“社風"の正体 日経プレミアシリーズ

著者 :
  • 日本経済新聞出版社
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本棚登録 : 70
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263720

作品紹介・あらすじ

☆不祥事が起こると必ず言われるのが、「社風、企業文化に問題があった」。では、社風って一体何なんだ? と問われると、なぜか明快に答えにくい。本書は、数多の文献や具体例を紹介しながら、「社風、企業文化」の正体を解き明かし、それが組織にとってどんな影響を与え、未来の企業文化はどうなっていくのかを解説する。

☆「就職」ではなく、「就社」をする日本人にとって、「社風」の影響は非常に強い。他国に比べて、男性中心的、集団主義的、リスク回避的というのは本当なのか。京都、名古屋など、地域によって、さらには業界によって社風に違いはあるのか。イノベーションを生み出す会社と、ブラック企業、不祥事企業は何が違うのか……。

☆多くの実例、また先行研究などを参考にしながら、つかみにくい「社風、企業文化」の真髄に挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 結局、正体は「企業文化」と理解してよいか。
    今さらという感じ。
    それならば、文中の引用・参考文献を読んだほうがよい。
    著者はこれらの文献を読んで、こう考えるのかということが思索のための参考になる。

  • タイトルに期待して読んだが、企業文化についての先行図書の引用の羅列で、学生の論文のようだった。

  • “社風”の正体 植村修一著
    学際的分析で「可変論」を説く

    2018/7/14付日本経済新聞 朝刊

     イノベーションを生み、大きく成長する企業の文化がどのようなものか、誰でも知りたいものだ。一方で、不祥事があるたび、企業文化や組織の体質が問題になる。企業で働く人に「あなたの会社の文化とは?」と聞けば、何らかの答えは返ってくる。しかし、そもそも文化を定義したり、発生の仕組みを解明したりするのは簡単ではない。どうすれば文化を変えられるのかは容易ならざる問題だ。







     そのような中で「企業文化とは何か」に迫ろうとするのが本書である。経営学、経済学、心理学、社会学などの学説も参照し、「文化」「風土」を考える材料や語彙、概念を多く提供している。国内外の企業文化の成功、失敗の事例を多彩に取り上げる。


     日銀出身で今は大学で教える著者は、実務経験を盛り込みながら、学際的に企業文化を分析しているので、多角的な視点が得られる。例えば、日銀時代に企業に聞き取り調査をしたとき、役員が独りで応える場合と、たくさんの「お付き」を連れてくる場合とがあり、後者は著名な経済団体でよく名前を見るタイプの企業群だったそうだ。企業文化の明らかな違いに触れた生の経験から生まれる観察だろう。


     現状への批判精神も旺盛だ。ブラック企業やセクハラ問題を考える際、安易に風土や文化という用語を使うと、責任の所在が曖昧になると懸念する。経営の不作為の言い訳となり、根本的な原因に迫る前に思考停止しているとの主張には説得力がある。大学には経営や機会費用という概念がなく、ガス抜きを目的とした長い会議が横行する、といった指摘もある。


     企業文化の多様性を認識し、その重要性について問題意識を深める点で本書は有用だろう。では各企業はどのような文化を目指すべきなのか、どう風土を変えられるのか。この難問には確たる答えは見いだされていない。企業文化をアルゴリズムとして捉えることが提案されているが、これは現状把握の方法論だと考えられる。むしろ本書の意義は、企業文化を固定したものと観念せず、変転する環境に適応して企業文化も変わっていくべきだという「企業文化可変論」を打ち出したところにあるのではないかと思う。




    《評》早稲田大学教授


    川本 裕子




    (日経プレミアシリーズ・850円)


     うえむら・しゅういち 56年福岡県生まれ。大分県立芸術文化短大教授。日本銀行勤務を経て現職。

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著者プロフィール

大分県立芸術文化短期大学教授
1956年福岡県生まれ。79年東京大学法学部卒業、日本銀行入行。83年ロンドン駐在。90年大蔵省銀行局へ出向。日銀調査統計局企画調査課長、経済産業研究所上席研究員、日銀金融機構局審議役などを経て、2011年6月セントラル短資FX株式会社取締役副社長。2012年経済産業研究所上席研究員、2013年より現職。著書に『リスク、不確実性、そして想定外』『リスクとの遭遇』『バブルと生きた男』などがある。

「2018年 『“社風”の正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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