昔話の戦略思考

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.60
  • (1)
  • (4)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263430

作品紹介・あらすじ

〇日本古来から読まれてきた物語、もしくは江戸時代に成立したとされる落語。これらには人間の行動心理が深く刻まれており、陥りやすい失敗談なども多く含むため、教訓とすべきことから、長きにわたって読まれ、また語り継がれてきた。これを経済学的思考で読み解くとどうなるか、を体現したのが本書である。

〇経済学的思考では、順を追って思考を体系化するため、これまで「なんとなくいい話」と思っていたものも、しっかりした形で読者の心に沁みわたり、かつ定着する。それが本書のねらいでもある。

〇著者の梶井氏は『戦略的思考の技術--ゲーム理論を実践する』(2002年刊行)がヒットに。ゲーム理論での行動パターンを「戦略的思考」と位置づけ、数式を使わずに解説、また教養に富んだ執筆には定評がある。

〇経済学的思考で読むと、古来から理解されてきた物語も、違った視点になるものもあって面白い。
「こぶとり爺さん」はこぶを取ってもらった爺さんを真似て、鬼の前で踊りに行った別の爺さんが、逆にこぶをつけられてしまうというストーリーだが、実は前者が良人で後者が悪人とは決めつけられない。両人とも「欲深い」という意味では同じ。この話の要点は善悪にあるのではなく、下手な踊りをして鬼を怒らせた、自分の技量を理解していなかった後者の爺さんの戦略ミス、と断ずるなど。新たな発見の多い本になっている。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なかなか良かった。この先生の授業は面白そう。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685643

  • 戦略的思考の入門書としても楽しめるし、なんかいろいろうがった見方をしつつ理屈をこねくりまわす諧謔の書としても楽しめる。

  • 昔話がネタ切れたのか、後半から落語を使ってる。昔話でやりきれよ。と言いながら、偏屈屋の屁理屈にしか聞こえないながらも、無理矢理にも経済学に結び付けるところが面白い。

  • 東2法経図・開架 B1/9/343/K

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

京都大学経済研究所教授
1963年生まれ。1986年、一橋大学経済学部卒業。1991年ハーバード大学大学院卒業。ペンシルバニア大学助教授、筑波大学助教授、大阪大学教授等を経て現職。専攻は理論経済学、情報の経済学など。 著書に『戦略的思考の技術』(中公新書、2002年)などがある。

「2017年 『昔話の戦略思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梶井厚志の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リンダ グラット...
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×