昨日までの世界(上) 文明の源流と人類の未来 (日経ビジネス人文庫)
- 日本経済新聞出版 (2017年8月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532198282
作品紹介・あらすじ
「現代社会を深く考えるための必読書」――養老孟司
「ダイアモンド文明論の決定版的集大成」――福岡伸一
■600万年におよぶ人類の進化の歴史のなかで、国家が成立し、文字が出現したのはわずか5400年前のことであり、狩猟採集社会が農耕社会に移行したのもわずか1万1000年前のことである。長大な人類史から考えればこの時間はほんの一瞬にすぎない。では、それ以前の社会、つまり「昨日までの世界」の人類は何をしてきたのだろうか?
■領土問題、戦争、子育て、高齢者介護、宗教、多言語教育……人類が数万年にわたり実践してきた問題解決法とは何か? ピュリツァー賞受賞の世界的研究者が、身近なテーマから人類史の壮大な謎を解き明かす。全米大ベストセラーの超話題作、ついに文庫化!
「本書はひとりひとりの人生や生活、日々の選択といった個人の興味関心に直接関係するテーマを扱っており、私の著作のなかではもっとも生活に身近な内容になっている」(「日本語版への序文」より)
感想・レビュー・書評
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著者の本は、豊富な事例をもとに細かく書かれているので内容が濃く、とても面白いです。
この本は、昨日までの世界(伝統的国家)と現代的社会とを多角的に比較、分析しています。
どちらが良い悪いというのではなく、互いの違いを明らかにし、現代社会に役立てるものはないか❕という視点で書かれており、とても参考になります。
ぜひぜひ読んでみてください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
赤ちゃんがいるので、とりあえず第5章の子育てのみ。素晴らしく面白く興味深い。この著者の本ははずれなしです。
スリングなどで常に抱っこ(スキンシップ)、泣いたら10秒以内に誰かが反応、一緒に寝る、集団で育てる、何をしても個人の自由(適者生存)、異年齢の遊び集団、大人の模倣の遊び、勝敗を競わない
フランスの子育ての本を読んだばかりで、色々違う点も面白かった。
今日で0歳四ヶ月だけれど、狩猟採集民の子育てと、フランスなどの現代的な子育ての、良いところどりをできたら嬉しいし楽しい。 -
二度目だからなんとかなるだろうと再チャレンジしたが、やはり無理だった。話がしつこすぎて私の脳細胞と合わない。というより、彼の脳細胞に私がついていけないのだ。
最初に読んだ時も我慢して最後まで読んだ。アンダーラインが引いてあるのに、全く記憶がない。丁寧にノートを取りながら読み進めていたが、無理だ。私の興味はジャレド・ダイヤモンドと全く異なる。
「銃・病原菌・鉄」はとても面白かった。「人類と危機」も最高に良かった。同じ著者なのに「昨日までの世界」と「第三のチンパンジー」は最後まで読めない。再読で中に入っていけないのだからもうやめよう!時間が勿体ない。 -
読みにくい
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著者が著者だけに期待したんだが、とにかくリズムが悪く読みづらいので、テーマに引き込まれない。戦争・紛争・係争・子育てと、面白い主題なんだから、もっと生き生きダイナミックに展開できそうなもんだけどな。上巻3分の2で挫折。
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人類学の碩学が取り組んだ意欲作。
高度先進工業社会が置いてけぼりにした「昨日までの世界」=伝統的社会こと未開文化にある風習を観察することで、現代の課題解決を探る。
ジャレド・ダイアモンドは、タヒチに憧れたゴーギャンやアフリカの情熱に魅せられたピカソのように、忘れられた文明の底力に取りつかれたのだろう。
子育て、高齢化社会。社会保障のモデルを先進国に探す前に、考えるべきことはあるのではないか。 -
『銃・病原菌・鉄』で有名なジャレドダイヤモンドの著作。どちらかと言えば文化人類学寄りの内容から現代社会で当たり前と思ってしまっていることへの課題提起をされている。
上巻は訴訟や戦争の話や子供、高齢者に関するテーマが主だったが、とりわけ高齢者の話は現世に残る(姥捨山のような)リアルなエピソードが結構衝撃的だった…読めば背景は納得できるが…
おそらく著者が指摘されている点、課題については今後も考えなければならない点も多い。 -
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