戦略参謀 経営プロフェッショナルの教科書 (日経ビジネス人文庫)

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532198398

作品紹介・あらすじ

○2013年8月にダイヤモンド社から刊行された書籍の改訂文庫化です。

○大手紳士服チェーン「しきがわ」の営業マン高山昇は、ある日、
経営幹部の目の前で会社の給与制度を批判したことから、
新設の経営企画室に飛ばされます。
しかし、高山は持ち前の正義感と行動力を武器に、
室長の伊奈木とコンサルタントの安部野の支援を得ながら、
改革の推進役として一歩ずつ成長していきます。

○社内の地雷を踏みまくりながら、愚直に改革に取り組む主人公の姿を通し、
トップの参謀役である経営企画の仕事とは何か、
そして、企業改革はどうあるべきか、
ストーリーを追ううちに要諦を学ぶことができます。

○本書の魅力の一つはリアルな登場人物の描写です。
「空気を読まない」熱血元営業マンを主人公に、
外部招聘の経営企画部長、
企業の「憑きもの落とし」の異名を持つコンサルタント、
先代社長時代の番頭役で社内No.2専務、
創業者の息子社長、先代社長時代からの会社の裏を知る秘書など、
様々な思惑が交錯する人間模様が描かれます。

感想・レビュー・書評

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  • あまり期待していなかったが、とても面白かった。正しいことを、正しい順序で進めていくことの重要性を再確認することができた。ここに出てくる伊奈木のような仕事をしたいと思った。「しきがわ」ほどではないが、ウチも相当問題のある会社だから、地味でしっかりとした、定着する方法での改革が必要だ。
    創業者が居るわけでもないのに「社長が言ったから」という状況なら何でもやる。責任は社長だからである。自分が責任を取らなくてもいい状況、他人のせいにしてもいい状況さえ作り出せば結果はともかくやるだけやる。そういう人が多い。そこにPDCAは無い。阿久津ほどの悪者はいないと思うが、添谷野クラスの小悪人なら何人かいる。
    そういう人達を向こうに回して改革を実行したいと思うけど、この会社では本国の本社が現場に責任を押し付ける命令だけの会社だからここで俺がもがいても時間の無駄だなぁ。組織はこうやって改善、改革の芽を摘んでしまう。

  • 本当にわかりやすかった!これに尽きる。

  • 久々のビジネス小説
    ケーススタディを読んでいるがごとく、とてもリアリティある物語です。
    単に事象を解決していくだけでなく、人間の業にまで踏み込んだ展開が素晴らしい。
    結局、人なんだなと思います。

    紳士服チェーン「しきがわ」の営業の高山。
    場を読まない発言で、専務の逆鱗に触れて、経営企画室に異動。
    経営企画室って何?
    その役割をコンサルタントの口から語られていきます。
    なるほどね。って思いました。

    そして、この経営企画室の室長も素晴らしい。
    室長、高山、コンサルタントで「しきがわ」を再生していきます。

    そして、当然のように出てくる反対勢力。
    それが生み出される原因にも言及されています。
    この辺がとてもよい。

    さて、物語は置いておいて、本書で語られる重要なポイントは
    PDCAを愚直に正しく廻すということだと思います。
    しかし、これって実はとても難しい。

    また、企業文化を作るという点でもトップの重要性が語られていますが、トップだけでなく、中間マネジメントでも意識し続ける必要があります。
    人、性善なれど、性怠惰なり

    熱い人間模様やヒューマンドラマは描かれていませんが、企業改革・企業再生のケーススタディとして価値ある一冊でした。

  • 『ぜひ、高山昇になっていただきたいと思います』

    あとがきまで心に響く素敵な作品であった。

    確かに自分の年代で読み進めると高山さんが一番近いと思い読み進めた。
    高山さんが学び実践する内容を自分はできているかどうか考えることもでき、取り入れたい部分もあった。
    途中から高山さんの成長幅が急に広くなり、自分との差を感じてしまい共感性がなくなってしまったがストーリー展開はとても興味深かった。組織と経営・人材どの視点でも考えさせられることが多く、自分も実践してみたいことや既にできていて自信に繋がったこともあった。
    高山さんの信念や行動力そして主体性・実行力はどれも抜きん出ており、自分の力不足を感じた。
    まだまだ頑張りたいと活力をもらえる一冊であった。

  • ー 長期低迷状態を脱出するためになすべきことは、次の三つです。
    一つ目は、既存事業で競合状況が激しくなり、飽和状態になっているレッドオーシャン化した市場でも勝ち抜く強みを高める努力を続けること。あるいは、今ある強みを明確にして前面に出すこと。つまり、競争力の強化に取り組むことです。

    二つ目は、今の会社の強みを活かして、まだ実現していない未開拓の新市場、ブルーオーシャン市場を見出し、そこで事業を実現できる力をつけること。これらを通して、第2、第3のS字の成長曲線を創造していくことです。

    そして三つ目は、ビジネスを始めた初期のころのような、謙虚で真摯な事業への取り組み姿勢を、再度、組織のPDCAが廻るようにして得ることです。 ー

    戦略参謀、つまり、経営企画室のあるべき姿、行うべき事を論じた本。

    小説仕立てで分かりやすく面白い。

    そして、どのような企業でも起こりうることが描かれている。




  • 那すかさかきな、ほわ名前ゆらぬあまら、わんを7xppwqjm@gwわ」きたなへあたらさはちてや!みいわ

  • そもそも経営視点で考えた事が無かったためいろいろ新鮮で面白かった。大企業の文化やマインドを改革するのは本当にエネルギーがいるが、若手社員の高山は物凄いエネルギー熱を持っているなと。

    ・人は性善なれど性怠惰なり
    油断していると無意識なうちにラクな方に進んでしまう。「ちゃんとやる」ことが出来ていない状態。
    ・PDCAを廻せない企業には明日がない
    PDCAの大切さは理解しているが油断してると疎かになりがちだなと。そこでのマネージャーの役割も大事だなと思った。
    ・経費削減について
    本来なら会社の利益を上げるために必要な経費を考えも無しに経費削減しては本末転倒。本当に必要な経費、その経費からどのぐらい効果が得られるのか、などちゃんと検証するのはかなり大変だけど、経費低減活動を企業文化にするのは良さそう。

  • とにかく謙虚にPDCAを回すことが大事だとよくわかった。頭の中で色々とこねくり回してはだめだね。

  • 言い尽くされてきたキーワードだけど、改めて自分のマネジメントに高速PDCAを取り入れるようにしようと思った。

  • 小説形式で「経営視点での企業運営」について学べる名著。

    経営企画室に配属された主人公の目線で、経営視点の企業改革の推進について描かれている。

    ・組織のPDCA
    ・財務/経費低減
    ・人事
    ・新規事業開発
    ・社内政治
    など

    かなり骨太に学べる良書でした。。

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著者プロフィール

株式会社RE‐Engineering Partners代表、経営コンサルタント。
早稲田大学大学院理工学研究科修了。豊田自動織機製作所よりの企業派遣で米国コロンビア大学大学院コンピューターサイエンス科で修士号を取得後、マッキンゼーアンドカンパニー入社。大手電気、大手建設業、大手流通などの戦略策定や経営改革などに携わる。その後、大手企業の社長、役員、事業・営業責任者として売上V字回復、収益性強化などの企業改革を行う。08年、(株)RE‐Engineering Partnersを設立。

「2020年 『PDCAマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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