- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532262327
作品紹介・あらすじ
東大理3合格者の約半数は同じ塾出身である。-「名門」とされる学校は数多くあるが、学力最上位層が通う進学塾は実はごく少数に限られている。学校には果たせず、塾が果たしている役割とは何か。進学塾は必要悪なのか。中学受験進学塾や名門一貫校生御用達塾の実態から、地方別有力塾、塾と教育の今後まで、塾の全てがわかる。
感想・レビュー・書評
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日本の文化である「塾」の負の側面を払拭し、公教育とは異なる塾が存在する意義、塾業界の概観、どんな塾があってどんな指導をしているのか、といったことがまとめられている本。
おれは中学の教員だが、塾に言っている生徒というのは多い。けど少なくともうちの学校の場合、通っている塾は似たり寄ったりで、それらをまとめて知ることができる点では役に立った。特に、「塾相関図」(p.73)というのがあって、例えば東進の子会社が四谷大塚、とか代ゼミの子会社がサピックス、Z会と栄光は関連会社、とかそういう関係をまとめて知ることができるのが良かった。ただし第8章の「地方別」のところは、各地の塾事情がまとめられているが、あまりに雑だし、その地域に関係する人じゃないと知っても意味がない内容で、斜め読みしてしまった。さらに第6章では、色んな塾で色んな指導が行われているという各塾の指導方針、指導方法みたいなことが羅列されている部分があるが、我が子にとって何が良くて何が合っているんだか、というところは極めて分かりにくい。
『中学受験という選択』、『男子校という選択』という、私学教育の情報を肯定的に紹介する一連の流れに続くもので、中学受験とその後を考える親向けの内容。
個人的には、「教育においては根本的に、『教えてもらった通りになる』という効果よりも『教えた者のようになっていく』という効果のほうが大きい」(p.157)という部分に妙に納得して、高校3年間担任だった先生に自分が似てきているのを感じる。そして、そのおれが教師である今、何年もおれと付き合う生徒は、おれのようになってしまうのか、という教育による文化の再生産、みたいなことを考えてしまった。(16/02/21) -
軸が「首都圏」という感じがします。
もう少し、地方の事情も取り上げていただきたい。 -
いろんな塾があることがわかった。
そして、塾といってもひとくくりにできないこと、今まで塾が果たしてきた役割について、知ることができた。
けれども、いろいろな塾がありすぎて、しかも混交玉石で素人には、自分の子をどこの塾に通わせたらよいのかわからなかったりもします。 -
≪目次≫
はじめに
第1章 塾は必要なのか?
第2章 「学校×塾」で教育は多様化する
第3章 少子化、不況…塾業界は戦国時代?!
第4章 東大にいちばん近い教室
第5章 塾化する予備校
第6章 人気中学受験塾では何を教えているのか?
第7章 習い事感覚の低学年向けプログラム
第8章 地方別、高校受験に強い塾はどこか?
第9章 塾は日本最大の教育資産
おわりに
≪内容≫現在のキャリアの中に取り込まれていない塾。独立できているのは文科省の管轄外だから。しかし、著者は塾は必要だという。少子化の中であの手この手で工夫しているが、結局は如何に優秀な教師陣を集められるか。
同じ教育界でも塾業界は名前以外はあまり知らなかったので、面白かったです。