地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか (日経プレミアシリーズ)

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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本棚登録 : 135
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532264383

作品紹介・あらすじ

歴史地理学が教える、大災害時代の必須教養

・河川が平野の地形をつくった
・9世紀の平安京にあった堤防見廻り役
・堤防をつくると災害が起きる
・古くからの集落が微高地にある理由
・なぜ川沿いに住宅団地や工場が集まったのか
・山崩れや地滑りが起こりやすい地域とは

○本書は、私たちが暮らす場所の地形にはどのような特性があって、どう変化してきたのかについての見方を紹介する歴史地理学入門。近年各地で発生している水害や地形災害は、単に地球温暖化や異常気象だけで説明できない。どこで、どのように災害が発生しているのかについて理解を進めるために、地歴、地形環境やその歴史的改変の知識が欠かせない。

〇日本人の大半は平野に居住している。そもそも平野は川によってつくられた。平野は、扇状地・自然堤防・後背湿地・氾濫平野・三角州などに分類でき、後背湿地や氾濫平野は、主に水田に利用され、集落は自然堤防沿いにつくられてきた。

〇近年相次ぐ大型台風による洪水や山崩れは、地形的に災害の発生しやすい低地や地盤の弱いエリアに集中して発生している。本書は過去の日本人の土地との付き合い方、地形環境の改変の歴史を豊富な事例とともに紹介、大災害時代の必携教養として伝えたい。

感想・レビュー・書評

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  • 「社会科授業づくりのために」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=B20453

  • 恥ずかしながら地理の知識は中学生以下で止まっており、輪中などの単語がそれなりに有名であることをこの本で知った。電子書籍では図版が見にくかったのが難点だったが、小字の移り変わりなど楽しく読めた。

  • 「景観から読む日本の歴史」参照

  • 河川による地形の形成過程や、地形と人々の生活との関わりなどについて、事例を挙げながら解説しています。少し文章が堅い感じがしました。また、せっかくの興味深い事例も、図版の少なさとその文字の小ささ(特に地形図)ゆえに、よく理解できないところもありました。地形の形成過程をイラストで説明したり、歴史資料を豊富に引用したりすれば(私としては)もっと読みやすくなったのではないかと思いました。

  • 編集者がつけたあおり文「歴史地理学が教える大災害時代の必須知識」は言い過ぎかなと。

  • 地理と歴史が親しい学問領域であるなどいろいろと勉強させていただいたが、結局河川氾濫原と後背湿地でだいたいカバーできちゃうような場所に日本人は住みたがるようです。

  • 一つ一つ実際の地域の事例を挙げて地形の形成を解説してくれていたが、個人的には物足りなかった。「地形やその形成の過程」と「人間がそれをどう利用して生活しているか、あるいは利用に失敗しているのか」を知りたかったのだが、各事例の記述が少し簡潔すぎた気がした。地理への理解がもう少しあれば楽しめたのだろうか?

  • まあまあだった。
    タイトルやサブタイトルから受ける印象と少し違って、地形の成因やひとびとの地形への働きかけ、あるいは地名についてのいろんな話が含まれている。やや散らかった印象の本。一章や終章の哲学的な話などは不要(本論の補強などにもなってないし)。
    それに、地名の由来とかの話は余計かな。。

    遊水地と後背湿地のことなど、河川との関係などの記述は多くてよかった。新幹線基地が氾濫想定地域にできるのは、氾濫するから住宅などはなく土地が空いていたというのは説得力がある(都市計画的な観点もあろうけれど)。
    平安京のころ、東側の鴨川で堤防のかさ上げや保護をしていたというのも面白い(そんなころから河川工事がなされていたとは)。七世紀の狭山池以来のかさ上げ工事(ダム再生)の歴史のことも。

    いったん決壊すると被害が大きいという点で、堤防により水害が大きくなる可能性、という指摘は妥当だが見出しの付け方はややオーバーにもおもえる(ほかにも都市化などの影響もあるだろうし)。

    宇治川での切所や木曽三川での押堀など、堤防の決壊あとにできるというのはそうだし、それらの地域に多いとの指摘は妥当だろうが、連続堤でなく輪中でも成り立つだろうにともおもう。全体的に連続堤を好んでないような記述がかんじられる。

    埋め立てや干拓の記述はやや冗長にかんじたが、八郎潟が、オランダの防潮堤技術が導入されたことや、工業化や減反により目的喪失があったとの指摘は興味深い。

  • 著者が富山生まれで京都大学に長年籍を置いていたからであろう、日本人といっても東日本より西日本が中心となり、また河川や湖沼に重きを置いた著作となっている。新書という限られた分量の中では仕方なしか。

    寝屋川流域は1964年から1996年の33年間で最大1メートル以上沈下した、との事。太古は河内湾であった事は知ってはいたが、やはり水害には特に気を配らなければならない一体なのであろう。

    西日本に馴染みがある人には読み易く感じるだろう。一方馴染みのない人には読みづらい所もあるか。

    ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

  • 人がどう地形を改変してきたかと災害の痕跡と。ともかく読みでがある。もうちょっと地図があるとありがたいのだが、そこは、パソコンでででも地図を見ながら読みなさいというところだろうか。

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著者プロフィール

(きんだ あきひろ)1946年富山県生まれ。京都大学文学部史学科卒業。文学博士。専攻、歴史地理学、人文地理学。京都大学名誉教授、京都府立京都学・歴彩館館長。
著書に、『条里と村落の歴史地理学研究』(大明堂)、『古代日本の景観』『古代景観史の探究』『微地形と中世村落』(いずれも吉川弘文館)、『古地図からみた古代日本』(中公新書)、『大地へのまなざし』(思文閣出版)、『文化的景観』『地形と日本人』(いずれも日本経済新聞出版社)、『タウンシップ』(ナカニシヤ出版)、『古地図で見る京都』(平凡社)、『江戸・明治の古地図からみた町と村』(敬文舎)、『景観からよむ日本の歴史』(岩波新書)など多数。


「2020年 『和食の地理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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