悩めるアメリカ 日経プレミアシリーズ

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532260224

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  • 現在の米国が抱える問題をまとめた一冊。
    住宅バブルの崩壊、ドロ沼のイラク・アフガニスタン戦争は分かりやすい問題だが、加えて中国・インドの台頭による産業の空洞化、ヒスパニックを中心とする不法移民の増大、また、日本とも共通する問題として貧富の差の拡大と中産階級の没落、健康保険や年金制度の危機的状況、放漫財政、これらを解決しようとする戦略の欠如、対立を煽るだけの政治などの指摘がある。
    ただ、米国は今までも困難な時期があり、それを乗り越えてきた実績がある。それは新しいものやアイデアを生み出す「創造力」や物事を正して行く「修正力」。今はまだ混乱しているかもしれないが、この混乱にどう対応していくか注視する必要がある。
    米国はもうダメだと簡単に結論するのではなく、再生の可能性に期待しつつこれからの展開を見守りたい。
    それにしても日本はこのままでは沈没あるのみ。政治が吉本劇場化し、下らない揚げ足取りしかしていない状況は昭和初期と変わらないのではないか。日本が心配だ。

  • [ 内容 ]
    アメリカに重苦しい不安が充満する。
    得体の知れないテロへの恐怖、グローバル化に怒れる人々、大量移民で変容する社会…。超大国で何が起き、何が変わってしまったのか。
    明るい未来は描けるのか。
    丹念な取材で「アメリカ問題」の本質を突く迫真のルポ。

    [ 目次 ]
    第1章 不安・分裂の実相
    第2章 安全か自由か
    第3章 グローバル化の明暗
    第4章 揺れる社会
    第5章 消えぬ草の根の活力
    第6章 どこへ向かうのか

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • すでに報道されたものだが、全体を見渡すために。

    P11メディアの報道はどこまで自由でいられるか、
    イスラム系住民に差別はあるかなど。
    自由で開かれた国という米国らしさと
    安全との相克にどう対処するかが問われている。

    P70お金にゆとりのない家庭の若者たちが
    (軍隊の)人員募集のターゲットになっている側面もある

    P137企業福祉時代の終わり、新興企業ではそもそもない
    アメリカンドリームの貧乏な生まれでも優秀で努力すれば金持ちになれるという確信がゆらぐ

    P164移民がきたとき国のアイデンティティに
    アングロサクソンとプロテスタントという宗教が
    結びついていることは否定できない。
    !こういうとき宗教と結びついているとしんどいよね
    P170(最近の移民は同化しようとしない、
    米国的理念を理解しようとしないと批判するが)2、3世になれば英語もうまくなる、昔の移民もよりよい生活をもとめてきたという主張とぶつかった

    P218ニュープロフィット=社会起業家の資金調達や組織運営を支援する組織

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