池上彰のやさしい経済学 1

著者 :
制作 : テレビ東京報道局 
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532197100

作品紹介・あらすじ

「お金はなぜお金なのか」「見えざる手によって導かれる経済とは」-むずかしいと思われがちな経済学を、日常生活の視点から眺め、基礎の基礎から解説しました。この1冊で最新ニュースも驚くほど理解が深まります。実際の大学講義を、ライブ感そのままに編集した、大好評単行本を文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 分かりやすさ安定の池上彰。
    経済学1です。

    経済とは、貨幣とは、アダム・スミス、マルクス主義、ケインズ、フリードマン、貿易、TPPの説明。
    10年前の本なので、経済についてざっくり知りたいなと思い読みました。

    収入と所得の違いや、ウルグアイ・ラウンドでの米の自由化による問題。
    日本の農業を守るため輸入米に高い関税をかけているが、罰として年間77万トンも輸入して余っているという事態をお恥ずかしながら初めて知りました。
    おせんべい、買ったら表記を見てみよう。

    経済を回していくためにフリードマンの自由主義的な考え方に、なるほどと思う点もあれば、個人的に社会保障制度がなくなったら困るなぁとか、普段ならあって当たり前と思っていた事を考えるきっかけになりました。

  • もう本当にわかりやすい一冊。
    わかりやすい=簡単ということではないです。
    ハイレベルな内容が、とことんわかりやすく、関心を高める仕方で解説されています。
    特にアダム・スミスについての話が驚きでした。
    学校では「重商主義を批判」と学びますが、それってこういうことだったのか!と目から鱗。
    蓄財が金持ちの証だった時代に、今の時代では当たり前のサービスや消耗品の貿易が国を富ませると予想できるなんて、天才だったんだなと思いました。学校でもこんな風に教えてくれたらアダム・スミスについて丸暗記ではなく、もっと興味を持って学べたのになぁ。
    そしてコロナを経験した日本では新自由主義からの脱却についても議論されていますが、フリードマンの新自由主義についての解説も本当にわかりやすい。
    高校生から大人まですべての人が読んだほうがいいです。

  • 本当に分かりやすい!!
    経済学の授業取ってた時にちゃんと読みたかった…。経済学自体の説明もそうだけど、池上さんの「伝える表現」とか「説明の仕方」が工夫されてるからこそ、やさしく理解できるんだろうなと思う。

  • 近代経済学の基礎についてわかりやすく学べる本。
    学んだことを以下にメモ。

    〇世界に大きな影響を与えた4人の経済学者

    1.アダムスミス
    ・近代経済学の父 『国富論』
    ・金や銀など貴金属を重要視する「重商主義」を批判し、
     輸入により消費財を国内に入れることが重要と主張
    ・生産性を高めるための分業を提案
    ・市場の自動調整機能「見えざる手」

    2.マルクス
    ・社会主義の父『資本論』
    ・「労働価値説」-労働により生まれる価値の一部しか資本家は還元していない
    ・資本家による搾取は格差の拡大に繋がり、不満を持った労働者が革命を起こし資本主義が破綻する!
    ・社会主義国家の誕生(レーニン、毛沢東)
     ⇒計画経済では競争がなく崩壊

    3.ケインズ
    ・資本主義を補う政策を提案『雇用、利子および貨幣の一般理論』
    ・赤字国債による公共事業⇒ニューディール政策
    ・累進課税、金利政策
    ・自動安定化装置「ビルトインスタビライザー」

    4.フリードマン
    ・新自由主義の旗手
    ・保護政策は不要と主張⇒サッチャー、レーガン
    ・社会保障、関税、免許制、、、は要らないと主張


    〇自由貿易促進の取り組み
    GATT⇒WTO・・・全世界を対象としておりルールが多い、遅い!そのため、個別でFTAやEPAを締結する流れが拡大。

  • 社会で起こっていることや、日々のニュースで報じられている内容を理解しやすくしたいな、と思って手に取った一冊。

    結論としては大満足!

    経済の勉強をするつもりで読み始めたが、結果的に政党や各産業団体のスタンスを説明づけてくれる情報がストレスなく詰め込まれており、さすが池上さん!といったところ。

    理系の学生時代を送った私にとって社会の科目はあまり馴染みがなかったが、「政治・経済」と一括りの科目になっていたのはこういうことか!と、アラサーの今になって妙に納得させてもらえました(^^)

    それぞれの立場の人の考えや行動を時系列に沿って整理しているが、池上さんとしてはあくまでも眈々と主観を交えずに状況説明に徹してくれている。
    なので、自由な発想を促してくれる印象が、本書の全体を通して感じられる。

    早く2冊目を読もっと(^-^)

  • 以下のようなことがいまさら分かり、とても勉強になった。
    学生用の講義を文章化していることもあり、分かりやすい。
    ・経済学は資源の最適配分を考える学問
    ・社会主義は現実にある制度、共産主義は将来の理想の社会
    ・GDP(国内総生産)は一定期間で生産されたモノ・サービスの利益(付加価値)の合計額
    (2021.9.6)
    ※2015.12.26購入@ジュンク堂那覇店

  • まったく経済がわからない自分にとって、良い入門書だった。
    ・比較優位の話は日常に活かしやすいと思った。
    ・ニュースを断片的に見てもさっぱり何のことかわからなかったTPPや、税金問題の入り口を教えてくれた。経済とは外国語のようにわからなかったが、日本語に変わった感じ。
    ・終始事実のみ伝えている本で、池上さん自身の考えはほとんど語られていない。こういう理論があるけども、君はどう思う?と、こちらの考える力を育てたいという意思が感じられる本だった。

  • 結論から言うと、とても良い。
    経済学に着手したいと思い、はじめに手に取ったが身近な話題や社会的な諸問題と絡めて分かりやすく解説してくれている点が経済学初学者にとって特によかった。経済学をもっと深く学びたいと思わされた。かなりのモチベ向上に繋がった。

  • 経済の仕組みが、非常にわかりやすく書かれた本。

    アダム・スミス→見えざる手、自由放任
    カール・マルクス→剰余価値説、社会主義計画経済
    ジョン・メイナード・ケインズ→乗数効果
    ミルトン・フリードマン→新自由主義、マネタリズム

    ちょっと古いのが気にはなるが、基本に立ち返るために、定期的に読み返してもいい本だと思う。

  • 初心者には難しいけど、学生向けに分かりやすい言葉遣いで経済学を学べる一冊。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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