良い値決め悪い値決め: きちんと儲けるためのプライシング戦略

著者 :
  • 日経BPM(日本経済新聞出版本部)
3.44
  • (1)
  • (11)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 134
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532198794

作品紹介・あらすじ

原価率300%でも儲かるのはなぜ?
安売りをしない安売り、値上げをしない値上げの極意を教えます!

・売上げ目標達成のためなら、多少値引きしたって構わない
・ライバル会社の動向を見て価格を決める
・価格はコストから積み上げて考える
・「良いものを、より安く」が商売の王道だ
・どうせヒマなら、安値でも稼いだ方がマシ
多くの企業がやりがちなこんな価格決定が、実は利益を減らす元凶だったのです!
デジタル・オンライン・グローバル(DOG)化が進行し、限りなく無料に近づく値下げ圧力が働くいま、新しい価格戦略を身につけなければ、増収減益のワナからは抜け出せません。

本書は、初心者でも楽しくプライシングが学べる入門書です。コストを把握するための会計知識と、「良いものをより高く」売るためのマーケティング・ビジネス心理学(行動経済学)をミックスさせて、読者に役立つヒントを紹介しています。

とはいえ、難しい用語はほとんど出てきません。「下取りセールでイトーヨーカ堂が成功した理由」「ヤマダ電機がたどりついた結論」「マクドナルド価格戦略の成功と失敗」など、身近なケースを使ってわかりやすく読み進められるよう工夫しています。

終わりなき安値争いから「顧客満足『高』価格」の世界へ、本書がナビゲートします。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1.営業担当として、価格決定の業務に携わることになったので読みました。

    2.頑張っているのに儲けられない企業は往々にして「売上主義」に囚われています。大切な部分は利益です。例えば、マクドナルドではかつて210円でハンバーガーを販売していたのですが、100円にしたことで、利益が5倍になりました。これは利益が確実に取れる戦略を踏まえた上での戦略です。いうなれば、良い値下げです。日本は悪い値下げが蔓延してしまい、倒産します。
    このような悪い風習を改めるため、本書ではタイトル通り値決めの良い悪いを解説しています。

    3.売上に囚われないことは常々頭に置いていました。そして、日本人の給料が上がらないことにも繋がっていることにも納得できました。
    改めて思うと「良い物を安く売る」という発想はどこかおかしいと思いました。今の世の中、お金を出してでも買いたい人はいるわけで、払わないとはいってません。また、価格が安いことに疑問視してるいときもしばしば見受けられます。だからこそ、適正価格を見定める必要があるのかなと思いました。

  • 行動経済学の初歩的な内容の紹介や当たり前の利益算定の理屈説明が多く、勉強になる部分が少ない。この本の秀逸さは、冒頭のCATとDOGというキャッチコピーのデザイン性の良さ。値決めをこのコピーで解説していくという手法が単純明快。

    CATはcozy、analog、touchの頭文字。居心地よく、アナログな世界は値下げに強い。だから目指すはCATだと。対して、デジタルでオンライン、グローバルのDOGはその対極だと。この対比はこじつけ、というか部分的な正しさに過ぎぬご都合主義のキーワード寄せ集めである。DOGは競争力があり、競合が先にとDOG化していく。本著はこうしたメカニズムに触れていない。オンラインやデジタル、グローバルがそうした競争環境に晒されやすいから、価格競争に巻き込まれるというだけの話だ。手作り、非流通、希少性など幾らでも組み合わせられるだろう。ただ、三文字動物のキーワードは作れず。。

  • 昔は売上至上主義みたいな会社あったと思うが、最近は見直されてる。

    1994年当時のハンバーガーの一個当たりの利益、12.9円
    変動費(原材料費)57.5円
    ほぼ固定費。

    販売数量を増やすことによって一個当たりの固定費(固定費÷販売数量)を減らした

    思い出も買い取る

  • プライシング=値決めの仕方
    ▪️良いものをいかに安くではダメ!
    良いものをいかに高く売るか。
    ▪️デジタルは下落しやすいが、アナログは下落しにくい。
    ▪️「変動費の価格が値決めの最低ラインになる」という法則。

    表現の違いで、心理的な直感に訴えかける。
    ハーゲンダッツのアイスクリームを小さくしたり、チーズの枚数を少なくしたり、マクドナルド激安販売など事例も交えて分かりやすかった。

    自社の販売方法に疑問を持っていたところ、たまたま本書を見かけた。
    自分は間違っていなかったと思った

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1335395

  • 競合と比較して価格を下げる場合は元より多い利益をあげられる見通しを立てて置く必要がある。また、コストから売値を決めがちだが、売値から設定して顧客満足度をあげることを目標とすることについて述べられている。

  • 読みやすいわかりやすい。
    いかにして満足を買ってもらい、その十分な対価をいただくか。
    人に満足してもらうには知恵がいる。
    売っている物やサービスの本質を探ることが肝要。

  • プライシングの話をわかりやすく解説してます。
    さらっと、読めますね。

  • 読書会の課題として読みました。
    価格についてあまり考えることがない職種なので、新しく知ることの多い読書でした。

    「〇〇プラ」のネーミングは、多義的になるので分かりにくかったです。

  • DOG→digital online grobalで価格競争のレッドオーシャン
    CAT→cozy(居心地よく) analog totch(共感)のブルーオーシャン。

    3つの価格ゾーン
    └コスト回収価格→自社視点
    └競合同質価格→競合視点
    └満足「高」価格→顧客視点=あるべき値決め
    →安さを超えて、快適さや共感や居心地の良さを提供できているか?
    そして、顧客を満足させているか?
    心地よさを感じる売り方やメッセージができているか?
    が分岐点。

    3個買うと1個無料
    →XX%オフよりも1個無料のほうが儲けが大きい、かつ、心理的効果も大きい。「無料」の響き。
    →XX%オフは、すべてのモノの利益分を値引きに転じているが、1個無料は、3個分は正価で売れて無料分は原価分だけの損。

    原価300%(俺のイタリアン)のサプライズ・プライシング。1日20食限定だが、広宣費とすれば高くはない。そこからリピーターに繋がればOK。

    価格を据え置き、中身を減らしたりパッケージを安価にしたりして、実質的な値上げをする。
    →人は価格には敏感だが、中身の量には鈍感。

    ・不利益プライシングを囮にして、買ってほしいものを強調する
    ・比較できないようなセット商品を作り、独自価格に設定する
    ・デジタルデータに振れている現代に対して、アナログに戻ってきたのが行動経済学=ビジネス心理学。
    人間の心をのぞきながら、心地良さや快適さといったCAT感情を掬い上げる。
    ・損失回避の心理→「喜びより悲しみのほうが、2〜2.5倍大きい」ことにより、「得する」より「損したくない」、「成功する」より「失敗したくない」。
    →「これを選ぶと損するよ」を明示するのがうまい作り方
    ・「ありがとう」は、悩みや苦しみから解放された人々の「魂の叫び」。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1963年、三重県生まれ。作家、公認会計士。田中靖浩公認会計士事務所所長。早稲田大学卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て現職。中小企業向け経営コンサルティング、経営・会計セミナー講師、執筆、連載を行う。著書に『会計の世界史』(日本経済新聞出版社)、共著に『お金にふりまわされず生きようぜ!レストランたてなおし大作戦』(岩崎書店)など多数。

「2022年 『会計と経営の七〇〇年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中靖浩の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×