昨日までの世界(下) 文明の源流と人類の未来 (日経ビジネス人文庫)

  • 日本経済新聞出版
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本棚登録 : 202
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532198299

作品紹介・あらすじ

「現代社会を深く考えるための必読書」――養老孟司
「ダイアモンド文明論の決定版的集大成」――福岡伸一

■現代西洋社会の特徴はインターネット、飛行機、携帯電話といった技術や、中央政府、司法、警察といった制度ばかりではない。肥満、座りっぱなしの働き方、豊かな食生活から生まれる疾病や、社会が豊かになったことによる宗教の役割の変化もまた、現代西洋社会の特徴なのである。
■伝統的社会に強く惹かれ、その研究者としての人生の大半をニューギニアなどの伝統的社会に捧げてきたジャレド・ダイアモンドが、現代西洋社会に住む私たちが学ぶべき人類の叡知を紹介する。

「19世紀、ダーウィンは『種の起源』などの3部作で世界の歴史と自然に対する認識を一変させた。これから1世紀先の学者たちはジャレド・ダイアモンドの3部作――『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』『昨日までの世界』――に対し、ダーウィンの3部作と同等の評価を下すだろう。壮大なる本書は、世界の歴史と自然のみならず、人類の「種」としての運命も描いている。ジャレド・ダイアモンドは現代のダーウィンである。『昨日までの世界』は実生活の喫緊の問題に対する解決案をとおして人々に希望を与えてくれる、時代を変える作品である」(マイケル・シャーマー 作家、科学史家)

感想・レビュー・書評

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  • 作者が人生をかけたフィールドワークを通じて、伝統的社会との比較をしながら、自分達が暮らす現代社会のこれからの有り様や問題解決のヒント等を見出そうとする内容。

    上巻レビューでも述べたが、「銃•病原菌•鉄」とは全く違う内容。
    作者の年齢も合間ってか、「銃~」や「文明崩壊」等のの研究を通じて作者が感じた事、見えたことなんかを集大成として描いている。事実(歴史)の追求の面白さから、内容は哲学的な色合いが強い。


    残念なのは少し内容がくどく感じる点かな。トピックス毎の考察が丁寧過ぎるのか、少し長くなりすぎているために途中で飽きてしまう。
    というのも、作者の頭脳のスーパーっぷりは上述の二作に輪をかけてレベルが上がっている。元々は鳥類学者らしいけど、広過ぎる見識(ここまで幅広いと感じた人はいない)からか一つ一つの考察が多岐に渡り過ぎて、常人は着いて行くのがやっと。。。
    ここら辺は、もう少しあっさり書いて頂いてもよろしかったのでは、と思う。


    ただ、作者が言いたいことを一番詰まっている事は、読んでいてもひしひしと伝わってくる。多分、作者はもうこれほどの長編を書くつもりはない様な気がする。
    そういう観点で見ると、「銃~」から始まった旅が終わった様な気がして、胸が熱くなります。

  • 配架場所 : 文庫
    請求記号 : BUN@382@D100@1-2
    Book ID : 80600065839

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002562474&CON_LNG=JPN&

  • 糖尿病やらが終盤に出てきて、なんでこの話?と思うような章に突入しながらも、最後はなるほどと思わせてもらえた。

  • 「1万1千年前の現代文明」と「現代文明」を同軸比較できたからこその示唆に富んでいる。特に第5部の「宗教」「健康」の内容が興味深い。「宗教」を進化心理学的に捉えた場合、伝統的社会をOrganizeする役割と、貧困層を中心とした自己治癒の役割が述べられているが、例えば神秘性など、現代文明の「時点」の違いで「宗教」の構成要素が変わるのが面白い。また「健康」面では伝統的社会における急速な環境変化による非感染性疾病の増加は人間の精神的適応力と身体的適応力の乖離が如実に表れており興味深い。

    こうした文化人類学の考察や知見から人間の進化や本質をとらまえ、脳科学や遺伝子工学へアプローチしていけばさらにそういった分野の研究が進むであろう可能性を感じさせられた。

  • 銃・病原菌・鉄、文明崩壊に続く大著。著者が長年フィールドワークしてきたニューギニアの伝統的社会とアメリカなど現代社会を対比させて論じていく。特に伝統的社会の方が多言語社会であるという指摘は、それぞれが依って立つ文化的背景を残しながら、他の文化への理解も当たり前の生活上の必要として持っていることを示してくれている。他文化への敬意を持つことは人類の最低限の共通項として定着させるべき事と感じた。まだ時間は残されているのだろうか?

  • 狩猟採集民の暮らした世界を、昨日までの世界とし、今日の世界と比較し、昨日までの世界を礼賛するのでも、今日の世界を称揚するのでもなく、取り入れるべきものは取り入れようというのが本書のスタンス。冷静な議論で、説得力はさすが。但し、『銃・病原菌・鉄』ほどの衝撃はなく、期待が大きかったせいか、ややがっかり感もあり。

  • 我が秋田県の事例が紹介されていたのはびっくり。かつては物凄い塩分摂取量だったが、文明の発達により貯蔵に多量の塩分を使わなくなり、労働環境の改善で昔ほど汗をかかなくなったためにもはやかつてのような塩分は必要なくなったのだが、長年の啓蒙活動にも拘らず、塩分過多の家庭は多い。ヤマノミ族三年分の塩分を1日で使い切るような異常な摂取をしていた秋田県人の話はクラクラした。

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著者プロフィール

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)地理学教授
1937年ボストン生まれ。ハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修めるが、やがてその研究領域は進化生物学、鳥類学、人類生態学へと発展していく。カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学教授を経て、同校地理学教授。アメリカ科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、アメリカ哲学協会会員。アメリカ国家科学賞、タイラー賞、コスモス賞、ピュリツァー賞、マッカーサー・フェロー、ブループラネット賞など受賞多数。

「2019年 『危機と人類(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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