「すみません」の国

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532261573

感想・レビュー・書評

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  • 論旨が曖昧で情緒的。筆者の言う『日本人の奥ゆかしさや思いやり』なのかもしれないが、いささか非生産的過ぎる。読む価値なし。

  • 日本人のコミュニケーションの深層構造を心理学者が分析。
    「すみません」を多用してしまう。はっきり意見を言わない。
    曖昧な表現が多すぎる。理屈が通じない。
    「察する」ことを求められる。。。
    ホンネとタテマエの2重構造。
    欧米人と日本人のコミュニケーションの比較、日本の歴史文化の流れを追いながら、なぜこういった構造になっているのかを明らかにしていく。
    日本人は、「場」の雰囲気を良くし、「和」を重んじる。「気持ち」や「関係性」を重視する。
    欧米人は、「事実」や「意見」を正確に伝えようとする。「自己主張」を重んじ、意見の衝突は当然である。
    グローバル化が進み、これらのコミュニケーションギャップを大きく感じるようになる。
    特にグローバル社会を育った若者は、日本独自のコミュニケーション文化と欧米文化との間に板挟みとなり、人と人との間、関係性、空気のようなものに困惑しているようだ。
    非常に興味深く読める1冊である。

  • 日本人の行動は状況依存という深層心理の表れという筆者の主張、なるほどと思った。ただ読む中でだからどうなの?という思いがずっとモヤモヤしてなかなか読むのが進まなかった。ちょっと期待外れ。

  • なかなか示唆に富む書。

    ただよくわからなくなったのは、日本人は調和を大切にし、アメリカ人は自己主張が強い。

    確かにそうかもしれないが、ではなぜ「人を動かす」や「7つの習慣」といった名著がアメリカ人によって書かれ、ベストセラーになるのだろうか。

    頭が混乱してしまった。

  • 本書の終盤近く、空気に流されがちは日本の組織について分析した後、「大切なのは、組織の再構築よりも、私たちの意識の改革である」と提言されている。この本一冊を使って書かれていたことは、「意識の改革」の困難さであったはずなのに、なぜそのような結論が出るのか、理解に苦しむ。

  • もう少し掘り下げてほしかった気もする。今の日本が変化の時期にあって、とても難儀というか...ダルいなあというのは実感してたので知ることで少しだけスッキリした。歴史と背景、この国の成り立ちを知った上で自分たちの特性を知るのは面白い。今のこの時代が生き辛い以上、だからといってこの国を美しい、和を尊ぶオモテナシの国と称える気にはなれないけれど、この国に生まれてこの特性を持って良かったと思うのも事実で。生き辛いこの現代を生きるには...もう少し何か、ヒントが欲しかったというか、もうちょっとで何か掴める気がする。

  • 実は欧米のほうが 「タテマエ」の世界 建前を前に押し出して相手を説得していく 日本のほうがタテマエの謝罪に否定的で 具体例が多くて分かりやすい

  • タテマエの国では、本音の自分をみうしなっている アメリカには多重人格の症例が多い
    日本は、本音の国だから、逆に外向きには曖昧さやわかりにくさがが必要なのだ

  • ホンネとタテマエは「いやらしさ」と「奥ゆかしさ」
    タテマエ謝罪を胡散臭く思う反面、ホンネの漏らす人物は器量のなさ、何が飛び出すかわからない、むき出しの心の不安定さを感じる。

  • 書店で手に取りパラパラ眺め、面白そうだったのでそのままレジへ。読後、生きづらさを感じながら生きる現代日本人の一人として本書に関心がいったことをそれとなく気付かされたように思う。

    ここに書かれていることは何も珍しいことではない。日本人であれば誰でも経験的に気付いているようなことが対象とされている。この誰もが日常的に抱く漠然とした認識が、心理学者ならではの明快な分析によって解き明かされる。とりわけ、欧米人との比較から日本人像が浮き彫りにされてゆく。たとえば、多重人格という症例が日本であまり認められないのに対し、北米ではそれほど珍しくはないという事実から、その差異の根底に欧米人と日本人との決定的な違いがあるとする著者の視点には脱帽する。

    本書を一読すると、"生きづらさ"の正体が少し明らかにされたような気がする。ただ、その"生きづらさ"が私の十余年来の哲学の原動力であった。それから完全に解放されるとき、私の哲学は終了するだろうと思っている。ただ、それはまだ継続しそうである。だから、私にとっては、生きづらさの正体はここで言われているような表層的なものではないのだろう。洋の東西を分かたずに、さらにもっと深層の部分にあるのかもしれない。そして、現在私が辿りついていたところを解き明かすキーワードは"自然"。その"自然"の現れの相違を明らかにするものとして、本書を飽きることなく最後まで興味深く読ませて頂いた。

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著者プロフィール

榎本 博明(えのもと・ひろあき):1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、 カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「対人不安」って何だろう?』『「さみしさ」の力』(ちくまプリマ―新書)など。

「2023年 『勉強ができる子は何が違うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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