- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532260460
作品紹介・あらすじ
自然には何一つ無駄なものはない。私は自然が喜ぶようにお世話をしているだけです-。絶対不可能と言われたリンゴの無農薬・無肥料栽培を成功させ、一躍時の人になった農業家が、「奇跡のリンゴ」が実るまでの苦難の歴史、独自の自然観、コメや野菜への展開を語るとともに、農薬と肥料に依存する農のあり方に警鐘を鳴らす。
感想・レビュー・書評
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真のお百姓さんの生き方を夢中で読ませて頂きました。以前に「土の学校」を読んだ時も『凄い!』と感動したのでした。肥料や草取りの常識を覆され、大変な努力で開発された自然栽培を草の根で海外にまで広められる壮大さに頭下がりました。自然界を観察する視線を養う大切さを強く認識させて頂き感謝します。
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家のトマトが枯れるので再読。
自然栽培と有機栽培は違う。
「私の体に米一粒、リンゴ一個も実らせることはできません。私たちはただリンゴの木やイネが生活しやすい環境を作っているだけ。」
明日、大豆を植えてみよう!
マメの根粒菌が土のバロメーター。根粒菌が10粒以下になったら、土壌に養分が十分行き渡っているということ。
トマトの横植えも挑戦してみよう。
きゅうりの巻きひげ、大根の時計回りの回転、野菜の栽培っておもしろい。
問題意識を持って読むと、情報の入り方が違う。確か大豆がよかったはず、と覚えてただけでも上出来だけど
2020.8.7
より実践的な内容。それぞれの野菜の関係など興味深い。観察かぁ。こんな風にアプローチできる人になりたいな。
2016.7.12
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「奇跡のリンゴ」を読了したのが2010年2月。
(ブクログ、自分の本棚より)
その後ほどなく映画化になることを知り、
今月その作品も封切りになり、
観ようか迷っている矢先、
もうひとつの「奇跡のリンゴ」の物語を知ることとなった。
http://www.inochinoringo.com/index.html
そんな折、この本を書店で目にして手にとることにした。
内容は「奇跡のリンゴ」と重複することも多いけど、
こちらのほうがどちらかというと農業の専門的な記述が多く、
より、今の農業の現実が近く感じられた。
幼い頃、「北の国から」で、
若い夫婦が無農薬野菜の栽培に奔走するが、
農薬を撒かないことで疫病が発生し、
周りの協力が得られず、結局農業を捨て街を捨てるという
残酷な場面が子供心に深く印象に残っていた。
農業のことはよくわからないけど、とにかくたいへんなことだということは
そのとき漠然と思っていたし、
だから木村さんの、心身にわたる苦労は並々ならぬものだったことは、
想像に余りある。
本当にすごいことをやり遂げたと思う。
あんなに感動したのに、その間私と言えば、たかだか3年余りの間に、
案の定些細なことで自暴自棄になり、諦めや無力感ばかりが先にたっていたが、本当にやるべきことを知っている人間には、どれだけ時間がかかっても結果は必ず出る、ということを、どこかで忘れていた。
そのことを教えてくれたのは、他でもない木村さん。
http://www.akinorikimura.net/ -
自然栽培の実践記録。
最初のリンゴが実るまでの窮乏生活の話はなかなか凄い。アルバイトの話も心に残る。
主題になっている植物の栽培方法だが、個人的には案外腑に落ちる。
全くほったらかしで草だらけのところに植えている柚子の木が毎年沢山実を付けたり、雨よけハウスの中で、肥料も水もほとんどやらないトマトが病気知らずで驚くほど美味しかったりするのを知っているから。
植物に寄り添った栽培方法ともいえる。
これからもどんどん研究を進めて欲しい。
それが一番省エネで時代に沿ったいい方法になると思うから。-
「植物に寄り添った栽培方法」
無理だと思うけど、もっと同じコトを目指す人が増えたら良いですね。。。「植物に寄り添った栽培方法」
無理だと思うけど、もっと同じコトを目指す人が増えたら良いですね。。。2014/05/15 -
2014/05/16
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自然栽培に重点を置いて書かれた本。
農業に希望を感じる。
木村さん本としては肝心の見えない世界についての紹介はなし。
それがないとなぜ木村さんが熱心に活動しているかの根拠としてある面物足りない。 -
無農薬、無肥料という自然栽培でリンゴの栽培に成功するまでの話を中心に、自然栽培のなんたるかが非常に分かりやすく書かれている。
自然に感謝し、謙虚な気持ちを持ち続けている著者の人柄に好感を持った。
また、リンゴの栽培を成功させるまでの苦労や信念は相当なもので、
それに対する真摯な姿勢には感服した。
ともすると、人間が育てていると思いがちだが、「人間この体に米粒一粒、リンゴ一個実らす事も出来ない」「私は稲やリンゴの樹のお世話人に過ぎない」と著者の木村さんはいう。
人間は自分たちの都合のいいように、農薬、肥料を使ってきたわけだが
それらは、地球を汚し、害虫を殺し、生態系を壊している。
そればかりか、一見都合のよいように思える農薬、肥料によって、土は荒れ、薬まみれの作物を食べるといった矛盾が生じている。
経済的な面でも、農薬や肥料を使わなければ、その分経費が減るので、
仮に売上が減っても、利益は減るどころか増える可能性が高いのだ。
農協など一部の人たちの利益のために、このような本末転倒な現象が起きている。
それに早く気付いて、無農薬、無肥料の自然栽培が当たり前の世の中になってほしいと思う。
とても読みやすく、非常に勉強になる一冊だ。-
「無農薬、無肥料の自然栽培が当たり前の世の中に」
TPPで特に農業関連が、どうなるか先行き不透明な昨今。こうやって付加価値をつければ一石二...「無農薬、無肥料の自然栽培が当たり前の世の中に」
TPPで特に農業関連が、どうなるか先行き不透明な昨今。こうやって付加価値をつければ一石二鳥?2014/04/25
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木村さんの「私たちは自分の体にお米ひと粒、りんごの実ひとつ、実らせることはできない」という言葉が心に突き刺ささる。
りんごの実はりんごの木に、お米は稲にしかならない。それなのに人間は、自分が作っているのだと勘違いしている…という木村さんのお話に、農業者でなく消費者としても人間の身勝手さを改めて感じた。
「人はひとりでは生きていけない」という言葉の本当の意味を知った気がした。
私たちはりんごでもお米でも肉でも野菜でも、他の生き物の力を借りなければ生きていけない。私は私ひとりだけでは生きていけないのだという当たり前のことを改めて考えさせられた。
冷蔵庫で食材を傷ませてしまうことは勿論のこと、自分の体が必要としている分量以上に作ったり食べたりしてしまっていた今までの自分の行動に関して、もっと敏感になろうと思った。
人生観が変わる1冊に出会った。
この本を読んで本当に良かったと思う。 -
木村さんがされた、数々の実験がおもしろかった。
私の身体にはリンゴもお米も実らせることはできない。そう思うと、自然の全てのものに感謝が沸いてくる。
▼良かった内容メモ&覚書
どうしたらイネが、リンゴが喜ぶか観察して、考える。
雑草は、陰を作って役立っている。
虫がつく原因を、栽培する人が作っているだけ。
虫が食べるものが無いから、作物を食べられる。
生態系を壊さない。
大豆は大気中の窒素を固定する→土が肥える
きゅうりを植えたら早朝、巻きひげの前に指を差し出す。
有機農業が全て安全とは限らない。認定された薬もある。
枝葉や支流から発想する経済構造は、地方から始まり大都市も潤う。
栽培やりたいな -
図書館で借りるのに、もう木村さんの本は二冊も読んでるしな、とためらいを覚えつつ、だったのだが、読んで良かった。10年近く無肥料、無農薬を続けて出来たリンゴは奇跡と呼ばれた。しかし、それから30年、たゆまぬ観察と研究を積み重ねられてきた木村さんの農法はもはや奇跡ではなく、非常に科学的な自然栽培という農法として確立されつつあることが分かる。木村さんのいう、日本の経済は中央に幹となる首都圏があり、そこから地方という枝があるのではない、その逆なのだ、という説にはものすごく同意する。
山には害虫はいない、ミミズすら見つけるのは難しい。山の土中に窒素はあってもリンやカリはないらしい。信じられないような話だ。農業に効率化、工業化はそぐわないと思う。自然に出来るだけ近く、自然と共にある姿を目指すべきだと思う。二人に一人がガンになるといわれたり、痴呆が高齢者にこれだけ増えたりしてきた原因は食べ物の変化によるものではという説を信じてしまう。農薬や肥料でこれ以上地球を汚すまいとする行動が大切だと思う。非常に実践的な内容が多く、最初から最後までワクワクしっぱなしで、早くまた農業に取り組みたいと思いながら読み終えた。