- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532196448
感想・レビュー・書評
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セブン-イレブンの全てを書いた本だ。創業者であり現代表取締役会長でもある鈴木敏文氏のこの”会社に対する想い”、セブンが今日の地位を築くまでの”苦労・進化の歴史”・・・この両方をたどることで、セブン-イレブンの哲学と業界ナンバーワンたらしめる強みに迫っている。
この本の魅力は、一冊で、おおよそセブン-イレブン・・・いやコンビニ業界・・・いや小売業のことが理解できてしまう、という点にあるだろう。なぜなら、小売り業の最先端を突っ走っていると言っても過言ではない業界でナンバーワンをはるセブン-イレブンの強みを知ることは、小売業における一つの理想像を知ることにもつながるからだ。セブン-イレブン関連の本はたくさん出ているが、我々一般人がセブン-イレブンを適度に理解するにはこれ一冊あれば十分な内容だ。
常にイノベーションを追い求めるセブンの姿勢は、POSシステム導入にはじまり、ふっくらしたおにぎりの開発、商品棚の改善、店舗の24時間化など、挙げれば枚挙に暇がない
最初に、本屋で見かけて「少しくらいは何か役立つことが載っているかな」と何とはなしに手にとった本だったが、良い意味で大きく期待を裏切ってくれた本だ。
なお、できれば「個を動かす ~新浪剛史、ローソン作り直しの10年~」と合わせて読むことをオススメしたい。こちらは、新浪剛史氏率いるローソンについての本だが、業界一位のセブン-イレブンとローソン・・・この両社の視点から見ると、面白さが更に際立つこと間違いない。
(書評全文はこちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2012/12/blog-post_29.html)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
規模の大きさを活かした革新が注目されがちだけど、"愚直"がキーワードなんだなあ。
単なる標準化にとどまらない変化を追い求めるのは、トヨタみたい。 -
日経新聞で流通担当をしていた記者の著作。セブンイレブンジャパンの初期から、隆盛誇る現在までの様々な施策を当時の人物からの取材を中心に丁寧に記録している。
日本にはコンビニが多く存在する現在ではあるが、個人的にもセブンイレブンの商品のクオリティ、種類の豊富さ(欠品の少なさ)は他よりも群を抜いていると思う。それを支えているのは、本部が主導する消費者目線からの商品、流通、会社の仕組みなどあらゆる領域の徹底した研究、革新と、アウトソーシング、フランチャイズ、資本政策など理由を明確にしたビジネスモデルへのこだわりであると思う。
全くの新興勢力が、大手スーパーの傘下で、かつ様々なベンダーとビジネスをしていく上では、情に流されたり、トップのメンツのための曖昧な妥協策も起りそうなものだが、徹底してお客様のためかどうか、経営効率を維持できるかという視点で判断しておりぶれない。セブン銀行のATMの成功も、海千山千の金融業界を相手に交渉して勝ち取ったが、その中でも決して圧力にまけず、「お客様に近い」自社の強みを武器に戦っていた。
そしてPOSシステムとバーコード。何をやらなければいけないかと明確にしてそれをあきらめずに他社を巻き込んでいく。そしてそれをWIN-WINとなるように仕組みを作っていく。世の中のできることだけに反応している会社が多い中、セブンイレブンの一番の強さの象徴だと思う。
現在の自分の会社や職場で、このような日々の顧客目線からの革新が行われているか、もっといえば検討しているか、そう考えるとまだまだまだまだ不足していると感じた。 -
タイトル通りセブン・イレブンの革新が今もなお続いていることがわかる一冊。
本部と加盟店を並列で対等な関係で、共存共栄を原則として、それを前提に利害を調整していることに感心した。
もちろん完全に対等な状態は作れないものの、一歩先まで考慮に入れての対等関係を説いた鈴木敏文氏の経営手腕には学べることが多かった印象。 -
偏ってはいるのだろうけど、わかりやすい
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セブンイレブンのたゆまぬ努力と、確固とした企業理念、フランチャイズ経営者との対等に接する姿勢は素晴らしい。
だからこそ、業界トップなのだと思う。 -
日本最大のチェーン店7-11に関する書。
7-11の強みは、常に変化を求めるその姿勢であるが
この本を読むとよく分かる。
合わせて、例外は、例外されないその他のFC加盟店への
差別につながると、例外を廃した姿勢は、
一見冷酷にも思えるが、本部・加盟店の共存共栄を
目指すからには、避けては通れない選択だったのだと思う。