ユーロ危機と超円高恐慌

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.55
  • (7)
  • (14)
  • (19)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 166
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532261498

作品紹介・あらすじ

二つの大戦の教訓を、ユーロによる欧州統合の夢に生かそうとした独仏。しかし発足時から抱えていた根本的矛盾が今、ユーロに噴き出している。ギリシャから始まった危機はドルと円を揺さぶり、日本を「失われた20年」の困窮に陥れている。そこからの脱出策を多くの実証データで提言する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • "様々な検証データに基づき解説される、
    円高、ユーロ問題、アメリカ問題
    これが非常に理解し易く書かれています。
    これからのユーロの問題を自らの投資に結びつける為にも勉強になります。
    皆さんにおすすめの1冊です。
    今後の対策についての著者の考え方は賛同できますね。。
    しかし日本は変わらないだろうなー。。
    というのが本音ですが。。。 "

  • 岩田先生の本は読みやすくて良いですね。学生さんにもオススメです。今回の本は、(1)ユーロ危機がなぜおこったのか、(2)ドルの信認は揺らいでいるのか、(3)超円高不況の原因とその対策、についてがテーマです。一見、異なったように見える3つのテーマの共通点がわかりやすく解説されています。

    昨日、今年最初の『クローズアップ現代』のテーマが「岐路に立つ世界経済」でしたが、相変わらず<制御を失ったマネー>が世界経済危機の原因みたいな論調でゲンナリ。解説の伊藤先生やほかのお二人はそうでもないのに……。海外の「識者」がドーア氏とジャック・アタリ氏。お二人の業績・功績はともかく、現状の問題点克服にはあまり役立たないような……。

  • 2023/10/29

  • 2011年刊。
    著者は学習院大学経済学部教授(現在は日銀副総裁)。

     アベノミクスの理論的支柱たるインフレ・ターゲット論は著者らの提言による。
     が、そのメカニズムの説明概念としての明快さは兎も角、前提たる予想インフレ率の上昇や円安誘導政策も含め、少なくとも5年程度のスパンでは机上の論に過ぎないのは、これまでのデータで最早明らか(例えば通貨価値は一国の金融政策で一義的に決定せず。戦争や本書のメインテーマたるギリシャ粉飾など具体的な擾乱要因が多々)。

     とはいえ、そこは別儀。
     所謂ユーロ危機の大掴みは出来そうと思いザッピングした。そのメカニズムについても、国外あるいはEU域外への波及と、棄損した資産が証券である点は別にして、平成バブルとその崩壊、そしてその影響について理解していれば特異な情報はさほど多くはない。

     ただし、個人的には「最適通貨圏」の議論はなかなか興味を引いた。

  • 9784532261498 217p 2012・1・12 2刷

  • リーマンショク後にドルと比べて円のマネタリーベースが相対的に小さくなり、インフレ予測が下がり、円の購買力上昇への予想から、円買いドル売りが促進され、超円高ドル安になったという意見。原因は日銀の政策ミス。超円高を回避するには、インフレ率を2~3%にする政策を日銀が実施し、デフレを克服することを提案している。現在、消費税増税の議論がされているが、別の策としてこのような方法もある。単に消費税増税反対がかり言わず、このような代案を出して、政策議論をしてほしい。
    一方で、賃金が相対的に下降している状況で、このインフレ政策をされるのは家計にはとっても厳しい。結局のところ、家計の負担増は覚悟をしないといけないのだろうか?

  • デフレは悪。デフレ解消には日銀をなんとかしろ、という本。

  • ユーロ圏の金融危機が起きた原因と今後の予想、ドルの信認性、デフレと超円高による不況と解決策について学ぶことができた。日銀の今後の動きに注目したい。

  • 1.ユーロ危機の概要を知るにはたいへん良い本だった。
    2.「株価の上昇・下落は自己実現型予想でおこる。」というのは、そうい
      う一面もあるという程度のものでは。
    3.「政府はデフレ対策や円高を止める手段を持っていない、持っている
      のは日銀だけある。」 これが全面的に正しいのなら日銀法を変える
      しかありませんが日銀の独立性がなくなるのも怖いです。今の日本
      には政治も経済も人材がいないので。
      「円高の正体」を読むと、「これまでの量的緩和によって円高が止ま
      らず、デフレも止められなかったのは、量的緩和が効かなかったから
      ではなく、単純にその規模が足りなかっただけなのです。」この本で
      も日銀総裁の権限が絶大すぎると書かれています。

  • デフレ脱却についての日銀の役割とその背景について、筆者の意見は分かりやすいです。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

学習院大学経済学部教授。金融論、経済政策専攻。主な著書に『金融入門』『経済学を学ぶ』『金融危機の経済学』など。

「2010年 『初歩から学ぶ金融の仕組み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岩田規久男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×