東大講義録文明を解く 2

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532195656

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本が刊行されて12年が経つ2022年12学校読了。全く古びていないことに驚き。日本の進化のなさにがっかり。自分にも社会の構成員のひとりとして責任あるのか、考えさせられる。

  • 氏の言うとおり、近代工業社会から知化社会への移行は必然の流れのように思える。
    多くの分野でファッション化が進んでおり、従来の大量生産だけでは十分ではなくなっている。 

    こうした状況から、いつまでも「ものづくり日本」とか「匠の技」とかマスコミで持ち上げている状況は非常に良くないと思います。 過去の成功体験から抜け出せない状況が続いており、そろそろ本気で皆次の一歩を考えるべき。
    こうした観点から氏の指摘するゾーニング等は直接経済に影響しそうにないものの重要なポイントと考える。

  • 知価革命。
    次に来るのは国境や国籍、身分をも越える「好縁社会」であり、時間産業(小説、映画、テレビ、観光旅行、スポーツ、医療、介護、生命、自動車保険、職場清掃、代行業、損害保険、事務アウトソーシング)や知識産業(学校、学習本、個人レッスン、知識、ノウハウなど知識情報、企業研修、技能訓練、企業情報、技術開発)が伸びるという。

    個人的には、それで日本国の経済をまかなっていくことができるのか、と思う。人口減少社会で日本が世界に対して存在感を発揮していくためには、クリエイティブなことを、人々に経験や体験を提供できるものを創っていかなければいけないと思う。それがどれほどの経済効果を発揮することができるのかというのはまだ全然わからない。

  • 堺屋さんは「知価革命」とか「規格大量生産型社会」など新しい言葉を創出しているが、本書では職縁社会の次の社会=「好縁社会」について学んだ。

    「好縁社会は第一義的に「情報」で生まれる「情報共同体」であり、」好みを全うする「消費共同体」であり、」主観的欲求を満たす「楽しみ共同体」です。これらが世の中の主要要素になると非常に違った社会が生まれるでしょう」(p209)。

    また、「日本を復活させる唯一の道」は「官僚制後の改革」とのこと(p250-252)。
    脱官僚を標榜して政権交代した現状を鑑みると、この改革は容易ではない。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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