アメーバ経営: ひとりひとりの社員が主役
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2010年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532195571
作品紹介・あらすじ
大きくなった組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分けて独立採算することで、現場の社員ひとりひとりが採算を考え、自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現する-。会計の常識を覆す、独創的経営管理の発想と仕組みを初めて明かした「門外不出の書」、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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先日お亡くなりになった稲盛和夫さんの著書。ちょうどお亡くなりになった日から読む順番が来たことに縁を感じました。
副題にもあるように「ひとりひとりの社員が主役」ということで、組織を細分化し、独立採算制にするメリットと注意点が記されています。
現在では多くの企業で取り入れられ、私が所属する病院の各部署も同様の手法でマネジメントしているという事実に稲盛さんの偉大さを感じました。
慎んでご冥福をお祈りいたします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメーバ経営の仕組みについて一定の理解は得られたが、感想としては「こんなこと真似してできることじゃないよなあ」でした。人のこころをベースにした経営管理システムと表現されている通り、優秀なリーダーが大きな権限と責任を行使することがシステムを成立させる前提にあるように感じます。
ただ、アメーバ経営自体が単なる高収益を上げる仕組みではなく人材育成システムの側面も強いことを鑑みると、原理原則をベースにできることからシステム化していくことが実現のポイントなのかもしれません。 -
管理会計の理解が深まった。
"時間当たり採算"の考え方って大事なのに後回しにされがちかも・・・!
工数管理もしっかりする。 -
経営者視点でこの本を読んだ
感想を一言で言うと、『良くも悪くも昭和の日本企業ver.2』だ。
アメーバ経営は、ワンピースで言えば白髭海賊団と言う全体のボスに対し、その内部でエースやマルコが独立した海賊団として行動しているようなものだと言える。
昭和の日本企業という感想が出た理由については、『企業』という組織に対し帰属意識がある事がこの本の前提になっているからだ。現代社会では企業組織への帰属意識は薄れており、転職が盛んになっている。しかしこの点は、GAFAの経営などから分かる通り、『企業』ではなく『ミッション』を中心に考えると解決できる。
また、『昭和の日本企業』の評価できる点として、『金銭面』が挙げられる。『金』という物を行動基準のサブタイトルとして添える事でモチベーションを上げる面が語られている。
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アメーバ経営を端的に纏めた一冊。
稲盛氏がどういう意図でアメーバ経営を進めたのか、いかに進めたのかが説明されている。
時間当たり採算制度を取り入れる事でなぜ社員全員が経営者視点で思考できるか理論立って説明されていた。細かい説明までは無いが、大枠のコンセプトは理解できる。 -
オリジナルにして完成版、の「アメーバ経営指南書」です。「稲盛流、経営の極意の書」と言えるはずです。
最近は、「フィロソフィ」の側面に焦点が当たることが多いですが、稲盛流の起点はアメーバ経営の方だと感じます。
会社の中にいくつもの小さな責任単位をつくり、そこでリーダーが経営者となって動いていく組織。どこの誰でもそれは理想であるというはずです。
何もないところからここまでたどり着くことができる。そのことに驚嘆します。そして、成功してきた、という事実。
モノスゴイ日本人、の一人が書いた、モノスゴイ一冊。文庫本価格で買えてしまうのが嘘のようです。 -
日本を代表する経営者である稲盛和夫の一冊。
どちらかというと彼の考え方を知りたかったところだったので、それには適した本ではなかったが、京セラでの経営方法は知ることができた。現在はあまりピンと来なかったが、また経営するときに再読したいと思う。 -
偉い人なんだろうけど本としてはあまりピンとこなかった。京セラ創業当時の苦労や組織を小さく分けるところまではおもしろく読めたが、アメーバ間で売買したり利他の心が大切などというのは理想はわかるが実際どうなのと疑問だらけだった。
製造や営業は儲けを定義できるのはわかったが設計や総務はどう定義してたんだろ。
あと各部署はアメーバで管理するとして、経営者自身はその数字を使ってどんな特別なことができたんだろ。