今そこにあるバブル 日経プレミアシリーズ

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263461

作品紹介・あらすじ

◎「音楽が鳴り止まぬうちは、踊り続けろ」と
米シティグループの最高経営責任者(CEO)だったチャック・プリンス氏は言った。
昨今出版界では「バブル回顧もの」企画が相次いでいるが、
本書は「過去のバブル」ではなく「今起きつつあるバブル」を探る企画。

◎日本経済は、「バブル期以来」「バブル期超え」を示す指標が相次いでいる。
人手不足の目立つ雇用市場で、有効求人倍率は1.5倍を突破し、高度成長時代の1974年並みになった。

◎一方で、政府・日銀は経済成長と物価上昇率2%を目指し、マネーをジャブジャブに供給し続ける姿勢を崩さない。
この状況が続ければ、経済の実態を上回るマーケットの過熱=バブルが再び起きるし、現にその兆候はそこかしこに見られる。

◎今回のバブルは過去のバブルとは違う形で起きる。株価はなかなか2万円台を定着できず、80年代のような過熱感はない。
一方で債券市場は日銀の管理下のもと、典型的バブル状況。また相続税制度のゆがみをついたアパートローンの膨張、
インバウンド消費を背景とした一部商業地地価上昇など、過去になかった事態が相次いでいる。

◎著者は4月よりBSジャパン『日経プラス10』のメインキャスター(月曜日と水曜日)を担当。
日経新聞のコラムやツイッターともに、このテーマで情報発信している。

感想・レビュー・書評

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  • 2017/11/26今そこにあるバブル 滝田洋一 「4」
    バブル関連データのおさらい
    1.GDP基準の変更 企業研究開発費(R&D)を投資に加える
     +30兆円 500兆円→532兆円 
     全要素生産性の向上 「建設・不動産」が引上げ
    日銀170427 展望リポート
    2.REITバブル(78) 時価11.6兆円 指数1000 2000
     配当利回り10% 4%
    3.不動産向け融資拡大 60 70
     相続対策APローン キャッシュフローはない 
    4.リーマンショック GDPがΔ50兆円 トヨタ1.4兆円の赤字
    5.中央銀行の金融緩和出口
     米国 欧州 日本がアンカー
    6.日本のバブル
     株価てこ入れ 日銀のETF購入6兆円
            GRIF
     2025年問題 財政はもたない
     社会保障改革にどう取り組むか

  • バブルは手元資金だけではなく外部負債を使って投資するようになる。
    合理的バブルとは、ファンダメンタルと乖離しているがまだ売り抜けられると思っている状態。
    現金がメルカリで売られている=クレジット枠の現金化。

    アベノミクスの成功(17年1月)=人手不足=雇用情勢の改善。
    「プロクルーステースのベッド」=ベッドの大きさを変える=評価の基準を都合に合わせて変化させる。
    2025年問題=団塊の世代が全員後期高齢者になる。

    スティングリッツの提言=日銀の保有する政府債務をキャンセルする=無効、取り消す。永久債あるいは超長期債に組み替える。
    日本経済の抱える矛盾の究極的な受け皿は中央銀行以外にはない。

  • まさにタイムリー!

    2月に入って株式市場の大幅な調整を迎え、
    その後のマーケットも信頼感が薄く
    ウロウロしている最中に本書を読みました。

    滝田さんの文章やお話は、
    例えが上手なので尊敬します。

    「この言葉を使えば誰もがイメージできる」という、端的にその事柄を表現する語句を持ってくるんですよね。

    ダラダラとした説明がなく、「言い得て妙」な単語。
    そのためとてもリズミカルで、非常に読みやすいんです。

    ところで滝田さんといえば、新書の論調はもっと硬かったと思います。本書は、まるでエッセイかと思うような出だしの第1章。するするっと引き込まれて行きました。

    何気ない日常の出来事や街の様子から、景気の動きをキャッチします。その感覚、そのアンテナが投資家や生活者としてとても大事。

    つまり、バブル崩壊に巻き込まれない防衛術なのです。

    滝田さんの視点を真似て街を歩けば、景気の先読みができるようになるのではないか? と思います。大変勉強になる1冊です。

    日銀の今後の出方はどうなるのだろう?

    いま、誰もがそう思っていると思います。ぜひ、大きな動きが出る前に、本書を通読されることをお勧めします。

  • 足下起きているバブルの事例を網羅的に解説されている。裏側には中国が先進国化する過程でのバブル、米国のfangバブル、日銀の超緩和バブル、、、複合的だが、たまに上京した際の銀座の賑わいは気持ち悪さすら感じる。この違和感、現実化しないとよいが

  • 金融の知識がないとちょっと難しい。今の日本がいかにカネ余り状態なのか、それがどう異常なのかなんとなくわかった気がする。自動車版サブプライムの話とか出てきたり、今の経済が安定してるように見える状態がいかに不安定なのか。それにしてもバブルの恩恵をこうむりたいものだ。

  • 東2法経図・開架 B1/9/346/K

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著者プロフィール

日本経済新聞社編集委員。テレ東WBSキャスター。
81年慶応大学大学院卒。同年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ支局、経済部編集委員、論説副委員長、米州総局編集委員などを経て現職。2008年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

「2020年 『コロナクライシス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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