように引き出すのかという視点の記述が少なく感じた。自分なりに考えとしては、歴史の主人公になり切って考えることだと思う。つまり、石田三成なら三成をとりまく当時の状況を踏まえ、何をしたいのか、その為にどうするのか?と考えているはずなので、それを歴史とセットで推理する。すると問題の本質が見出せる。いわば歴史の境遇マーケティングであり、インサイト発掘である。
これらの視点を持ち、今後ともさまざまな歴史に接してみたい。
著者プロフィール
堺屋太一の作品





